北日本新聞社の12/8(金)0:29の記事は「「富富富」に特別栽培米 19年産から、化学肥料・農薬を半減」という内容であった。
富山米の新品種「富富富(ふふふ)」のブランド力を高めるため、県はデビュー2年目となる2019年産から通常の栽培方法に加え、化学肥料と農薬を半分に減らした特別栽培米を用意する方針を固めた。
数値が低いほどおいしいとされるタンパク質の含有率に関する出荷基準も新たに設定する。
厳しい基準を守り、高品質を実現していることを消費者にアピールしていく。
7日の県議会予算特別委員会で、宮本光明氏(自民)の質問に石井隆一知事が明らかにした。
来年のデビューに向けて、県は要件を満たした生産者だけに作付けを認める登録制度を導入。
現在、希望者を募集している。
登録生産者には標準的なコシヒカリに比べて化学肥料2割、農薬3割の削減をはじめ、1等米だけを出荷するなどの基準が課される。
知事は山形県の「つや姫」や青森県の「青天の霹靂(へきれき)」は2等米も出荷しており、新潟県の「新之助」には化学肥料や農薬の使用量に関する基準がないことを説明。
「富富富はなかなか厳しい基準になっている」と強調した。
付加価値をさらに高めるため、試験段階にある特別栽培とタンパク質含有率に関する基準を19年産から導入するとした。
「高品質で安全・安心な富富富を生産し、評価されるようにしたい」と述べた。
17年産の富富富を試食した2605人から得られたアンケート結果を集計したところ、61・8%が「普段食べているコメよりおいしい」と答えたことを紹介した。
普段食べているコメの9割は県産コシヒカリだった。 笠井和広氏(県民クラブ)への答弁。
ローカル紙のため、どれだけの人が、この情報を手に入れたかは疑問であるが、来年30年をもってして、新品種の戦いは終わる。
そのラストの年に戦いを挑んでくるのが、福井県「いちほまれ」、富山県「富富富」、石川県「ひゃくまん穀」、新潟県「新之助」。
さらに、山形県「雪若丸」、宮城県「だて正夢」、岩手県「金色の風」「銀河のしずく」、青森県「あさゆき」「青天の霹靂」。
規模の大小はあるものの、そうそうたる産地が、産地の生き残りを賭けて戦いを挑む。
どの産地が勝つのか、生き残るのかは、完全に未知数。
戦いに敗れるという事は、ブランド化戦略のミスである。
今の時代、ミスは命取りでしかない。
よって多分、この戦いに負けてしまったら、ブランド米としての価値は消えてしまうだろう。
富山県のオリジナル新品種である30年デビューの「富富富」は、この発表まで、どんなブランド化戦略で行くのか、まったく見えなかった。
ブランド化戦略と言うのであれば、年内中に戦略としての発表は必要不可欠。
「間に合うのだろうか」と、自分も気にしていたのだが、ついに発表となった。
そして、福井県のオリジナル品種で、同じく30年デビューの「いちほまれ」と同じ、特別栽培米を引っさげての戦略。
そしてデビューとなる。
この発表によって、福井県も安泰ではなくなった。
まだまだ戦略が見えてこない、山形県「雪若丸」や宮城県「だて正夢」も、当然戦略の見直しは必要となったはずである。
特別栽培米を持たずに、慣行栽培米だけの戦略は、消費地をターゲットにするのであれば、完全に不利となった。
さてさて、各産地は、どのようにブランド化戦略を変更してくるのだろうか。
「こういう流れになってくると、案外、岩手県が強いのかもしれない」と、ついつい思ってしまう。