TIP The POPの記事より→ 沢田研二の「危険なふたり」が発売された日
堯之さんとショーケンの記事もありました→追悼・井上堯之
私は前作の「あなたへの愛」が大好き。さらに前のソロ初期の「許されない愛」や「あなただけでいい」など、ジュリーを再びヒット歌手に押し上げた絶唱型の曲は、タイガース時代よりも一人の大人の男性になったジュリーの存在を知らしめて、切々とした訴えるような歌声は気持ちには響くのだけど、まだ少女の域を出ていない私には重たく暗く思えた。
それに比べると「あなたへの愛」は、誠実で優しいジュリーを感じさせ、甘やかな声が少女の心を掴んで、スリーピースのスーツを着たジュリーは若くて、誰よりも美しく眩しい貴公子そのものだった。
タイガースの王子様から、ひとつ大人になった貴公子ジュリーの最新作「危険なふたり」は軽快な曲で、明るく調子のよいイントロは軽薄にさえ聴こえたが、一度か二度で聴いただけで覚えられた。年上の人に甘えるような媚態を含んだ声が、とてもセクシーで「それでも愛している」と恋人にすがるように愛を訴えても、若者の常で明るくて軽い。
なんといっても、スリーピースからガラリと変わった誰も着ていない先進的でロックな衣装が印象的で、この時からスタイリストは早川さん、うちの兄貴に言わせるとダボシャツじゃないのか。なんて言われながら、曲のヒットとともに ジュリーが一段と変わったことを強く印象づけたのだった。
「危険なふたり」は白のシャツが一番印象深い。色違いの黒は希林さんが、ジュリ~♪と叫んでいたポスターで有名だけど、黒いバージョンでTVで歌ったのは それほど多くはない。