川柳川柳くろがね2018年4月号より
「前月号鑑賞 石神 紅雀 選・評」
「残された半分の胃が武者ぶるい」 あき子
う~ん、胃も心細いでしようね。でも頑張るぞーと武者ぶるい。作者の前向きな生き方にエールです!
「蹴破った殻いつまでもまとい付く」秀美
かっこよく蹴破ったつもりなのに、足の先から離れない。殻は以前の私、こだわりを捨てられない。
「雨だれを首筋で受け春を知る」 いっこう
ヒヤッとするはすの雨だれが冷たくない。あ、もう春が来たのか。家の中ばかりにいて気付かなかった。
「ひとり鍋続く酒にも強くなる」 華子
一人で鍋をつついて、傍らには一升瓶。どちらも十分にあるから、動かないで食へる飲む。至福の時。
「負けは負けここが私の着地点」 郁子
この句が一番好きだ。潔くて前向きで、ほれぼれする。ここから根を伸ばすもよし、飛行訓練もよし。
「くろがね抄」 吉富 廣 選・評
中間 志岐 けい子
「マンネリの妻が待ってる変化球」
よくわかります。僕は寡黙。反対に女房はよく喋ります。戌年生まれでよく吠えます。いわゆる体育系ですが歳を重ねるにつれ、バレーボールやレクダンスも思い切り出来ずその鬱憤を僕の方に向けます。僕はあまり反応を示しませんので彼女はいつもいらいら。それで私は彼女に川柳を勧めています。そして彼女がそのいらいらを川柳に思い切りぶっつけたらと願っています。
「赤なのに平気で渡るのは女]
「断れぬご先祖からのお付さ合い」
「愚痴食べて今日も何とか生きてます」
「うらむまいもう忘れよう酔いしれる」
八幡西 大塚 郁子
「マイペースあっちこっちに句読点」
いいですね。こういう人生は。仕事が終わっても真っすぐに帰らず、午後八~九時頃までパチンコもせずスナックにも行かず、街の公園などでひとリブラブラ缶ビール。いわゆるフラリーマンが増えていると報道されていました。北九州の角打ち文化に似ていませんか。句読点をどこに打とうが本人次第。マイペースもいいなあ。
「指定席あって自由になるこころ」
「子が親になる頃母が子に戻る」
「追加点入れてシナリオ動きだす」
「人のこと見えているのは平面図」
札幌 桶川 聖柳
「残り火を煽リカルテに妥協する」
「ストレッチ心の傷に届かない」
「人生のビンゴゲームがまだ続き」
「宇宙から来たのか孫の省略語」
「消した跡虚しい友の住所録」
八幡西 時津 みつこ
「みかんむく欺瞞の影をうすく剥ぐ」
「これ以上捨てると私まで棄てる」
「ほろ酔うてやや餞舌な春の下駄」
「潔ぎよく転げたままの薮椿」
「寒の水ごくり迷いがまだ消えぬ」
「前月号鑑賞 石神 紅雀 選・評」
「残された半分の胃が武者ぶるい」 あき子
う~ん、胃も心細いでしようね。でも頑張るぞーと武者ぶるい。作者の前向きな生き方にエールです!
「蹴破った殻いつまでもまとい付く」秀美
かっこよく蹴破ったつもりなのに、足の先から離れない。殻は以前の私、こだわりを捨てられない。
「雨だれを首筋で受け春を知る」 いっこう
ヒヤッとするはすの雨だれが冷たくない。あ、もう春が来たのか。家の中ばかりにいて気付かなかった。
「ひとり鍋続く酒にも強くなる」 華子
一人で鍋をつついて、傍らには一升瓶。どちらも十分にあるから、動かないで食へる飲む。至福の時。
「負けは負けここが私の着地点」 郁子
この句が一番好きだ。潔くて前向きで、ほれぼれする。ここから根を伸ばすもよし、飛行訓練もよし。
「くろがね抄」 吉富 廣 選・評
中間 志岐 けい子
「マンネリの妻が待ってる変化球」
よくわかります。僕は寡黙。反対に女房はよく喋ります。戌年生まれでよく吠えます。いわゆる体育系ですが歳を重ねるにつれ、バレーボールやレクダンスも思い切り出来ずその鬱憤を僕の方に向けます。僕はあまり反応を示しませんので彼女はいつもいらいら。それで私は彼女に川柳を勧めています。そして彼女がそのいらいらを川柳に思い切りぶっつけたらと願っています。
「赤なのに平気で渡るのは女]
「断れぬご先祖からのお付さ合い」
「愚痴食べて今日も何とか生きてます」
「うらむまいもう忘れよう酔いしれる」
八幡西 大塚 郁子
「マイペースあっちこっちに句読点」
いいですね。こういう人生は。仕事が終わっても真っすぐに帰らず、午後八~九時頃までパチンコもせずスナックにも行かず、街の公園などでひとリブラブラ缶ビール。いわゆるフラリーマンが増えていると報道されていました。北九州の角打ち文化に似ていませんか。句読点をどこに打とうが本人次第。マイペースもいいなあ。
「指定席あって自由になるこころ」
「子が親になる頃母が子に戻る」
「追加点入れてシナリオ動きだす」
「人のこと見えているのは平面図」
札幌 桶川 聖柳
「残り火を煽リカルテに妥協する」
「ストレッチ心の傷に届かない」
「人生のビンゴゲームがまだ続き」
「宇宙から来たのか孫の省略語」
「消した跡虚しい友の住所録」
八幡西 時津 みつこ
「みかんむく欺瞞の影をうすく剥ぐ」
「これ以上捨てると私まで棄てる」
「ほろ酔うてやや餞舌な春の下駄」
「潔ぎよく転げたままの薮椿」
「寒の水ごくり迷いがまだ消えぬ」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます