今になっても福島第一の事故原因究明の精密、正確な事故調査とその対策の決定版がないまま。そのためには原子炉の専門家に加えて現場に精通している運転・保全の専門家のチームで事故調査、そのその原因と対策の決定版を作るべき。
私は前回の「民事事件にこそ裁判員制度を」の投稿で、大津地方裁判所の技術では素人の裁判官の批判をしましたが、唯一賛成できることが有ります。
判決の理由の一つに福島原発事故の原因が判っていないのに原発の運転再開は考えられないと言うことです。その意見はどの原発訴訟で原発運転反対の裁判官も言っています。
実際に原発事故の調査はされたのか?一応はされたことになっています。一般、政府、国会から事故調査・検証団が派遣されました。しかし自発的に行われた一般の調査団もそうですが、政府の調査団のメンバーを見て驚きました。所謂「原子村」に属さない原子炉のことは知っていても原発事故の発端のなったポンブ、電気、計装のことは全く知らない原子炉の専門家、原発とは無関係の学者と何故かまったく素人の一般国民。「原子力発電所」の運転・保全の専門家が全くいないのです。
参照:カテゴリー企業経営・原発、11年5月の「学者と素人ばかりの原発事故の調査委員会委員」
私は驚いて国会も調査団が派遣されると知って私なりの意見を纏めて、その構成を検討していると言われる自民党の国会議員にメールを送りました。
・調査団のメンバーに就いて原発全体の設計の専門家、原発運転・保全の専門家も是非入れること
・原発全体のことを知らない学者を含むそれ以外の調査団の人、そして調査報告を見る素人の国会議員でも判るように、何とか生き延びた福島第二、同じ地域で全く影響がなかったどころか津波の被害者の避難所になった女川と福島第一の比較調査をすること。
・その理由は福島第一の事故の原因は津波で原子炉の冷却水系がやられたこと、地震で外部電源が全滅したこと。緊急電源装置が水没したこと。停電による計装機器の不備で対策に困ったことです。そして原因究明やその対策の立案は現場のことを熟知している高専卒の運転・保全の専門家でも出来るし、仮に知らなくても彼らは誰に訊けばよいかは熟知していること。
・福島第二が何とか助かったのは、第一のように緊急電源装置がタービン建屋でなく水密性の高い原子炉建屋にあったこと。(第一の緊急電源装置は地下に置かれていたと言う信じられない最近の報道も)
・女川が無傷だったのは当時の責任者の判断で津波被害防止のために高いところに建てたこと。それと想像ですが福島第一より新しい設備だったこと。世界原子力機構(IAEA)の調査員が震度7近くの地震にも堪えた装置を見て大喜びで帰ったという報道も。
しかし当然のように私の提案は無視されて、政府調査団とよく似た国会調査団がおくられました。
だから三調査団のどの報告も、すでに新聞などで報告されている福島第一に入れなかったが水漏れの音がしたのを聴いたとか、放出弁の自動的な作動が出来なかったと言うたぐいの報告ばかりて、その報告の大半は事故後の処理の不具合の報道ばかり、(マスコミのそ立場から言えば当然ですが)殆ど無傷で生き延びた女川のことは殆ど報道されないまま。
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