シャームと言えば覚えている方も多いでしょう。
先日(7/21)のNHK「ダーウィンが来た」に登場したイクメン猫です。同番組での猫特集は3回目。どれもこれもが珠玉のドキュメンタリーでした。第一弾はモテモテ女王ミュウの子育て。第二弾はその息子コムギの独り立ちとイクメンぶり。そしてあぶれオスによる子殺し。そのときもソトチビの行動と比較して感想を書きました。ミュウが亡くなったのは本当に残念ですが、今回はコムギとは双子になるミュウの娘コガネの物語。ミュウの後を継いで立派に成長した姿が描かれます。そして忘れてならないのがコガネにとってはまさに白馬の騎士、イクメン猫のシャームなのです。
シャーム (NHK「ダーウィンが来た」より)
表から陰からコガネの子育てをサポートするシャーム。コガネや子供たちが窮地に陥るとどこからともなく現れて敵を追い払う。後ろ盾だったミュウを失って心細いながらも気丈に子育てに励むコガネにとって、どれだけ頼もしい存在だったか。子育てが終わって次なる恋の季節、言い寄る数多(あまた)のつわものを追い払って、コガネが選んだのはあのシャームでした。相思相愛。コガネもシャームも一切浮気をしなかったとか。
コガネ、シャームと子供たちはフウにライ(NHK「ダーウィンが来た」より)
人間よりも人間味溢れたコガネとシャームの子育て。綿密に追い続けて、こんなに豊かな猫の感情と行動を映し出したスタッフの努力に感謝です。番組ではネコ科で家族を守るオスの存在は新発見だと強調していたけど、いたんですよね、ここにも。
2年半もの間わが家の家裏を中心にお付合いしたソトチビです。みうやリン一家がわが家の一員となるきっかけを作ったのに、自身は消息を絶ってしまった。月日の流れは速いものであれから1年半が過ぎた。ソトチビは今、達者でいるだろうか。
消息を絶って1年半になるソトチビ
ソトチビへの想いやその功績は同カテゴリーにさんざん書いてきたので、ここでは多くを書きません。でも、シャームの話を観ていたらソトチビを思い出さざるを得なかった。2年前の春にみうを家に迎え入れたとき、通いだったソトチビは外に残された。まだ十分に馴れてないソトチビを迎え入れるには時期尚早と判断したのです。それでもソトチビはたまに家裏にやって来た。そしてその半年後、秋になってリンが家裏に現れた。ある秋の日、ソトチビのご飯をリンが食べていたのでした。
そのときのことは今でもよく覚えています。あれ、違う猫が(堂々と)食べてる、と思ってふと見ると、そのすぐ先でソトチビがリンの食事を見守っていた。当時のソトチビは不定期にやって来たが時刻は夕方と決まっていたので、その時刻になると置き餌を出していたのです。それがリンの目に留まったと思ったけど、もしかしたらソトチビがリンを連れて来たのかもしれません。
子供の分もと大食漢のリンに自分のご飯を譲ることも
ソトチビとリンは一目で意気投合したわけじゃなくて、実は初めから知り合いだった? そう思うと今回の「ダーウィンが来た」の内容と照らし合わせても合点がいくのです。なぜソトチビはキーとクウにあんなに優しかったのか。みうを奪われてあぶれオスだったソトチビが、子殺しどころかリンの子育てを手伝ったその理由。それは、ソトチビが2匹の父親だったからではないのか。もちろん仮説に過ぎないが、説得力のある仮説です。
リン一家とソトチビ
みうと別れた(オジンにみうを奪われた)のが5月。キーとクウの推定誕生日が9月中旬。一般に猫の妊娠期間は2ヶ月なので、リンが恋に落ちたのは7月のはじめ頃になる。失意のソトチビとリンが出会って恋に落ちる時間は十分にあるのです。
もしソトチビがキーとクウの父親だったら、あの家裏での共同生活も全てが納得できる。2匹の子猫たちが、最初からソトチビに懐いていたのも納得ができる。ただ、キーとクウがあまりにもソトチビに似ていなかったので、当時は家族だなんて思いもしなかったのでした。
箱の中にクウとソトチビ、外にいるのがキー
シャームとソトチビ。2匹は猫という動物が如何に人間愛に溢れた動物なのかということを教えてくれた、貴重な存在なのかもしれません。
ああ、ソトチビよ、できたらまた会いたいものだ。
ソトチビとキー