「Il miracolo di San Gennaro ~ ナポリの守護聖人サン・ジェンナーロの奇跡と関連する宝物館およびカタコンベ~」に参加しました(2021.2.28)@高円寺ピアッツアイタリア
ナポリの守護聖人サン・ジェンナーロ(聖ヤヌアリウス/ Ianuarius)の血の奇跡のことは ナポリの友達から聞いたことがあるので このセミナーで興味深いお話を聞きました
ナポリ大聖堂内の礼拝堂 宝物館 そしてカタコンベを見ながら サン・ジェンナーロの生涯 血の奇蹟 そしてたくさんの宝物等を見てゆきました
ちなみにGennaroという名前は 1月生まれの子供によくつけられるそうです 1月は聖なる神に近い月なのです
サン・ジェンナーロはナポリの守護聖人(il patrono)で 272年4月21日生まれです
他の2人のクリスチャンの友人たちとともに 305年9月19日に ナポリ近郊のPozzoliで Solfataraという火山のふもとで キリスト教徒の迫害(la persecuzione dei cristiani)をしていたディオクレティアヌス帝によって斬首(decapitazione)の刑となり キリスト教殉教者(martire Cristiano)となります (その前に熊とライオンに喰わせようとしますが 大人しくなり喰わなかったとのこと)
その時首から出た血(sangue)を エウセビア(Eusebia)という貴婦人が小瓶(ampolle)に取り それが今でも年に3回 決まった日に液化する(liuefazione)という奇跡のような現象が起きるというもので ナポリの人々はそれを信じ 溶けなかった年には悪いことが起きるという言い伝えがあるそうです
サン・ジェンナーロの骨(le osse)と頭蓋骨(il teschio)は ポッツォ―リからカポディモンテのカタコンベ(catacomba di Capodimonte)に運ばれました
エウセビアが血を骨に近づけた時に 血が最初に溶けた(si sciogle)そうです
472年にヴェスヴィオ火山の噴火(eruione del Vesuvio)が起きた時に ナポリの人々はカタコンベに行ってサン・ジェンナーロに祈り その時からナポリの守護聖人(patrono e protettore)となり 地震や噴火等の時には人々が祈りにいくようになりました
それまではSant'Agrippinoがナポリの聖人でした
512年にまた噴火が起きた時に ナポリの司教(vescovo)がその役割を認めて 13世紀末にはドゥオーモ(Duomo)を建てました そこの地下聖堂(cripta)に 頭蓋骨は金の半胸像(busto d'argento)に 血の小瓶(ampolle)は宝石箱(teca prziosa)に入れられて保管されました
1646年にそれらは 新しくできた 宝物の礼拝堂(Cappella del Tesoro)に入れられたそうです
1389年には公式に書類が残されたとのことで それ以前からも溶解は起きていたらしいです
1527年には スペインやフランスとの戦争があり 噴火にペストがあり 新しくduomoを建て かわりに火山の溶岩(lava)が街に近づきつつあったのを止めてもらったそうです
1601年には 代表団(Deputazioni)が公正証書(atto notarile)を残したそうです
miracolo(奇跡)というよりは prodigio (驚異、不思議)だそうで これは科学的な理由はあるけれどわからないからとのこと
wikipediaによると:
la liquefazione del sangue 血の溶解・液化
da ricordare l'ipotesi formulata dal CICAP usando però sostanze non omogenee a quelle contenute nell'ampolla, secondo cui il sangue sarebbe una sostanza tissotropica (チクソトロピー) che si scioglie sotto sollecitazione (応力) meccanica.
L'autorità ecclesiastica (聖職者), comunque, dopo test in proprio affidati a scienziati laici (世俗の), classifica come prodigio (奇跡) il fenomeno dello scioglimento. (senza fonti)
チクソトロピー: ゲルのような塑性固体とゾルのような非ニュートン液体の中間的な物質が示す性質で、粘度が時間経過とともに変化するもの (wikipedia)
融解現象(il fenomeno del scioglimento)が起きる年3回の日は 以下の通り:
1. 5月の最初の土曜日(il primo sabato di maggio) 小瓶は胸像とともに行列で運ばれます
2. 9月19日(il 19 settembre) サン・ジェンナーロの命日 Duomoの中で式典があり 血の小瓶は8日間見られます
3. 12月16日 (il 16 dicembre) festa del Patrocinio di San Gennaroの祭りで 噴火の溶岩が止まったことを祝います
ちなみに2020年12月は溶けなかったのだそうです... 次の奇跡の起きる2021年5月までナポリの人々は不安です(:_;)
ちなみに 箱を開ける前に溶けている年 あるいは溶けなかった年はよくない印(non sia buon segno)だそうです
溶けなかった年は 1940年 (第二次大戦) 1943年 (第二次大戦) 1973年 (コレラ) 1980年(irpiniaの地震) そして2020年ですね (コロナ??)
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次は宝物(i tesori)について:
Capella di San Gennaro(サン・ジェンナーロの礼拝堂) また一部はMuseo del Tesoro di San Gennaro(サン・ジェンナーロの宝物館)にある宝物は世界一を競うもので 世界一大きなエメラルドのひとつ(uno degli smeraldi più grandi al mondo)がサン・ジェンナーロの胸像(busta)につけられているのですね
フランスの金細工師(orafi francesi)が作った宝物が今も保存されていて見事でした
第二次大戦中であってもサン・ジェンナーロの血は売らなかったのです 血はナポリの人々のもので 教会は入場料を払わずに誰でも入れましたから 金もうけの為ではありませんでした
ダイヤモンド エメラルド ルビーの飾られたサン・ジェンナーロの胸像の装飾品(ornamento per il Busto di San Gennaro)はこの代表団が贈ったもので それは大きくて見事です
La Mitra gemmata di San Gennaro これも18キロもの宝石で飾られたサンジェンナーロの
司教冠です
エメラルドは知識 ルビーはサン・ジェンナーロの血 ダイヤモンドは最も硬くて信仰を表しているとのこと
そして最後はサンジェンナーロのカタコンベ(la Catacombe di San Gennaro)です
ガイド付きで入れるそうです サン・ジェンナーロのフレスコ画が残っています
私はナポリに行った当時は知らなくて 地下ナポリにしか入りませんでした!!
Catacombe di San Gennaro(サン・ジェンナーロのカタコンベ)の中の サン・ジェンナーロのページは こちら
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魅力的なセミナーを開催してくださいました高円寺のピアッツアイタリア様に心よりお礼申し上げます
写真は La reale cappella del Tesoro di san Gennaro サン・ジェンナーロの宝物館