・キーワード:加藤紘一、冷泉彰彦、世界売春事情・慰安婦問題解決には世界、米国、韓国への情報戦しかない
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前回「慰安婦問題と情報機関設置」を取り上げましたが、同じ問題で「しんぶん赤旗」の自民党の元幹事長の加藤紘一さんの発言 が問題になっています。
・加藤さんの意見:宮沢喜一内閣の官房長官だった時、慰安婦問題では政府の関与があったとして謝罪した。
・河野洋平官房長官のときに、さらに調査して「強制性」を認めた。この一連の調査や見解を覆そうという今の動きに、外交的にも大丈夫なのかと思う。
・こういう状況になると、アメリカもこの問題に強い関心を持っていることに私も驚いた。ブッシュ大統領の会談では、安倍首相が「お詫び」せざるを得にかった。アメリカは、人権問題という点からこの問題をとらえていたのだろう。
私は慰安婦の強制問題に対して私は前回のエントリーで・河野洋平官房長官の時副長官だった石原さんの意見のほかの池田信夫さんや桜井さんの主張の実例を挙げて軍による強制は無かったと書きました。
そしてこの事実はこころある人達の常識になっています。
しかしこの日本人の考え方に一石を投じる文章を見つけました。
米国在住のジャーナリストの冷泉彰彦さんの従軍慰安婦問題、いわゆる「河野談話」の訂正は可能か?です。 (括弧内は私の意見です。)
・安倍政権がいわゆる従軍慰安婦の、「軍の強制連行があった」とする「河野談話」を見直すかもしれないという報道に関しては、アメリカの政界やジャーナリズムによる関心も高まっています。
・この問題に関する事実関係に関しては、私は池田信夫氏による「軍による強制連行はなかった」という立場を取ります。
問題になっている河野談話を訂正には日本の政界や世論には根本的な誤解があり、注意深い議論をしないと、日本の国益を大きく損なう危険があるからです。
誤解というのは、「強制連行はしなかったが、管理売春目的の人身売買は行なっていた」という「訂正」を行なうということは、日本という国は現在形で「女性の人権に無自覚な国」だという烙印を押されてしまうからです。 (中略)
現在の世界的な人権の感覚からすれば、「本人の意に反して家族の借金を背負って売春業者に身売りされ、業者の財産権保護の立場から身柄を事実上拘束されている女性」というのは「性奴隷」以外の何物でもないからです。
また「本人としては不本意ながら売春行為を事実上強要され、一晩に多くの男性の相手をさせられた」ということは「強姦」のカテゴリに入るのです。 (どう考えても強姦とは言い過ぎだ。)
こうした論点に関しては、「米軍も日本の占領にあたっては売春婦を用意させた」とか「ベトナム戦争に参戦した韓国軍も似たような行為をした」など「20世紀の後半になっても他にも例があるではないか」という「反論」も多く見られます。ですが、ここにも誤解があります。というのは、ここで挙げた米国や韓国の事例に関しては「大っぴらにはやっていない」のです。言い方を変えれば、必要悪として「大人の処理をした」ということです。
これに対して日本での「狭義の強制連行はなかった」という主張は、裏を返せば「当時の法制や慣行に則した広義の強要はあった」ということであり、要するに「やっていたと堂々と認める」という話に他なりません。20世紀に起きた「交戦地帯における兵士相手の管理売春の強要」を21世紀の国連加盟国の政府が「狭義の強要よりは反道徳的ではない」と主張する、それも「大っぴらに主張する」というのであれば、理解される可能性は限りなくゼロに近いと考えるべきでしょう。 (管理売春の強要と言うが、当時の日本政府の立場から言えば法外の対価を支払った商行為だ。)
それでも、どうしても「河野談話の見直しをしたい」というのなら1つだけ方法があります。それは「狭義の強制連行や強要はなかった」という事実関係の訂正をするのと同時に、これとバランスを取るべく、「現代の価値観」に照らして、「広義の強制」つまり「事実上の人身売買であった管理売春が、派遣軍に帯同される形で行われていた」ということに関して、その反道徳性に対して厳しく批判をすることです。 (以下省略)
[私の意見]
・冷泉さんの意見は下記のように世界の事情は無視していますが、米国の立場と日本の立場を良く考えた書き方をしていると思います。
・然し彼が言う「管理買春」をオランダのようにおおっぴらに、または内々で行っている国は日本、米国を除いて多くありますが、それらの国が批難されないのは何故でしょう。 (参照:世界売春事情)
その売春婦は心ならずも仕事をしている人達も多いと思います。それを「強姦」と言うのでしょうか。
・彼の言う米国や韓国の必要悪として不法な「大人の処理をした」と言うことと、日本の戦地での問題発生を避けるため当時合法の公娼制度を利用して「大っぴらにやった」のどちらが正しいか議論の別れるところです。
・米国での日本が慰安婦問題を取り上げることは、米国兵の韓国・ベトナムの不法な性的な処理を取り上げることになります。
それで日本を除く他の国と同様に、米国は自国の兵士の不法行為は棚に上げて、慰安婦問題だけを取り上げて日本の希薄な?「人権」意識を攻撃しているのでしょう。
前述のように米国議会が多くの買春行為を容認している国を攻撃しないのもその理由だと思います。
・安倍さんがブッシュさんに謝らざるを得なかったのは、ことを大きくすると米国兵士の不法行為を見逃したと言う米国政府の恥部に安倍さんが触れようとしたこと、そして軍事的には日本は事実上の米国の軍事的な保護国という弱い立場だったからだと思います。
・韓国側から言えば当初の慰安婦強制問題と言う日本側から出た問題を取り上げ、攻撃していた強制問題のガセネタがばれる前に、自分のことは棚に挙げて他国の責任を追求する米国民の国民性を利用して人権問題にすり替えることに成功したのです。
前回にも書いたように日本は情報戦に韓国に完敗したのです
・今となっては対策は冷泉さんの言う間違っても「河野談話」の取り扱いを誤って、現在の日本という国そのものが「女性の人権の敵」として、(女性議員数が最高に達している)米議会のターゲットにされるようならないように、そして今の日本の置かれている米国に対する弱い立場から冷泉さんの言う「おおっぴら」でなくて日本が取るべき道は前回も書いたように、そして現代史家の秦郁彦さんの意見のように、日本の都合の悪いことも含む地道な日本の主張を纏め、政府が動いていると知られないよう米国・韓国・世界に訴える情報戦に頼るしかないような気がします。
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1 コメント
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- カーボンオフセット革命 (S15生まれ)
- 2013-02-25 20:13:40
- それにしても日立金属の高性能冷間工具鋼SLD-MAGICのトライボロジー特性は凄いですね。先月の、日刊工業新聞社の「プレス技術」で読みましたが、微量の油を塗ったセミドライ状態で、摩擦させると先端技術のDLCのような自己潤滑性(摩擦係数が下がる)が出るなんて。耐摩耗性もたかいのでコーティング費用分コストパフォーマンスがよく、耐荷重能も相当応力で2500MPaと高強度でベアリング・金型などのいろんな機械の転動・摩擦・摺動部品などの機械要素に使えそうだ。まさにノーベル賞級の発明だ。
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