ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第23次支援活動<気仙沼市>(その2)…ごろごろイチゴのかき氷

2014-09-10 09:52:45 | 能楽の心と癒しプロジェクト
【8月14日(木)】

この日は朝から気仙沼市役所に行き、活動の助成金などについてお話しを伺いました。いろいろな助成金があるのねえ。プロジェクトとしても本当は本格的な能楽公演をめざしているのですが、なかなか資金面ではウニャムニャ。。なもので。。企業とかまわって寄付金お願いした方がよいのかなあ。

市役所では担当の方がそれは親身に応対してくださったのですが、聞けば震災ボランティア出身の方なのだそうです。こういう人、たくさんおられますね。女川町では震災直後に一人で手伝いにやって来て、半年テントで暮らして。。現在は町の職員となり、地元の女性と結婚されて仮設住宅にお住まいの方とか。。公務員でなくても被災地に住所を移していろいろなプロジェクトを起こしたりお店を開いたり、という方は本当に多いと思います。

そのうえ気仙沼市役所には翌日のプロジェクトの公演「星と能楽の夕べ」のポスターが掲示してありました! あう~申し訳ないです~~

資料を頂いて市役所を後にして、次はその「星と能楽の夕べ」公演の会場である気仙沼中央公民館の下見に。

会場の申込みの前に下見には来ている ぬえでしたが、今日はフルートの浩乃ちゃんが同行してくれているので、事前に会場を見てもらう必要もありましたし、また ぬえ自身もいざ公演を組み立てる段階になって、会場の設備や造作、広さなど記憶がおぼろな部分もあって、確認の作業が必要だったのです。

ああ、ここでも職員さんが本当に親身になって相談に乗ってくださいまして、ぬえの計画を申しあげたところ、なんと一部使用させて頂く部屋を変更した方が良いのでは、というアドバイスまで頂きました。この下見で会場の壁や窓の位置などを確認して、クリアしなければならない問題をたくさん発見したのですが、職員さんの提案によって部屋を変えることで一挙に解決! そのうえ書類の訂正はこちらでやっておきますから大丈夫ですよ、とのお言葉まで! なんで皆さん、そんなに優しいの~? (・_・、)

さてせっかく中央公民館まで来たので、新装なった「海の市」を見に行きました。

ここは震災前には「気仙沼リアスシャークミュージアム」と呼んでいたと思います。併設して「氷の水族館」というものがありました。漁港ならではの面白いもので、水揚げされた魚を製氷技術で氷詰めにして展示してある水族館。。でも ぬえは見たことがないのです。震災前に学校公演で気仙沼を訪れたときに、これは見に行かねば! とは思ったのですがスケジュール的に無理でして。。

「氷の水族館」の展示内容はこちらに詳しいです。

→ playful Wanderer「気仙沼:氷の水族館 リアスシャークミュージアム」

現在は装いも新たに「海の市」となり、建物の外観のイメージカラーも以前の青から赤に変わりました。「リアスアーク美術館」と間違えやすい名称の「リアスシャークミュージアム」も館内に再開しましたのでそこも見学。鮫の専門の博物館なのですが、やはり震災の被害とそれからの復興の歩みを展示するコーナーや映像の上演もありました。「氷の水族館」はさすがにありませんでしたが、いずれ再開する、というようなウワサも耳にはしました。

村上朋子さん、高橋和江さんのお店に顔を出して挨拶や軽い打合せをして、お昼ご飯を食べて、やがて浩乃ちゃんは翌日の公演のためにピアニストの村上典子さんと練習するためにBRTバスに乗って志津川に向かいました。

ぬえもやはり公演の準備に。。今回の公演には問題が少々残されていましたが、一番の問題は機材オペレーターが必要だ、ということでした。この問題をクリアするために いろいろと考えていたのですが。。やはり外注しかないだろう、と、この日ようやく決断するに至りました。そこでオペレーターを気仙沼で現地調達することに決めて、「ともしびプロジェクト」の杉浦恵一さんを頼りにすることに。そこで彼が立ち上げたシェア・オフィス「co-ba KESENNUMA」へ。

あいにく杉浦さんは不在でしたが、被災店舗を改装した「co-ba KESENNUMA」や、おとなりの「ともしび工房」を初めて訪れることができました。また奥さんの美里さんに会い、気仙沼のヤンママさんのためにプロジェクトを始める、というお話しを聞くことができたのもよかったと思います。「co-ba KESENNUMA」は南町にあるので紫市場の仮設商店街はすぐとなり。杉浦さんが帰って来るのを待つ間に ちょいとひやかしで覗いてみると。。ををっ、なにやら豪華なかき氷を売っている模様。お値段400円ですって。う~ん、どうしようかなあ、と「co-ba KESENNUMA」に戻ってスタッフさんにその話をしてみると、なんとそのかき氷、B級グルメだかの大会でグランプリを勝ち取ったのですって!

ををっ、そうなのか、とすぐに緑さんと かき氷食べました~。うん、さすがに美味い!

かき氷と、優勝したという大会は。。これかっ!

→ 気仙沼復興商店街 南町紫市場「ごろごろイチゴのかき氷」販売決定☆

→ NPO AMDA復興支援 第7回『 復興グルメ F-1大会』in陸前高田市 開催報告


かき氷の情報をくれたスタッフさんは、その後プロジェクトの活動に協力頂くことになりますが、この時はそういう展開になるとは思いもよらず。。(^_^;)

そのうち別のスタッフさんが杉浦さんと電話で連絡を取り、じつは体調が悪く自宅で休んでいる、ということだったので、予定を変更して杉浦さんのご自宅へ。

杉浦さん、なんでも数日前まで高熱が続いていたのが、その後もずっと微熱に悩まされているのですって。体調悪いところ申し訳なかったのですが、翌日に迫った「星と能楽の夕べ」公演にはどうしても機材オペレーターが不可欠で、その人材の応援をお願いしました。安い金額ではありましたが謝礼は用意させて頂くことにしましたが、プロジェクトとして出演者以外のスタッフさんを雇ったのはこれが初めてですね~。杉浦さんからも心当たりを尋ねてみましょう、と心強いお答えを頂いて、この日は失礼しました。

ここで緑さんをご自宅に送って、さて ぬえは独りぼっち。夕食は例によってコンビニ弁当で済ませ、ああいけない、もうこんな時間か、という事で気仙沼の銭湯「亀の湯」さんに向かいました。

ここでまた新たな出会いが。