今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

テツとの対話 その10・君の忘れ形見だね

2017年06月07日 | (故)テツ 
やあテツ、早いもんでまた6月が来た
1年前の今頃、お前と随分歩いたよなぁ、深夜の散歩
それまで寝てばかりだったお前があんなに遠くまで
突然の変化に驚いたけど、でも楽しかった

IBDという病気には最後の一花があると言う
お前が逝ったのもその3ヶ月後
でもあれは、そんなんじゃないと思うよ
ほんの3週間ほどの間だったけど
神様が我々にくれた最後のプレゼントだったんだ


テツ12歳、まだ精悍なスタイルを維持

えっ? ニャーかい? もちろん元気だ
お前に似て賢いヤツだよ
お前みたいに人間っぽくはないけど
察しがよくて聞き分けがいいから飲み込みが早い
でもな、相当我慢を重ねているはずだと思うよ

ああ、わかってる
みうとニャーのことが心配なんだな
報告もしてなかったけど、お前はずっと見てるもんな
でも改めて、お前の忘れ形見は無事に家族の一員になった
約束を果せて一安心だ


夜散歩の頃は食べっぷりも豪快、食い意地が張っていた

ただ、今の状態は、はっきり言って試練だな
ニャーがみうを追うのは狩りの本能
みうが怖がればますます追う
ニャーは怒られるってわかっているけど、本能には逆らえない
みうが怖がらなくなるか、ニャーが諦めるか

今のところどっちも難しそう
でもな、こんなときは焦らず騒がず、じっくりじっくりだ
みうは怖くても自分からニャーに近づくこともあるし
ニャーは人の前では我慢できるようになった
二匹ともいい子だから、きっと大丈夫だと思うよ


ハナとくもを立て続けに失って黄昏るテツ

それにしても、お前たち三匹は本当に仲が良かったな
ちょっかい出したり出されたり、そして怒ったり怒られたり
だいたいお前が怒られる方だったけど
それ以外にお前たちの喧嘩ってものを見たことがなかった
三匹で外にいるときノラが来ても、直ぐにハナが追っ払ったし

ご飯はいつも奪い合い
でも奪われても怒りもしないで相手の分を食べに行く
結局交換と同じことで、交換したのをまた交換して
いやあ本当に仲のいいことだった


三匹食事風景・いつも他のお椀が気になって・・

ニャーとみうはお前たちと違って
この家に来たときはすでに人格(猫格)ができていた
人間だって、赤の他人がいきなり共同生活始めるってのは大変なもんだ
お互いプライドだってあるしな

テツよ、みうは最近あのベッド下によくいるよ
そう、お前が強制給餌を嫌って逃げ隠れたあのベッド下だ
あそこにはまだお前の臭いが残ってるだろう
みうも、お前を思い出しているかもしれないな

大丈夫、お前の忘れ形見に後悔はさせないさ
ニャーも賢い子だから、きっと新しい生活に順応する
お前が見守ってくれてるしな

試練は雨
雨降って地固まる、だ


思い出に耽る?ことが多かった晩年


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テツとの対話その9・仲良し二匹は恋の華?

2017年04月24日 | (故)テツ 
やあテツ、元気そうで何より
お前がそっちに行ってから、もう半年になるんだね

こっちは暖かくなって、桜も散って初夏の陽気だ
そうそう、ソトチビがまた帰って来たよ
相変わらずおかあさんとは大の仲良しで
お前にも懐かしい、昔と変わらない光景だ

ところで、ソトチビは女の子だったようだ
えっ? どっちだろうと関係ない?
まあ、去勢オジンのお前にはどうでもいいことか
でも不思議だよな、女同士であんなに仲がいいなんて
(注:あくまでもニャンコの話です)

何? ニャンコには性別や種族保存を超えた恋があるって?
へぇー、そう言やぁ、お前にもあったよな
ハナとの「老いらくの恋」

いやぁ、ごめんごめん
茶化すつもりはないけど
お前がへっぴり腰でハナの寝てるカゴにそーっとお邪魔する光景
毎日のことだったから目に焼きついて離れないよ
ハナに怒られるとぴたっと止まって
しばらくしてまたそろそろと動き出して
しまいにゃ二匹で収まって
お前のしつこさにハナも呆れ顔だった


