税金には2つの目的があると思う。富の再分配と富の効率的使用だ。役所仕事は非効率の象徴と見なされ勝ちだが、これは本来の主旨から考えれば大きく逸脱している。この悪弊は戦後の過剰雇用が大きな原因であり、昨今では新規雇用者の質的向上が進んでいるだけに彼らによる構造改革を通じて本来の姿が獲得されることに期待したい。
富の再分配の具体例として累進課税が挙げられる。収入の多い人の富を収奪してそれを年金などに充当すれば国民全体が豊かになる。必ずしも貧しくない人まで優遇する所謂「格差の解消」は過剰な再分配だと私は考える。
富の効率的使用については2つに分けて考える必要がある。通常時と非常時だ。通常時の政策として分かり易いのは、警察・消防・インフラなどだろう。これらは個人で対処するよりも公共の財産にしたほうがずっと良い。自力で自分を守るよりもそのための組織に投資したほうが効率的であることは確実だ。必要な公共財産のために税金を使うことは公益に適っている。その一方でヒグマしか通らないような場所に道路を作ることは全く合理性を欠いている。
災害対応は非常時に属するが通常の出費の延長と考えられる。救助活動では特定の個人のために公費が使われることになるがこれは結果的に個人が救助対象になるということであり公益に含まれると考えて支障は無かろう。しかし対象が限定される類いの救助、例えば登山での事故であれば公費ではなく民間の保険に依存すべきだと私は考える。
判断が難しいのは経済対策としての公費の使用だ。大恐慌でのニューディール政策などは必ずしも必要な事業ばかりではなかったがカンフル剤として公益に適っていたとして肯定されている。その一方でリーマン・ショックの時の日本政府の対応は他国と比べて小規模かつ小出しであったために殆んど功を奏しなかったと言われている。当時の政府は責任を果たせない無能力集団だったと酷評せざるを得まい。
現在の経済状況は不安定だ。中東での政治的混乱とそれに伴う難民問題、あるいは中国経済の失速など問題が山積している。これらに対処するために財政出動が必要だと自民党は主張する。しかしそれが必要かどうかはその内容が適切かどうかに基づくべきであり、一般論として財政出動が必要かどうかなど論じられない。現在の財政出動論に具体策は全く無い。政府は白紙委任状を求めている。こんな無責任な話は無い。具体策が無いのであれば最良の景気対策は減税だろう。このことは仁徳天皇の昔から変わらない。
経済状態が悪いのであれば減税をすべきであって、増税と財政出動の同時実施など狂気の沙汰だと思う。これはアクセルとブレーキを同時に踏むよりも悪い。不完全なアクセルをブレーキと同時に踏んだ場合、ブレーキだけが働く可能性が高い。
有効な対策案を欠いたままで、政治家のスタンドプレーに過ぎない財政出動など要らない。もし実施したいのであれば予めその内容を明かして国民に信を問うべきだろう。
安倍政権は消費増税を諦めたようだが、無駄遣いにしかならない財政出動も早く諦めて欲しいと思う。もしそれが必要と言うのであれば具体策を明示すべきだ。こんな大切なことを無条件で委任できるほど国民は政府を信用している訳ではない。
サミットの首脳宣言では意外な言葉が使われていた。サミット直前まで安倍首相が好んで使っていた「財政出動」という言葉が影を潜め、「財政戦略」や「財政政策」という言葉に置き換えられていた。多分財政出動に否定的な英・独の意向に沿ったものと考えられるが私も訳の分からない財政出動など慎んでもらいたいと思う。
富の再分配の具体例として累進課税が挙げられる。収入の多い人の富を収奪してそれを年金などに充当すれば国民全体が豊かになる。必ずしも貧しくない人まで優遇する所謂「格差の解消」は過剰な再分配だと私は考える。
富の効率的使用については2つに分けて考える必要がある。通常時と非常時だ。通常時の政策として分かり易いのは、警察・消防・インフラなどだろう。これらは個人で対処するよりも公共の財産にしたほうがずっと良い。自力で自分を守るよりもそのための組織に投資したほうが効率的であることは確実だ。必要な公共財産のために税金を使うことは公益に適っている。その一方でヒグマしか通らないような場所に道路を作ることは全く合理性を欠いている。
災害対応は非常時に属するが通常の出費の延長と考えられる。救助活動では特定の個人のために公費が使われることになるがこれは結果的に個人が救助対象になるということであり公益に含まれると考えて支障は無かろう。しかし対象が限定される類いの救助、例えば登山での事故であれば公費ではなく民間の保険に依存すべきだと私は考える。
判断が難しいのは経済対策としての公費の使用だ。大恐慌でのニューディール政策などは必ずしも必要な事業ばかりではなかったがカンフル剤として公益に適っていたとして肯定されている。その一方でリーマン・ショックの時の日本政府の対応は他国と比べて小規模かつ小出しであったために殆んど功を奏しなかったと言われている。当時の政府は責任を果たせない無能力集団だったと酷評せざるを得まい。
現在の経済状況は不安定だ。中東での政治的混乱とそれに伴う難民問題、あるいは中国経済の失速など問題が山積している。これらに対処するために財政出動が必要だと自民党は主張する。しかしそれが必要かどうかはその内容が適切かどうかに基づくべきであり、一般論として財政出動が必要かどうかなど論じられない。現在の財政出動論に具体策は全く無い。政府は白紙委任状を求めている。こんな無責任な話は無い。具体策が無いのであれば最良の景気対策は減税だろう。このことは仁徳天皇の昔から変わらない。
経済状態が悪いのであれば減税をすべきであって、増税と財政出動の同時実施など狂気の沙汰だと思う。これはアクセルとブレーキを同時に踏むよりも悪い。不完全なアクセルをブレーキと同時に踏んだ場合、ブレーキだけが働く可能性が高い。
有効な対策案を欠いたままで、政治家のスタンドプレーに過ぎない財政出動など要らない。もし実施したいのであれば予めその内容を明かして国民に信を問うべきだろう。
安倍政権は消費増税を諦めたようだが、無駄遣いにしかならない財政出動も早く諦めて欲しいと思う。もしそれが必要と言うのであれば具体策を明示すべきだ。こんな大切なことを無条件で委任できるほど国民は政府を信用している訳ではない。
サミットの首脳宣言では意外な言葉が使われていた。サミット直前まで安倍首相が好んで使っていた「財政出動」という言葉が影を潜め、「財政戦略」や「財政政策」という言葉に置き換えられていた。多分財政出動に否定的な英・独の意向に沿ったものと考えられるが私も訳の分からない財政出動など慎んでもらいたいと思う。