普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

海江田大臣の原発再開の要請を聞かない地方首長

2011-06-19 16:56:13 | 電力、原発

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海江田経済産業大臣へ
 今日の報道に依りましと、大臣は今週末にも原発立地の自治体を訪問し、検査などで止まっている原子炉の運転再開を要請する考えを明らかにしたそうですが、その各県知事の反応は芳しくないようです。
 これに対して読売新聞はその社説で、
今回の安全対策は水素爆発などの過酷事故を想定したものだ。
 原子力安全・保安院が、原発を持つ国内11社に対し、全電源喪失といった緊急時に、中央制御室の作業環境、通信手段などが確保できるかどうか、報告を求めた。立ち入り検査も実施した。
 3月末にも各社に安全対策を指示し、5月6日、地震と津波に対する短期的な対策は適切だと“お墨付き”を出している。
 ところが、同じ日に菅首相が中部電力浜岡原発の運転停止を要請したことが、原発を抱える自治体に不安を広げる結果となった。

と指摘しています。
 この安全対策の問題点は、原発の水素爆発を中心とする緊急事態の対策に絞ったことです。
 何故なら一旦緊急事態が起こったら、何があるか判らないからです。
 詰まり原発関係の大事故の前例はスリーマイル、チェルノブイリと今回の福島原発の三例しかないからです。
今日の報道の「震災直後のベント難航」のように思いも掛けないことが原発の何処で起こるか判らないからです。
 それで当面の問題点は如何にして原発の事故を防ぐかにあると思います。
 当然のように、地もとの知事達が言うように、
・浜岡原発と地もとの原発の違いを知りたい、
・原発事故(の収束も)原因究明もできていない
・同じ津波の被害を受けても無事停止した女川や福島原発の違いはどこにあるのか
・福島第一の持つ問題点と地もとの原発のどこが共通し、何処が違うのか判らなければ判断の仕様がない
と言うのはもっともな話で、海江田さんが現地へ説得に行かれるときは、是非これらの点を明らかにすべきだと思います。
この原因の究明が殆ど行われていないのは、その責任はともかくとして、復旧に頑張っている従業員たちへの遠慮という、日本人的な考え方も良く判りますが、読売の言うように浜岡原発停止で一気に盛り上がった反原発の動きの一方、海江田さんが心配されているように、日本経済の復旧のためには、福島第一の事故原因の究明は一刻も早くし、それを他の原発関係者や原発を持つ地もとの首長たちに知らせるべきだと思います。
 これについて毎日新聞はその社説で、
そもそも、第三者機関による事故の調査・検証は始まったばかりだ。この検証では政府も「被告席」にすわることになる。政府の過酷事故対策は妥当なのか、津波対策に偏り過ぎていないか、別の要因による別の過酷事故への対応は十分かも検証が必要なので今回の海江田さんの動きは時期尚早だと書いていますが、この第三者機関もそれなりの立場で正確で洩れのない報告を出すには可なりの時間が掛かると思いますが、それまで待っておれない様なら、中間報告でも出させてそれを関係方面に周知すべきと思います。
 私は上記の地もと首長の懸念のほかに、元保全技術・管理者として先日来日したIAEAの報告書の
"Nuclear designers and operators should appropriately evaluate and protect against the risks of all natural hazards, and should periodically update those assessments and assessment methodologies," it said.
の文章に注目しています。
詰まり米国のメーカーなどに教えて貰いながら建設・運転に入ったと言われる旧式の福島第一が、その後の技術の進展に添って、どれだけupdateされたか、もしそれが不十分としたから、東京電力の体質に問題が無かったか、現場の運転と本店のコミュニケーションはどうだったかの問題も、他の原発の事故防止に大きな影響を与えると思いますので、この点に就いてのご検討をお願いしたいと思います

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-06-21 14:53:55
ブログ主さんは、日ごろ時間があるのでしたら、国会中継を見ることをお勧めする。

そうすると、海江田氏の言うことがおかしいということが分かる

一昨日の自民党の参議院議員、森氏の質問に対する海江田氏、管氏の答弁は酷いを通り越して、まだ詭弁を弄するかという惨憺たるあるさまでした。

国際機関のIAEAへの報告書に嘘を並べ立てて報告するという愚を民主党政権は行おうとしていた。森氏の鋭い質問はまさに的を得たもので、海江田氏の答弁も答弁になっていなかった。

このような経済産業大臣の要請を首長が唯唯諾諾と聞くはずがないのではないか。
主張に首尾一貫したものがない。



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