ぬえの能楽通信blog

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活動報告書(2014.12.09~10)

2015-03-02 12:11:49 | 能楽の心と癒しプロジェクト
能楽の心と癒やしプロジェクト
第25次被災地支援活動
(2014年12月09日~10日)


 〔活動報告書〕

【趣旨と活動の概要】

 東日本大震災被災地支援を目指す在京能楽師有志「能楽の心と癒やしプロジェクト」では、能楽の持つ邪気退散、寿福招来の精神を被災地に伝えるべく、2011年6月よりすでに24度に渡り岩手県釜石市、陸前高田市、宮城県石巻市、気仙沼市、南三陸町、女川町、東松島市、仙台市、大崎市、登米市および福島県双葉町の住民が避難していた旧埼玉県立騎西高校避難所にて能楽を上演することによって被災者を支援する活動を行って参りましたが、このたびプロジェクトメンバーのうち能楽チームの八田、寺井は、去る12月9日~10日の2日間に渡り宮城県・石巻市および気仙沼市にて仮設商店街での能楽上演、および災害FM局への出演を行いました。

今回の活動は久しぶりの石巻市での上演となったこと、気仙沼市で大規模に行われているイルミネーションの時期に合わせた、はじめての冬季の夜間での野外公演であったことが特色でしょうか。「けせんぬまさいがいエフエム」にも2度目の出演となり、年末のあわただしい時期に短期間の訪問ではありましたが、興味深い活動となりました。

【出演者】
八田達弥、寺井宏明(能楽の心と癒やしプロジェクト)
【協力者】(敬称略)
 村上緑/立町復興ふれあい商店街/復幸屋台村気仙沼横丁/高橋信行/気仙沼さいがいエフエム

【主催】
 能楽の心と癒やしプロジェクト

【活動記録】(敬称略)

【12月9日(火)】
早朝に東京を出発、昼頃石巻市に到着。

◎「能楽の心と癒やしをあなたに」公演 14:00開演
会場:石巻市 立町復興ふれあい商店街
内容:能「葛城」

1年ぶりの立町復興ふれあい商店街での上演。前回は仮設商店街開設2周年の記念イベントとしての出演だったが、今回は3周年記念としての出演。足が遠のいていた事を関係者にお詫びするが大変歓迎を受けて恐縮。

終了後気仙沼市へ移動、東日本大震災圏域創生NPOセンター代表の高橋信行氏と打合せの後、ご実家に宿泊させて頂く。ご母堂・和枝さんと深夜まで懇親。戦前の東北地方の窮状の様子など、とても印象的なお話しを伺うことができた。

【12月10日(水)】

昼頃より活動開始。

◎気仙沼さいがいエフエム「にじなま」に出演 14:00~
会場:気仙沼さいがいエフエム
内容:居囃子「猩々」


◎「能楽の心と癒やしをあなたに」公演 19:00開演
会場:復幸屋台村 気仙沼横丁
内容:能「葛城」

終了後帰京。

【収入・支出】

前回活動に引き続き『星と能楽の夕べ』公演を有料化しましたが、残念ながら悪条件が重なり、思ったほどの入場者数を得ることができませんでした。しかし地福寺さまより活動資金の援助を頂くことができました。出演者が多かったため結果的には支出がふくらんだ印象で、この点を今後改善して行くべきとの指摘がプロジェクト内部で話し合われました。

プロジェクトの活動資金としては、前回活動の繰越金が64,949円あるほか、2件の募金115,000円を頂戴しました。また、これによって繰越金を含めた活動開始時点での資金の総額は 179,949円となります。また今回の活動中に募金1件3,000円を頂戴し、収入の合計は182,949円にのぼりました。

一方支出は、交通(ガソリン代、高速道通行料、高速バス代)と宿泊費の数万円のみであり、今回は宣伝チラシも上演会場である石巻立町復興ふれあい商店街さま、復興屋台村気仙沼横丁さまが自ら印刷してくださったため経費が掛かりませんでした。これらの支出を差し引いた次回活動の繰り越し金は130,876円となります。

プロジェクトの訪問公演の支出につきましては節約を旨としております。交通費節約のため、できるだけ深夜割引の制度を利用して終夜運転をして早朝に現地に到着するなど工夫はしておりますが、体力や公演スケジュールによって、必ずしも深夜走行ができない場合もあります。宿泊につきましては、従来は住民ボランティアさま等のご厚意により無料、または安価での宿泊ができましたが、街が落ち着きを取り戻しつつある昨今では旅館などに宿泊する機会も増えてきました。この場合にも宿泊費はおおよそ5,000円まで、素泊まりを旨としており、食費については酒食の区別がつきにくいため、すべて自己負担としております。

【成果と感想・今後の展望】
今回は1年ぶりとなる石巻市での上演、冬季の夜間に野外で行う初の上演と、年末にふさわしく各地関係者へのご挨拶も致し、華やかな上演となりました。気仙沼市で年末恒例で行われるイルミネーションの下での上演はかねて念願ではありましたが、種々の事情により今回ははイルミネーションの事業そのものとの競演とはなりませんでした。しかしながら復興屋台村気仙沼横丁さまのステージはこれまた美しいイルミネーションで飾られていて、能装束は美しく映えたのではないかと思います。また厳冬期の上演、ことに気仙沼では夜間の上演ではありましたが、どちらの仮設商店街での上演でも30名ほどのお客さまがお見えになり、大変ありがたいことでありました。「けせんぬまさいがいエフエム」の皆さまにも毎度大変好意的にプロジェクトの活動を宣伝して頂いております。今回は久しぶりに出演させて頂き、楽しいひと時を過ごさせて頂きました。
今回も石巻市および気仙沼市の市民の方々に多数ご協力を賜って活動ができました。改めまして御礼申しあげるとともに、プロジェクトの息長い支援のために今後とも皆さまの変わらぬご支援をお願い申し上げる次第です。

平成27年3月2日

                「能楽の心と癒やしプロジェクト」

                               代表   八田 達弥

                             (住所)
                             (電話)
                             E-mail: QYJ13065@nifty.com