普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

前月号鑑賞 「自分から割れてしまえるシャボン玉」

2018-10-08 11:59:20 | 川柳

「川柳くろがね」2018年9月号より
前月号鑑賞 石神 紅雀 選・評
「電話では喧嘩になるしメールする」 堤野 久男
 この判断のひと呼吸がいい。でも、メールも面倒くさくなって、「もういいや」になるのは私だけかな。

「息絶えた蝶に命があこがれる」   黒川 弧遊
 辛くて辛くて死んでしまいたいような時に、美しい蝶の死骸をみつける。きっと、黒に水色の黒揚羽。

「父の背を大きく見せる母がいた」  矢野 隆
 母さんが小さかったのは勿論だけでど、父さんを立てて、蔭で支えていた。大きく見せた内助の功。

「雨あがる水たまりから靴のあと」  杉 ちづ子
 土砂降りの水たまりに誰かが靴を踏み入れたらしい。大丈夫だったかな。深読みすれば、人生の水たまり。

「針穴を通った糸が生きかえる」   吉富 廣
 老眼で糸通しに苦労する。そのうち糸はよれよれになる。やっと通ったら、まるで命をらったよう。

「夏が来る男を一人準備する」    吉丸 玲子
 おおっ!何のための男だろう。夏と言えばお祭りだ。きっと神輿担ぎだ。姐さんも忙しくなる。

「自分から割れてしまえるシャボン玉」水谷そう美
 今月の一等賞。失敗つづきでにっちもさっちもいかない時に、シャボン玉ならパチンと
消えてしまえる。

川柳・人気ブログランキングへ
文遊吟社ネット句会へ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