普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

能力のない生徒まで高等教育無償化?

2017-12-09 11:49:25 | 教育

戦前・戦中派の私から若い方達への申し送りです。もし宜しければ是非ご一読の上、趣旨にご賛成ならお手数ですが拡散をお願いします。
  11月28日の読売新聞で「高等教育無償化」「進学後に頑張る人には門戸」の大きな見出しで自民党の田村さんと茂木経済再生省の質疑が出ていました。
田村さん:所得の低い家庭は無償化するよゔだが、対象者の成績は問わないのか?
茂木さん:高校の成績が芳しくなくても、大学などへ進学後に頑張る人もいるので、門戸はできるだけ閉ざしたくない。一方国費で支援する以上、(進学後に)しっかり成績を納めているかは見ていく。

 財政状況が厳しいなかで、高校の成績が悪い人にも高等教育の無償化をする余裕など有るものかと思っていたところ、12月5日の新聞で可なり具体的な内容の報道がされていました。
 支援対象者(とするかどうかの判断)は、高校在学時の成績だけで判断せず、学習意欲を確認する。大学進学後は、学習状況に一定の要件を課す。単位数の取得状況、平均成績、処分などの状況に応じて支給を打ち切こととする。→茂木さんは「高校の成績が芳しくなくても、大学などへ進学後に頑張る人もいるので」と言い読売も「進学後に頑張る人には門戸」と報道していました。
 支援措置の対象となる大学は、学問追究と実践的教育のバランスが取れている大学などとする。具体的には実務経験のある教員による科目の配置、厳格な成績管理の実施・公表などを要件とし、関係者が参加する検討の場での審議を経て、ガイドラインを策定する。
 なお別の面では就職に役立つ技能を得ようとする学生を支援し、若者の安定的な雇用を後押しする狙いからだ。と言う解説でした。
「上記の記事で判らない点」
・支援対象者(とするかどうかの判断)は、高校在学時の成績だけで判断せず、学習意欲を確認する。→この文章を「高校在学の成績と学習意意欲で判断する」と読むのが普通ですが、「成績はともかく学習意欲を重点に置くと」と読めば茂木さんの説明になります。
 いずれにしても申請者も学校もみな学習意欲があると言うに決まっています。そうすれば高校の成績が最低(良く言われる四則の計算が出来なくても)でも希望者は学習意欲があると言うに決まっています。それで全員対象となる?そんな馬鹿な!
・大学進学後は、学習状況に一定の要件を課す。単位数の取得状況、平均成績、処分などの状況に応じて支給を打ち切ることとする→大学進学後は単位数の取得状況、平均成績、処分などのチェツクは誰が行う、文科省では出来ぬので学校。その際国立、公立、私立を問わずその経営面から厳しいチェックは出来ず、余程メディアが飛びつくような酷い学生を申し訳に申請するだけ、他の連中は遊んで居て卒業できる?国にそのよう学生にも無償化する余裕はあるのでしょうか?
・解説の就職に役立つ技能を得ようとする学生を支援→「技能」と言え工場で言えば作業員、医療で言えば看護師、町で言えば美容師、料理人に必要な技能。昔で言えば起業がやっていた給料を貰いながらの工員の補習事業に、大病院の住み込みの看護師教育など。これらは今までの例から言えば専門学校の仕事。決定事項、解説とも国公立、私立とも専門学校の字がない。その教育の費用を持つ国。財政の厳しい国も大変。
 それはまだ許せるとして、技術立国の国の最先端の工業・医療技術、深い知識と判断力を要する国公立の職員を目指す人を意欲だけで支援して良いのか、国や国公立の大学、一流の私立大学へ目指す学生に対しても上記の専門学校並みの取り扱いで良いのか?
 どのケースにしても無償化は、進学先のレベルに併せた程度の能力を持つ生徒だけにしか適用しないようにしなければに金はいくらあっても足りないし、そうしなければ卒業しても単純労働につくしかない学生を輩出と言う金の無駄遣いに終わると思います。
「私の意見」
 上記以外の基本的な問題に就いての私の意見です。
 前にも書きましたが、社会主義的政策を進めるためには、対象者に社会主義的負担を負わせねば金が幾らあってもたりない。
 例えば国全体の問題で言えば、社会福祉政策という社会主義的政策を進めるためには、所得税増税(欧州諸国のように20%以上に)いう社会主義的な負担を国民に負わせなければ財政赤字の伸びは終点知らずになります。
 今回の例で言えば、高等教育無償化の場合は対象高校生に一定の成績獲得と言う負担を負わせるのは当然です。前記のように抜け道だらけではいずれ行き詰まるのは目に見えています。中央教育審議会会長を勤めた山崎正和さんの言う様に対象高校生に一定の能力を要求と言う負担を生徒に負わせるのは当然です。
 その方法は簡単で対象者は大学入試共通一次試験で希望する進路に必要な学科で一定の成績を挙げた生徒に限ること。結果的に政府の言う進学後の能力調査より正確、公平に出来ます。
 絵画、音楽など特殊面に進む生徒には前記試験の他、進路に適合する試験を別途受けさせること。
 現在高校生の一部は選挙権を持っています。と言うことは卒業生は大人の考え方と責任を持っていると言う前提に立っています。
 大学での無償化を受けるには生徒がそれなりの負担を持つ責任があるのは当然だし、高校側もそれを教えるのも当然です。(以上は12月7日まで書いたこと)
 12月8日の読売は「無償化先行残る課題」として関係者から出た次のような問題点を挙げています。
・政府案は「高校在学時の成績だけで判断せず本人の学習意欲を確認する」としたが、どのような条件になるのかは不透明。向学心をきちんと確認するための仕組みも必要→現実は前にも書いた様に進学したい人が全員が当選。
・無償化は今でも勉強しない日本の学生がますます勉強の動機付けを失い兼ねない。→全国一斉の学力試験を行い一定の成績を挙げない生徒を淘汰する。。
・大学の「厳格な成績管理を実施・公表すること」としているが具体的な基準は決められていない。→前に書いたとうり大学側の甘い査定に終わる。
 私立大の約4割が定員割れと言う状況で無償化が進めば、「淘汰されるべき経営難の大学の救済処置になって仕舞う」の懸念もある→今回の投稿で触れて居ませんでしたが、以前にも投稿したように、共通一次の試験で一定の成績を納めた生徒の割合で大学への給付金の査定し制度として良い大学を伸ばし良くない大学の淘汰をすべきと思います。そうすれば大学も受験生も頑張ることに繋がります。
 是れだけ取り上げても、厳しい財政状態の中で教育に関する無償化の政府案が如何に杜撰なことか判ります。9日の新聞では「またとうとうばら蒔きに終わった」と言う自民党議員の言葉を紹介していました。

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