人間の快楽の一つに、黙っているという快楽はあるか。笑う快楽はあるだろう。喋る快楽、歌う快楽もあるだろう。化粧する快楽だってあるだろう、おんなの人には。そうではなくて、ただひたすら1日黙っている快楽。だったら、喋る役割をする方の口は要らないことになる。鼻が息を吸って吐いて、黙っている。目は開けてても閉じててもいい。できるだけ何も考えないようにする。でも、起こって来る妄想煩悩にも執着しない。水が流れるようにして、流しておく。雲が流れるように、流しておく。すううすうううと息をして吐いている。胸や腹がふくらんだりへこんだりする。ひとりでいる。坐っていてもいいし、横になってても寝ていてもいい。外界をシャットアウトして、内にいる。内の世界に沈潜する。ただただ内なる宇宙の広さに驚いている。そういう快楽。
内も外もあるのに、やたら外側の雑事にのみ振り回されているのは嫌になった。
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