「私は嫌だからねー!!」
突然叫んでしまったよー!
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昨日の話ーーー
「明日の湯灌の時間なあ…」
義母と義姉がマーちゃんに時間を伝えようと切り出した。
「え?湯灌って?」
私は、まさか
“おくりびと”の湯灌がこの関西で実際にされているのか、
と思い、確認してみた。
「お風呂に入れるらしいわ~。
ほら“おくりびと”見ぃひんかった?」
「うん。話題は知ってるけどまだちゃんと観てないねん。
それって、昔はやってなかったよねー!最近でしょ!
話題になってからやんねー!」
父と母のときそんな話を聞いたこともなかったし、
関西ではそんな他の話も聞いたことなかった。
「あ、そう!午前中って言っていたのん昼からになったん?」
マーちゃんが姉と携帯で確かめている。
「昼からに変更になったんだって!
家族で湯灌するのに僕も行ってくるからな。」
「それって、互助会のセットに付いているのん?」
「そうちゃうか~?!」
「でもいらんて選ばない人もいるんやろうねぇ~。」
「そら、みんな、選ぶやろ!!ついてるんやったら・・・」
互助会のセットのことで気になっていたこと、
義父の湯灌のことでマーちゃんと話していた。
この後、直後、自分の口から
思いっきり大きな声で叫んでしまって、
我ながらびっくりした。
「私は絶対嫌だからねー!!」
だってさあ、まったく見も知らない他人が、
私の体を触るんだよ~~!
私は女だからねー!!
死んだって女だからねー!!
どんなに歳くったって女なんだから…
死んだって他人に身体洗われるなんてやだーー!
さんざんお医者さんを我慢してきたんだよ。
せめてやっと解放された時ぐらい堪忍してよ!
死んでまで他人に私の身体を触らせないで。
「私の遺言だから・・・覚えていてよ!
私のときは絶対嫌やからなー!!」
愛する貴方ならいいんだ!
貴方と二人だけならいいんだよ。
どんなに触られたって嬉しいよ。
最後なんだから嬉しいに決まってるでしょ♪
…だから、今までの死に化粧だけでいい。
看護士さんによるものだけでいい。
酔ってるね。私。。。
マーちゃんの方が先に逝くかも知れないのに…
今日は飲み過ぎちゃったよ。
明るいお通夜だよねぇ。お義父さん。