近田春夫さん著「グループサウンズ」(2月17日発売)。
その中の対談でピーが、2013年のザ・タイガースのオリジナルメンバーが揃ったツアーで「加橋に出てもらうには苦労した」と語っているのを昨夜 読んだばかりだったので、トッポの参加は無理かな。。 と感じていた矢先の、今日のゲスト発表になりました。
近田春夫さん著、その題名もズバリ「グループサウンズ」。
ザ・タイガースに熱狂したGS世代も、GS時代を知らない世代にも、読みやすく分かりやすい構成になっています。
GS前夜のブームは、子供すぎてよく知らない・・と思っていたですが、まずエレキブームが来て、ビートルズよりも、まずテケテケテケ~ のベンチャーズ。
その前に、ノッテケノッテケの、アストロノウツ・・ あった あった~!!
いや、覚えてるわ懐かしいわ~!!⇒ 太陽の彼方に ~アストロノウツ~
アストロノウツがエレキサウンドという分野を開拓し、次にベンチャーズ。当時は田舎の子供の私でも、そのサウンドを今も思い出させるほど、全国津々浦々に鳴り響いた、大ブームになったエレキサウンドでした。
そういう土壌の上にサベージ、スパイダース、ブルーコメッツが登場し、ヒット曲を飛ばしてゆく。
近田さんは、スパイダース、ブルーコメッツ、ザ・タイガース、テンプターズ、ゴールデンカップス、ジャガーズ、オックス、ワイルドワンズ、ヴィレッジシンガースという、主要 GSを取り上げて、各グループの成り立ちから、ヒット曲、解散までを対談形式で解説します。
中には辛口の評も有りながら(タイガースの楽曲に対しても)どれも今になれば確かにと、頷けることばかり。これは、GS世代にはその頃を懐かしく思い出させ、当時を知らない世代には、とても分かりやすい一冊になっているんじゃないだろうか。的確な解説がテンポよく小気味よく、とても懐かしくて、一気にこの辺を読んでしまいました。
第二部は近田春夫により対談編、
対談相手は、元ザ・タイガースの瞳みのる氏、ゴールデンカップスのエディ藩氏。
瞳みのるというよりも、ピーのタイガースの思い出話は、ファンだからとても嬉しい。ジュリーとの田園での出会いも書いてあって、その様子が目に浮かぶ気がして。
けれど、引っかかりを覚えた点もあって、ピーは「ジュリーが解散前はソロになることを考えていた。」と、ピーは自分の著作でもそう語っていたけど、絶対にそんなことなんかない。
ピーはタイガースを辞めたくて仕方がなかったけれど、ジュリーは解散自体がしたくなかったのに。これはジュリー自身がMCで語っているので、ファンの多くが聴いています。実際、ソロになるのを嫌がって解散後はPYGに参加しました。
いまだにピーは、ジュリーがソロになりたいと思っていたと信じていたのか。
しかも、ピーは40数年後に道玄坂で、マネージャーの中井さんとメンバーが再会(トッポ以外)した時のことを語っているんだけど、え?と思うようなその時の感想が語られていて・・・まさか、ジュリーの純粋なタイガースへの思いを知らないの?😓ジュリーは損得で動く人じゃないもの。
ピーが、2013年のザ・タイガースのオリジナルメンバーが揃ったツアーで「加橋に出てもらうには苦労した」と語っている部分には、ジュリーの執念も書いてありました。買って読んでね(^^)
個性の有るメンバーが5人いれば、5人がともに違う感想を抱くのもやむを得ないのかな、と思いながら、ピー以外のメンバーの話も聞きたくなりました。
その他のGSバンドや人についての話も興味深く、近田さんが
「沢田さんが加瀬さんに寄せる信頼は、傍からみても並々ならぬものがあった」と加瀬さんの功績をたたえている部分には、思わずホロリ。ずっとジュリーを見守っていて下さりたかった・・・
他にはブルー・コメッツは「ブルーシャトー」がヒットしただけの一発屋には笑ったけど、キビシイな~(笑) 後期は、ムード歌謡グループになってました。 ショーケンについて「官能的、声自体が不良、前代未聞の響き」には、ジュリーの声以上に解説に力が入っている。そういえば、テンプターズについて今まであんまりカッコイイ解説を聞いたことがなかったな、と(私的にだけど)思い当たる。タイガースに比べれば、あまり批評や評価がされていなかったように思います。
オックスも私の好きなGSであったんだけど、計算違いは赤松愛ちゃんの思わぬ人気、とあって、私はヒデト派でしたがね。赤松愛ちゃんは、去年 亡くなったと聞きました。皆さん逝くのが早すぎる、もっとずーっと長生きして下さい!!
わずか5年ほどで終焉したGSブーム。何故 いまだにそのブームを忘れることがないのか、と思うけれど、多くの個性的なバンドに、個性的な声とパフォーマンス、そこに登場したジュリーの初めて見る王子様的な美しさと、ロマンティックさ、子供心に一気に火をつけ、気持ちを持っていかれてしまいました。
ザ・タイガースがいなければ、あそこまでGSブームは盛り上がってはいません。短いブームだったけれど、いまだにその5年間の濃密な体験を忘れることがないのです。