ハナとテツ
テツ念願の恋仲成就の絵(再掲)


そうそう、晩年はおかあさんにもてもてだったし
ソトチビもお前には敵意を示さなかったな
お前の忘れ形見のおかあさん
約束(家へのお迎え)をまだ果たせなくてすまない

どうしてって?
うん、店時代は平和主義者だったはずのニャーがネックだ
おかあさんを見ると追いかけて襲いかかる
でも、敵と見てるわけじゃないようだけど

ああ、そうだな
お前も若い頃は、何かとくもを追いかけてたな
こっちは遊びでも、くもには迷惑千万だったようだ
それでも仲良しでよく一緒に寝てたっけ

なるほど
やっぱり、案ずるより産むが易しか

それじゃあな、テツ
悪いけど公開させてもらうよ
お前がハナと恋仲になるまでの努力の軌跡


ハナに怒られてまだまだぎこちない頃


気付かれないように後ろからそーっと


落ちそうなのにひたすら我慢


少しコツを覚えてきた?


テツに助け舟、カゴを大きくして画期的に改善
(うれしそうなテツの顔~再掲)



緊張気味だけど絵になってきた


もう少し、でもまだ顔が離れてる


そして一番上の写真、恋仲成就となりました







番外編:ハナとくもに先立たれて黄昏るテツ
でも今は、天国でみんな一緒だね
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テツとの対話その8・猫年齢とノラの話

2017年03月10日 | (故)テツ 
やあテツ、久しぶりだね
そっちでは相変わらず元気にしてるかい?
こっちは新入り(テンちゃん)のおかげで忙しいよ
テンちゃんは10才を越えて12才くらいらしい
まあ、人馴れしてるから純然たるノラじゃなかったんだろうな

実はそれで、テンちゃんの年齢をちょっと調べてみた
12才って、人間で言うと64才だって
1才のニャンコは人間で言うと17才
享年19才のお前は、人間で言うと92才

え? もっと若かったって?
うーん、そうだよなあ
お前はそっちに行く半年前までは
高さ1mの洗面台に飛び乗ってたんだから
92才のオジンが走り高跳びで新記録を出すようなもんだ


テツ12才の頃


19才でも洗面台に飛び乗った

どうやらこの換算方法に問題がありそうだ
そもそもハナの22才なんて載ってもないし
表によっては「仙人モード」なんて書かれてたりして
要はニャンコの長寿化に対応できてないんだな

でも、ニャンコの1才が人間の17才ってのは納得
思春期というか青春と言うか
肉体の成長に精神の成熟が追いつかないんだな
人間もニャンコも同じ
人生(猫生)で一番いい時期かもね
なあテツ、それにしてもお互い、トシ取ったもんだ


晩年はたまに恍惚?状態に

ところで、ノラの平均寿命4才として、人間で言うと32才
平均で32才かぁ、さすがに若すぎるな
何でかって?  統計はないけど
子ノラの餓死や寒中死が圧倒的に多いと思うよ

他のネコ科は野生でも10年以上生きるのに
整備された都会は食べ物がないから
故郷の草原や密林で暮らすより厳しいってことだ
やっぱり、本来の寿命は全うしてほしいよな

生まれて直ぐわが家に来たから知らないだろうけど
テツよ、お前もノラの子だったんだ
なのにお前はたくさんの幸せをくれた
その幸せを少しでも
出会ったノラたちにわけてあげたい
どこまでできるかわからないけどね

だからテツよ
またこっちでやることが増えちゃった
悪いけど、もう少しそっちで待ってておくれ


激ヤセながらおだやかな晩年だった
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テツとの対話その7・君が最後に伝えたこと

2017年02月15日 | (故)テツ 
やあテツ、相変わらずかい?
最近気になることがあってね
今のニャンコはみな、お前たちよりはるかによく食べる
くもやハナもお前も文句ひとつ言わなかったけど
思えばお前たちのご飯、随分質素だったよなあ


三匹揃ってご飯(くも・テツ・ハナ、左から)

えっ、覚えてるのかって?
そうだな、確かに前の会社のときは出張が多くて
お前たちと過ごす時間もなかった
それから子供たちが次々と独立して
仕事も変わりようやく時間ができた頃は
一家の中心はお前だった

