人造物の本体は一旦作られればそのまま使われ続ける。傷み易い箇所だけが取り換えることを前提として予め部品として取り付けられるが本体は徐々に劣化し続ける。動かすために外部からエネルギーが投入されるが本体は碌に修復もされないまま使い捨てにされる。
動植物の体は使い捨てではなく生きている限り刷新され続ける。刷新されなくなれば死ぬ。
現代文明に慣れ親しんだ現代人は動植物の特性を見失っている。機械と同様にエネルギーさえあれば機能するものと思い込んでいる。しかし栄養が動力として使われるのはごく一部に過ぎず大半が生体の維持のために使われている。生体を維持する代謝のための素材こそ重要であり、それが必須アミノ酸や必須脂肪酸を初めとする様々な栄養素だ。その一方で、活動のために必要なエネルギー量は意外なほど少ないのではないだろうか。
ここに1つのデータがある。食道癌を患って以来約3か月間、私は殆んどまともな食事をしていない。今では固形物は食べても吐いてしまうため少量の液体食に依存している。この間に体重は約20㎏減った。
しかし奇妙な事実がある。殆んど食べられなくなってから約1か月間、液体でさえ充分に摂取できない状態であり、極力栄養価の高い飲料として、液体ヨーグルトかヤクルト、そしてカロリーメイトだけを飲んでいる。これで1日に摂取できるカロリーはせいぜい4~600㎉に過ぎない。こんなに少ないカロリー量であれば体重は減り続ける筈なのにこの1か月の体重は52.5㎏で安定している。これはどういうことだろうか。
栄養は2種類に大別できるように思える。細胞の再生のために使われる栄養素と、エネルギー源および体脂肪のためにしか使われない栄養素だ。前者の中にはビタミンやミネラルのように殆んどノーカロリーの物も含まれる。
重要なのは細胞を再生するための栄養素であって本当に必要なカロリーは驚くほど少しで充分なのではないだろうか。余計なカロリーを摂るから太り、必要な栄養素が足りないから健康を損なう。
もし薄い水溶液に依存して生きている人がいれば、幾ら飲んでも空腹も栄養も満たされまい。過剰な水分によって水膨れをするだけだ。カロリーとはこの水分のようなものに過ぎない。最も必要な栄養素とは無関係だ。
人々はカロリー神話に騙されて、必要な栄養素を充分に摂らないままカロリーばかりを蓄えて不健康に太る。昔「蛋白質が足りないよ。だから疲れるんだ。」というコマーシャルがあったが、カロリー論よりはこちらのほうが正しいのではないかとさえ思える。
正しい減量法とは細胞の再生のために必要な栄養素は充分に摂取し、エネルギー源か贅肉にしかならない補助的な食物の摂取を抑えることだろう。高カロリーだからという理由で脂質や蛋白質を忌み嫌うことは根本的に間違っている。必要な栄養素が足りないままカロリーだけが過剰な状態であれば、大切な細胞が再生できないまま贅肉ばかりが増えて不健康に太ることになる。
動植物の体は使い捨てではなく生きている限り刷新され続ける。刷新されなくなれば死ぬ。
現代文明に慣れ親しんだ現代人は動植物の特性を見失っている。機械と同様にエネルギーさえあれば機能するものと思い込んでいる。しかし栄養が動力として使われるのはごく一部に過ぎず大半が生体の維持のために使われている。生体を維持する代謝のための素材こそ重要であり、それが必須アミノ酸や必須脂肪酸を初めとする様々な栄養素だ。その一方で、活動のために必要なエネルギー量は意外なほど少ないのではないだろうか。
ここに1つのデータがある。食道癌を患って以来約3か月間、私は殆んどまともな食事をしていない。今では固形物は食べても吐いてしまうため少量の液体食に依存している。この間に体重は約20㎏減った。
しかし奇妙な事実がある。殆んど食べられなくなってから約1か月間、液体でさえ充分に摂取できない状態であり、極力栄養価の高い飲料として、液体ヨーグルトかヤクルト、そしてカロリーメイトだけを飲んでいる。これで1日に摂取できるカロリーはせいぜい4~600㎉に過ぎない。こんなに少ないカロリー量であれば体重は減り続ける筈なのにこの1か月の体重は52.5㎏で安定している。これはどういうことだろうか。
栄養は2種類に大別できるように思える。細胞の再生のために使われる栄養素と、エネルギー源および体脂肪のためにしか使われない栄養素だ。前者の中にはビタミンやミネラルのように殆んどノーカロリーの物も含まれる。
重要なのは細胞を再生するための栄養素であって本当に必要なカロリーは驚くほど少しで充分なのではないだろうか。余計なカロリーを摂るから太り、必要な栄養素が足りないから健康を損なう。
もし薄い水溶液に依存して生きている人がいれば、幾ら飲んでも空腹も栄養も満たされまい。過剰な水分によって水膨れをするだけだ。カロリーとはこの水分のようなものに過ぎない。最も必要な栄養素とは無関係だ。
人々はカロリー神話に騙されて、必要な栄養素を充分に摂らないままカロリーばかりを蓄えて不健康に太る。昔「蛋白質が足りないよ。だから疲れるんだ。」というコマーシャルがあったが、カロリー論よりはこちらのほうが正しいのではないかとさえ思える。
正しい減量法とは細胞の再生のために必要な栄養素は充分に摂取し、エネルギー源か贅肉にしかならない補助的な食物の摂取を抑えることだろう。高カロリーだからという理由で脂質や蛋白質を忌み嫌うことは根本的に間違っている。必要な栄養素が足りないままカロリーだけが過剰な状態であれば、大切な細胞が再生できないまま贅肉ばかりが増えて不健康に太ることになる。