ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

大仁きにゃんね花火大会

2008-08-02 23:58:41 | 能楽

本日は伊豆の国市の子どもたちの稽古でした。もうあと2回の稽古で薪能の本番を迎えるところまできました。なんだかあっという間でしたね~。もうこの時期には各出し物の稽古は1回の通し稽古のみ。あとはそれぞれの役の演技を微調整する、という作業になります。「子ども創作能」もさすがにみんな声が出てきましたし、役に自信もついてきたのではないかと思います。

そう言えば、先日このブログに頂いた「りんちゃん」(←地謡の一人、みさとちゃんのおかあさん)のコメントに「武士役の子どもたちがみんな揃って、申し合わせたように、実行委員会から参加者に配られた黒い薪能のTシャツで稽古に臨んだ」という事が報告されていました。うん、それはその稽古の場でも ぬえも気がついていたんですが、何となくそれは、みんなで示し合わせてそのように決めたのかなあ、なんて思って、あとは気にせずに稽古をしたわけですが。。よく考えてみれば、その稽古のときにはまだ参加者の名簿が整備されて配布されていなかったので、申し合わせることはできなかったんですね。そうすると。。それでは、あの6人もいる武士役の子どもたちが事前に話し合う事もなく みんな揃って同じTシャツを着て来たの!? 。。それはスゴイ事だ。。いつの間にか目に見えない団結力が働くようになっていたんですね~。。 これは ぬえが9年間稽古してきた中でも初めての事件ですよ! 今日、今さらながら彼らを誉めてあげました~

ところで、今回の稽古には ぬえ、別の楽しみがありまして。Y(^^)
ずっと見たかった大仁の「大仁きにゃんね花火大会」を見ることができたのです。

現在は合併して伊豆の国市となった旧・大仁町の花火大会で、『狩野川薪能』も もとはこの大仁町が主催して行われてきました。毎年ここでは8月1日に大規模な花火大会が催されてきたのですが、ず~~っとここに通っていながら、ぬえは未だにこの花火大会を見たことがありませんでした。今年はぜひ拝見したい、と、実行委員会の母体である現・伊豆の国市観光協会にお願いして、1日から伊豆の国市に入って花火大会を見物し、翌日の今日をお稽古日として頂いたのです。

ところが観光協会では気を遣ってくださって、なんと有料の桟敷席を薪能に参加している子どもたちがみんな入場できるだけ確保してくださいまして! 感謝!感謝! 急遽「みんなで花火大会ツアー」の企画となったのでした。

当日は桟敷席の入口で現地集合・現地解散。夜の河原が会場ですから、帰りは必ず保護者が子どもたちを引き取って一緒に帰宅すること。薪能の宣伝の一助となるべく、参加者は薪能Tシャツで参加のこと。引率者の ぬえがいろんなルールを作って、みんなを誘ってみました。

いや~~それが、まあ、あれほど大混雑する花火大会とは思いませんでした。去年見て感動した、伊豆長岡の花火大会の、あまり混み合わない、河原の土手に大の字に寝転がって見ることができるあの花火大会とはずいぶん様子が違いましたが、なるほど、これは伊豆長岡よりも大規模で絢爛な花火大会ですね~。といっても、ま、引率者としましては、最初の30分以上は「な~んにも食べてこなかった~。おなかすいた~」と言っている子どもたちのために 焼きそばを買うために夜店に並んでいたのでしたが。。

で、これが薪能Tシャツを着た参加者の面々! 全員ではありませぬが。



せっかくだから参加者をご紹介しちゃうか!
左より真央、克、礼智(らいち)、瞭、楓、綾。



同じく左より礼智、珠里(みさと)、綾、ありさ、明日香。



同じく左より千早、綸子、真澄。



同じく左より瞭、将人、克、礼智、瞳偉(とうい)、亜里沙、まり菜。



同じく左より悠希、夢知(ゆうち)、彩花。

あとでわかった事ですが、この桟敷席はかなり高額で販売されていたようで、薪能に参加する子どもたちのために人数分の席をプレゼントしてくださるなんて、観光協会や実行委員会の皆さんにも子どもたちは愛されていますね~。

ちなみに ぬえはこの花火大会の前には海水浴を楽しんでおりました。いやいや、夏休み満喫の1日でした~。

でも。。あと3週間で薪能の本番が来てしまうのね~。楽しみでもあるし、また一方、この子どもたちと稽古できるのもあとそれだけなのかと思うと寂しい気持ちもあるし。。なんか、複雑です。