「世界の書棚から」第23回「O.R.メリングの著書に見る、アイルランドの大地に伝わる魔法」に行ってきました(2024.5.18)@板橋区立中央図書館
第23回の「世界の書棚から」は 初来日されたアイルランド生まれのカナダのファンタジー作家 O.R.メリングさんがご自身の作品の背景について ご自身で撮られた作品に出てくる様々な写真を見せていただきながらお話しくださいました!
メリングさんの著書数々
アイルランド生まれで4歳でカナダに移住し 今ふたたびアイルランドに住むメリングさんは 松尾芭蕉の奥の細道のような紀行文(俳文)を書きたいと初来日への抱負を語ってくださいました:
"Life is a journey through a foreign land." (人生は巡礼の旅である)
主な著書:
- The Druid's Tune (1983) ドルイドの歌 (処女作)井辻朱美翻訳、講談社
- The Singing Stone (1986) 「歌う石」井辻朱美翻訳、講談社
- Falling Out of Time (1988)
- My Blue Country (1996)
- People of the Great Journey (2013)
妖精の国物語
- The Hunter's Moon (1993) 「妖精王の月」井辻朱美翻訳、講談社
- The Summer King (1999) 「夏の王」井辻朱美翻訳、講談社
- The Lightbearer's Daughter 「光をはこぶ娘」井辻朱美翻訳、講談社
- The Book of Dreams 「夢の書」井辻朱美翻訳、講談社
「歌う石(The singing stone)」(1986/講談社)のカバーには ドルメン(支石墓)の写真が使われていますが ドルメンは妖精の国への入り口とも考えられていたのだそうです
The singing Stone「歌う石」の舞台 Wicklow Mountain ウィックロー山脈には Giant Irish Elk&Currachという オオツノジカとクラックという木製のボートも登場します
古代アイルランド語から中世アイルランド語に移り そして今は若い人たちを中心に英語が普及しており 本もそれに伴って言語も変わってきています
「The Hunter's Moon 妖精王の月」は初めての日本語での出版で カナダ人とアイルランド人のいとこたちが主人公です
タラの丘(Teamhair na Rí)は アイルランドの伝説上の上王たちの国が存在した地として知られています
Fairies duncing under the Moon & My vintage Car 妖精王の月と ご自分の愛車をご紹介くださいました🚘
アイルランドの児童書
このように アイルランドには 「妖精の〇〇」というものが多いそうです
Achill Island (on the west coast of Ireland) 鷲 Minaun cliffs & Keel Strand キールストランドという海岸線はお気に入りの場所です
Croaghaun ridge 山の岩 ♡型の苔が岩の上に生えており 物語を生んでいます 「旅 戦い ロマンス」の3要素が いつも作品の中にあるとのこと
Craughaun Mountain & Cliffs (tarn & Atlantic Ocean) 険しい山・崖 これはドローンでは風が強くて写せず 山に登らないと写せない風景写真です tarnは小湖です
The Light-Bearer's Daughter (光を運ぶ娘) 当時11才だった娘のリクエストで 11才の主人公にしたのだそうです😲 11才の少女が独りで旅をするのは難しく 狼を守護者としてつけました
Wicklow Mountain / Hills co. Wicklow ウィックロー山地
Powerscount Waterfall in Wicklow Valley 実際に上った湿原の谷の写真です
Glendelough, Wicklow Mountains 聖ケビンという成人が隠遁生活を送っていました 12世紀の3大巡礼地とのこと
Finis: Sacred Circle Dance at Sunset on the Hill of Tara タラの丘で夕陽のダンス これはとても印象的な写真で 86才の母をここに連れて行った時の思い出を語ってくださいました...
アイルランドの児童書
続く質疑応答では twitterでつながっていたファンの方とこの日本で初対面 アイルランドに来る時は教えてください 会いましょう! ドイツ等のファンは知らせてくれて会っているのよ!というメッセージ また日本への熱い思いを 覚えたての日本語とともにお話くださいました これからは芭蕉のような俳文も手がけたいとのこと
アイルランド映画祭は こちら
世界の書棚からは こちら
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