芥川龍之介の作品を読んだ、「地獄変・偸盗」(新潮文庫版)です。中身は6編からなっていた。解説によると芥川龍之介の「王朝物」といわれ平安時代に材料を得た歴史小説のことです。
偸盗: 盗人仲間の女性を巡る三角関係で結果的に女が殺される悲惨な物語
地獄変: 地獄変の屏風を完成させるために、その絵師が自分の娘を生贄にされ、最後は自分も自殺する悲惨な物語
竜: 法師が池に竜がいると嘘の建札を建てたところ本当に竜が現れしまう「嘘から出た実」も物語
往生絵巻: 五位の入道と他の人々の対話の物語で、最後は彼は餓死してしまう可哀想な物語
藪の中: 検非違使からある殺人事件の証言を求められた木樵り・旅法師・放免・媼・多襄丸・眞砂(まさご)・金澤武弘の7人が事件の真相を語っていく物語で、多襄丸・眞砂(まさご)・金澤武弘の三人の証言が異なることが注目される。
六の宮の姫君:夫が単身赴任して、赴任先で新しい妻ができて戻ってくると元の妻は夫の前でただ死ぬ物語
どれも平安時代が舞台とは言え現代語で書かれているのでとても読みやすかったです。但し、「竜」以外はアンハッピーエンドで世の中の無常を感じてしまいました。
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