2023年のイタリアの新規登録なった自然遺産「アペニン山脈北部の蒸発岩カルスト・洞窟群」&ヴェネツィアの潟は危機遺産見送り&チヴィタ・ディ・バーニョレッジョは取り下げ@2023年第45回世界遺産委員会
ウクライナ侵攻を受けて 2022年の開催が見送られた第45回世界遺産委員会は 2023年9月10~25日に サウジアラビアのリヤドで開催され 2022年と2023年分がまとめて新規登録されました
日本:
2023年7月現在 世界遺産は25件
「佐渡島の金山」は2023年1月に推薦書を再提出し 2024年に審議されるようです
参考: 「世界文化遺産に推薦中の文化遺産 | 文化庁 (bunka.go.jp)
* * *
イタリア:
チヴィタ・ディ・バーニョレッジョは 委員会開催前に取り下げとなりました 残念!
2023年分のイタリアの新規登録なった自然遺産
Evaporitic Karst and Caves on Northern Apennines
Carsismo nelle evaporiti e grotte dell'Appennino settentrionale
7ヶ所の国立公園や地域公園・自然保護区が対象。ここのカルストのチョークは地球科学上の未解決問題の一つメッシニアン塩分危機を解決する可能性を秘めている (wiki)
登録基準 ⅷ 生命進化の記録や、地形形成における重要な進行中の地質学的過程、あるいは重要な地形学的又は自然地理学的特徴といった、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本である。
詳しくは こちら
イタリアのニュース 「Il ‘Carsismo nelle Evaporiti e Grotte dell'Appennino Settentrionale' nella lista dei patrimoni UNESCO」(2023.9.25)は こちら
これでイタリアは59件となり 世界ランキングトップ維持です
また ヴェネツィアとその潟は 今年も危機遺産入りが見送られ 経過観察となりました:
前回でも議事に取り上げられ2023年まで経過観察するとされた案件。観光公害による観光負荷について 訪問者数の制限枠と入域料の徴収などの対策を提示したが、実際には実施されていない不誠実さを問題視。観光対策が原因で危機遺産に指定されることになると 世界遺産を観光資源とする多くの国にとっても問題化する ⇒ 指定回避/入域料を徴収することで訪問者数を抑制する制度を導入したため 経過観察を行うことにした (wiki)
しかしそれでも ヴェネツィアのオーバーツーリスムによる環境破壊がなくなるわけではありません...
* * *
ドイツの新規登録世界遺産(2022年分):
エアフルトの中世ユダヤ関連遺産 Jewish-Medieval Heritage of Erfurt
(Alte Synagoge und Mikwe in Erfurt - Zeugnisse von Alltag, Religion und Stadtgeschichte zwischen Kontinuität und Wandel /エアフルトの旧シナゴーグとミクヴェ - 連続性と変化の間での日常、宗教そして街の歴史の証言)
登録基準 ⅳ 歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。
11世紀に成立したユダヤ人街で 黒死病の流行により1349年に排斥運動が展開されユダヤ人の財産は没収。シナゴーグは市が接収して倉庫に改装され500年間使われ続け、19世紀以降はレストランやボーリング場に改修されたが、奇跡的に外観は維持された。エアフルトに残る最古の石造建築物 (wiki)
エアフルトの中世ユダヤ人関連遺産
詳しくは こちら
ドイツの記事 「Welterbe: „Große Chance für Tourismus und Forschung“」(2023.9.22)は こちら
これで ドイツの世界遺産は52件となりました 世界第3位です
2023年夏までの51件は こちら
今年の世界遺産委員会は 世界情勢によりいつもの7月ではなく9月でした 来年からの正常化を望みます😊
第45回世界遺産委員会は こちら