火曜日に再放送があった→『ダークサイドミステリー「三億円事件解決せず“昭和の死角”の謎1968-75」』
内容:「この車にダイナマイトが!避難しろ!」白バイ警官姿の犯人がまるで映画のような手口で、史上最高額の現金を奪った府中三億円事件(昭和43年)。なぜ犯人は捕まらなかったのか?実は警察の総力捜査の前には、知られざるワナが潜んでいた!有名な「犯人モンタージュ写真」がおちいった「記憶のワナ」とは?スゴ腕刑事たちの追及をはばんだ東京「昭和40年代の死角」とは?当時の懐かしい映像で描く、時効まで7年間の昭和秘話。
泉朝人さんがジュリーの「悪魔のようなあいつ」についても、語ったと聞いたので注目して見ました。(泉さんは前から「悪魔」のファンのはず。)「時の過ぎ行くままに」が流れました。
TVに映った週刊紙の記事で
バイクに乗っているのは「悪魔のようなあいつ」のジュリー自身だと思う。
それはともかく、とても見ごたえのある番組でした。強奪された3億円が、あの当時では信じられないような大きな金額だったので、子供だった私でも世間の騒然とした空気を忘れることは有りません。3億円は今の金額にすると、20億円相当になるのだとか。昭和の大事件の中でも、犯行の鮮やかさと未解決でこれから後も記憶される事件の一つです。
番組は初めから事件の手口を丁寧に解説して、僅か数分の間の犯行であったと改めて知りました。有名なモンタージュ写真が、かえって捜査の足かせになってしまったこと。目撃者の記憶はあてにならないこと。
モンタージュ写真は作成に膨大な時間がかかってしまい、人の記憶があてにならなくなってゆくのだそうで「太陽を盗んだ男」で、モンタージュ写真を作る場面を思い出さずにはいられません。城戸誠ソックリに簡単に出来上がったりはしないのです。(映画ではゼロによって否定されてしまったけれど。)今の時代は記憶が鮮明なうちにすぐに作れる、似顔絵捜査になりました。
証拠品を山のように残し、膨大な人員を注ぎ込み、伝説の名刑事も登場しながら、犯人は闇の彼方に消えたまま 7年で時効を迎えてしまいました。7年という時の流れの間に20代前後のライフスタイルは激変していたのです。
番組は丁寧に時系列を追い、日本の当時の世相も含めて解説してゆき、とても分かりやすい番組になっていました。変わりゆく日本の姿がますます犯人逮捕を難しくしていったことなど、事件と時間に日本の姿が重なりました。今ではDNAなど科学捜査が進み、100%捕まるといいます。
ジュリーも出るなら観ようかな・・程度に思っていたのに、冒頭から番組に惹きこまれてしまい、前のめりになってTVを見ている自分がいました。全く事件を知らない今の若い世代の人にも良く理解できる番組になっていて、広い世代の方に見ていただきたい番組です。