夕食を済んだ。久し振りにおでんだった。ぐつぐつぐつぐつ長く長く煮て、味が染みこんだダイコンがおいしかった。里芋もおいしかった。焼酎のお湯割りも飲んだ。満ち足りた。湯も浴びた。文句なし。寝る。だらしなく寝て、一日を終わる。
ほんとうは文句たらたらなのに、あれにもこれにも、文句たらたらなのに、子守唄を歌って、それを寝かし付けて、何事もなかったようにして寝る。不満も不平も人にはおくびにも出さず、消して消して、消し去って、寝る。
寝たら万事がゼロになる。己の内にも跡形もなくゼロになる。これでよろしい。