以前、自分が栽培したお米を6万円で買ってほしいという問い合わせがあったことを投稿した。
今回は、6万ではなく5万円であったが、また売り込みがあった。
この生産者も、自分の店の店頭価格の白米の価格から計算し、さらに、〇〇さんは60kgを10万で販売したなどと書いていた。
なので、自分は5万だと言っている。
しかしそこには、自分たち米屋の利益は計算されていない。
生産者の手取りだけの計算結果である。
自分だけの手取りの計算をするのであれば、自分でネットなどで売れば良いと思う。
米屋に対して「販売をしてほしい」とお願いするのであれば、流通価格というものが存在することを、シッカリと理解しておく必要がある。
流通価格には、送料・保管料・人件費(自給1200円以上)・袋代・シール代・印刷代・広告費などが加わることは、理解できると思う。
そして、株ではないのだから、相場・時価という考え方は無い。
年間通して価格を変えてしまうと、消費者から不信感がでてしまう。
さらに、市場には適正価格というものもある。
自分の産地のお米が安売りされている中で、高価格での販売は、かなり難しい。
そもそも、いくら頑張って栽培したお米だからと言っても、だれも知らない生産者のお米を、高く買える人はいない。
「コンクールで入賞しているから」は、価格交渉の時の、生産者の切り札。
では、そのコンクールを、日本中の消費者が知っているのだろうか。
一部の生産者や産地関係者たちしか知らないコンクールでの入賞を切り札としても、消費地では役に立たない。
高価格での価格交渉をしたいというのであれば、消費地が欲しがるお米にまで、産地側が仕上げなければならないだろう。