テツよ、お前は偉いよ
お前を中心に家族は絆を深めたのだから
それはお前が、人間の暮らしに深入りできたらだ

お前は努力した
タイミング、目線、表情、鳴き方、仕草、動作・・・
あらゆる手段を使って自分の意思を表現し
こっちがわかるまで、何度も何度も反復した

同時に、こっちの表情から意思を読み取ろうとしてたから
お前にわかり易い表情や動作を研究したもんだ
毎日毎日互いに反復して、試行錯誤で修正して
いつしか我々は、日々の生活の中では話せるくらいになった
強い絆と信頼があればこそ、できたんだよな


人との共同生活もお手のもの(孫たち来訪の折)

楽しかった人間とニャンコの共同生活(二人と三匹)
我々の会話がもたらした一体感も格別だった
しかし晩年のお前を襲ったあの病魔と闘病
それでも、いつも前向きなお前を心底励ますことができたのも
この会話能力のおかげだった

でも、最後の最後に待ち受けていた哀しい思い
一進一退を繰り返しながら確実に進行するIBD(推定)という不治の病
いつかはその日が来ることを知っていた
あれは、お前が逝った前日の朝
お前が悟ったらしいことに気づいてしまったんだ


涙を流していた「その日」の前日の朝(再掲)

いつにもまして穏やかだったお前に反して、苦しいほどの胸騒ぎ
お前は、その晩になって一気に吐いて危篤状態に
まさに急変だったけど
その最後の一晩を、しっかりと受け止めることができたんだ



テツよ、楽しかった日々をありがとう


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テツとの対話その6・ 絆 ~帰還への想い~

2017年01月24日 | (故)テツ 
やあテツ
穏やかそうで何よりだね
ハナとくもには会えたかな?
こっちは何だか、バタバタしつつも溜息ばかりだ

どうしてって?
シャッポが行方不明だからね
今日、シャッポのカテゴリーに行方不明の文字を入れた
まさに無念千万の思いだ
お前の知らないニャンコだけど
この家に来たかもしれない子だった



え? ああ、そうそう
そう言えばお前も、行方不明になったことがあったっけ
あれはお前が9才のとき、ちょうどGWが始まった頃だったな
リードで庭の木に繋がれていたお前が、気づいたらいなかった

リードをつけたままだったし、直ぐに見つかると思ったのに
いつまで経っても見つからない
まさかと焦りが本物になって、結局夜中まで探し回って
でも、やっぱり見つからない
2日目は本気だった
ポスターを作って電信柱に貼りまくって
それでも見つからない



3日目は半径を500mに広げて
4日目はさらに1kmまで広げて
5日目、6日目とどんなに探しても見つからず
まるでお前が神隠しに遭ったようだった

正直、あのときは寝たという記憶がない
気分がどんより重くて寝るどころじゃなかった
毎晩夜通しパソコンで調べて、また探しに出て
後悔も嫌と言うほどしまくった



そして6日目の夜、というより翌朝の3時頃
2階でパソコンに向かっているとかすかにお前の声が
はじめは「ああ、また空耳か」と
でも2回目が聞こえた瞬間、階段を転がり落ちるように下りて
「テツだ! 間違いない」
1階でうたた寝をしていたオバンも何事かと飛び起きて
玄関を開けたら、お前がいた

お前は幽霊のように白けて、ガリガリに痩せて
でも我々を見て本当に安堵したように、また鳴いたんだよな
南極大陸に残されたワンコのように首輪抜けしたのか
リードは、つけていなかった

水を飲んで、大好きなレトルト食べて
ハナとくもにお迎えのくんくんされて
それから定位置であるオバンの横にくっついて爆睡に入った
ハナとくもにも見守られながら・・・



何がお前に起こったのか、お前は言わない
迷って遠くまで行ってしまい必死にわが家を探したのか
知らぬところに連れ去られて何とか逃げ帰ったのか
どこかに閉じ込められてやっとの思いで脱出したのか

でも何であろうとお前には、「帰ろう」という強い意志があった
オジンとオバンとハナとくもの待つこの家に
何が何でも帰るんだ
そう思えばこその、生還だった

そして、そのときからお前は家族以上の存在になった
ハナとくもを守り
頭の上がらないハナを慕ってくっつき
夜はオバンにくっつき
そしてわれわれは互いに
話ができるほど心の通じた存在になったんだ




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