"スズノブで販売している、青森県の「青天の霹靂」は、2キロ1496円(税込)。
東急ストアは、2キロ1068円(税込)。
この価格の差について、よくお客様から質問をされる。
この価格の差は、栽培方法の違いと生産量の違いにある。
スズノブで販売している「青天の霹靂」は、田舎館村の稲華会が、農薬と化学肥料を青森県の一般的な栽培しているお米の使用量の、半分以下に抑えて栽培している、差別化・こだわり米である。
東急ストアで販売している「青天の霹靂」は、環境を大切にしながら栽培されているエコ米である。
まだまだ青森県のブランド米としての考え方が、生産者やJAが理解しきれていないため、東急ストアが全店で販売出来るだけの、差別化・こだわり米の生産量が無いためである。
こういう書き方をすると、誤解されやすいが、エコ米の質等が劣るという事では、一切無い。
元々青森県は病害虫が少なく、農薬を減らした栽培が出来る上に、安定した生産量がある。
そのために、病害虫等に対する考え方が、他の産地よりも緩く、結果として、差別化等に対する動きが鈍いだけである。
この数年で、色々な新品種が誕生した。
なかには、消えてしまうかもしれない新品種もある。
その中で「青天の霹靂」は、多分生き残る品種だと思う。"
自分としては、それは期待していなかったので、少々ビックリ。
チラシでは「五ツ星お米マイスターがおすすめする、手巻き寿司にはこのお米」として、青森県の「青天の霹靂」を紹介している。
なので、チラシには文字数の限界があり書けなかったことを、この場で補足しておく。
青森県の新品種「青天の霹靂」は、家庭で気楽に楽しむ「手巻き寿司」をするのであれば、物凄く扱いやすい品種である。
お御酢との相性もよく、米粒を潰さず混ぜやすく、そして巻いても米粒が潰れにくい。
さらに、大小の様々な大きさ、様々な特徴を持った具との相性も良い。
なので、食の細いお子さんでも、楽しみながら、シッカリと食べきることが出来るお米なのである。
食べたことが無い人は、今回をきっかけに、手巻き寿司を試してみてもらいたい。
今回の東急ストアーのチラシで、キッコーマン+東急ストア+自分このコラボで、自分の顔写真入りで「青天の霹靂」の紹介をしている。
初めてのコラボのため、「五ツ星お米マイスター」が「五つ星お米マイスター」であったり、コメントも修正をお願いしていたが、上手く伝わっていなかったりと、簡単なミスはあったが、まずは第一弾のスタートを切った。
東急沿線の米屋としては、「米屋がスーパーに情報を出すなんて」と、まさに自分が裏切ったように感じているのではないだろうか。
そういうつもりではないが、一部分では、そういうつもりでもある。
自分としては、1つでも多くの産地と品種に生き残ってもらいたいと思っている。
しかし現実としては、お米は買うよりも貰う人が多くなり、結果、何の品種を食べているのかも判らなくなり、時間が経って味が落ちたお米を「不味い」と言いながら食べる事で、お米の評価は悪くなり続けている。
当然、お米のイメージアップは出来ず、新品種も話題になり切れず、地域のブランド米も広がらず、産地の衰退も止まることなく、限界へと進んでいる。
「産地の将来を!担い手を!」と言い続けている自分としては、当然米屋に協力を求めていた。
しかし米屋は、自分の声を聞き入れてくれる事はなく、提案に対して、口煩い邪魔な存在のように見ていた米屋も多くいた。
なので自分は、米屋にお願いする事を諦めてしまった。
その代わり、極端な安売りをするのではなく、お米の消費拡大のために、まだまだ余力を持っている、スーパーとのコラボを受けたのだ。
これから毎月、色々な産地・品種で、第2、第3とコラボが続いていく。
スーパーに負けたくないと考えているのであれば、米屋として、新しい考え方を持ち、そして実行して、お客様を喜ばせる必要があると思う。