昨日のフジテレビの「報道2001」て都知事立候補予定の石原さん、東国原さん、渡辺さんと小池さんが、原発賛成の有無に就いて討論していました。
日本の最古に近い福島原発事故を取り上げて、賛成の石原さん、立ち止まって考えろと言う東国原さん、反対の渡辺、小池さん。
マスコミは報道の影響の大きさを考えて、福島原発の抱えている基本的問題に就いて批判を控えています。
然し、先の討論のように今後の原発の在り方を現実の事として考えるに就いてはこの問題を抜きにして考えることは出来ません。
それで他に殆ど影響がない小ブログの立場を利用して、この問題を考えて見ました。
以下は元設備保全技術者の私の立場から考えと現実です。
(1)原発は最新の技術とそれ迄の原発の内外の経験を駆使しして建設する
福島原発は日本最初の原発でメーカーのGEから教えて貰いながらの建設だった。
同じ東北の女川原発は大きなトラブルがなくて停止した。福島、特に1号機との大きな差は耐用年数が切れた福島より新しい設備と、海面より15m高いところに設置されたこと。
(2)経済的に許し得るあらゆる限り緊急設備を設置する
緊急電源として、地震と津波の両災害に対処するのに、外部電力の利用とディーゼル発電機の利用の二つの対策だけで十分か。緊急用発電機だけ高所に置く、外部電源を二系統にするとかの対策など。
世界で珍しい50Hzと60Hzの電源周波数の統一か変電所の強化など考えるべき。
(3)徹底的なメインテナンスを行う
耐用年度を10年越して運転する条件として原子力保安委員会から徹底的なにメンテナンスを要求されたのに、会社は許可後数週間後に、ポンプやディーゼル発電機を含む冷却系の設備の33カ所の検査をしなかったことを認めた。
(参照: 経済産業省のサイト )
(4)建設後も改善できるところは出来る限り改善して行く
1号機の場合(1)の様な状況で建設されたのだから改善の余地はあり過ぎるほどあった筈。
(5)現場の運転、保全部門での整備改善運動を徹底する
津波によりタンクが流されたと伝えられているが、津波の圧力や海水の浮力に耐え得るように機械並みの基礎とアンカーボルトをつけておけば仮に凹んでも流されなかったはず。
然もこれなどは工業高校程度の技術でも設計出来るはず。
建屋の防水、配管の止め方、振動の防止なども同程度の現場技術者の技術や運転員の常識でも改善できる範囲。
(6)改善提案の良いものは総て採用する
(7)そのための本社のトップ、設計部門との風通しを良くする
強引な計画停電、作業員や自衛隊などを1日2食ごろ寝させるなど、トップと現場の風通しとは全く逆のお役所的に体質。
ネット情報だが耐用年数を過ぎても、定期検査の期間を延長など、超危険な原子力を扱う現場としては考えられないこと(保全専門の私としてはこれが誤報としか思えないほど出鱈目と思うのですが)
(8)上記の前提と考え得る事故の保障を考えたコスト計算を行い、それで火力など他の手段に比べて採算があえば原発を採用する。
今回は運転中の問題ですが、東京電力は企業のコスト削減のために、耐用年数を過ぎた然も対地震強度の弱いと言われる1号機をさらに利用し、メンテナンスコストを押さえるために手抜きが東電の株価の暴落、国有化と言われる程の大きな代償を払うことに なるようです。
元保全技術者の私の眼から見ると、今回の事故が示すように、
・お役所的な体質を持つ企業に原発などの危ないものを持たせるべきではないこと
・原発採用の場合は今まで無視され勝ちな、運転・保全などの現場の在り方と会社トップとの関係
まで考えるべきだと思えて仕方が無いのですが。
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参照:ニューヨーク・タイムズ紙の
「Japan Extended Reactor’s Life, Despite Warning」
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---- 引用 ----
福島第一原発の2台の地震計で記録された今回の地震の最大加速度は、448ガルと431ガル。東電は同原発で予想される揺れの最大値を600ガルと想定していた。しかし、東電関係者の証言によると、この揺れによって、送電線を支える原発西側の鉄塔が倒れた。その結果、自動停止した原発に送電できなくなり、1~3号機の冷却機能がストップした。
引用終わり
4行目の「送電線を支える原発西側の鉄塔」が倒れたため全ての電機が駄目に成った。福島第二と女川は鉄塔は倒れず、外部電源は生きていた。
倒れた理由を調べてください。これが倒れなければ何とかなったと思われます。
また朝日や毎日で報じられた後、全く報じられず、おっさんさんもご存じないようですから。