"子供は食が細くて、ご飯を少ししか食べません。
お医者さんからは、もっとご飯を食べさせて下さいと言われているので、炊き方を工夫したりしていますが、相変わらず食べてくれません。
毎回、お茶碗1杯食べてくれるお米はありますか。
という、相談メールが入っていた。
なので、今食べている産地・品種と、お米の保存、研ぎ方、炊き方、ほぐし方、保温時間等、どんなお料理が多いか、更に、子供の食べ方を観察しているか等、やや突っ込んだ質問をした。
そこから見えたのは「かってな思い違い」。
ネットで検索したり、お母さんたちから聞いた情報等、真剣な分だけ全てを参考にしてしまい、結果、どれが正しいか判らなくて、全てを取り入れて、グチャグチャになってしまった知識。
食べてくれないから、無農薬米、生産者直送、もっと高いお米、もっと味が濃いお米・・・。
そんなになってしまう前に、何で相談してくれなかったのかと思った。
なので、思い違いを判ってもらうために、お母さんが想像していなかったお米を紹介して、さらに自分の研ぎ方等を教えて、お子さんが食べてくれるかを確認してもらった。
すると、夜遅くにメールが入っていて、「何も言っていないのに、初めてお茶碗1杯食べてくれて、おかわりもしてくれた。涙が止まらなかった」と書いてあった。
自分はただの米屋で、医者でもなければ栄養士でもないから、栄養であるとか、効果みたいな、具体的な話をしてはいけない。
だけど、お米を食べてもらうための方式を教える事は出来る。
食べてくれるという自信はあったが、それでも不安はあった。
食べてくれて良かった。"