北海道大雪山系のトムラウシ山で中高年の登山ツアー客が遭難して8人の方が亡くなりました。北海道を愛する人間として、北海道の山でこのような大きな遭難事故が起きて、多くの方が亡くなられてしまったことを大変残念に思います。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
このツアーの参加者ですが、主催した旅行会社では登山歴のチェックや年齢制限(70歳以下)を設けており、参加者はある程度の登山経験があって山の怖さを知らない人たちでは無かったようですが・・・。
ただ、このツアーに付き添った登山ガイド3人のうち、2人はトムラウシを案内した経験が全く無かったらしいのです。それを知って、失礼ながら登山ガイドって人の命を預かるのに結構いい加減な仕事なのか・・・?と思ってしまいました。普通、ガイドと言う人は、その場所を熟知しているものではないでしょうか?必死にツアー客を守ろうとしたガイドの方には申し訳ないのですが、新聞やネットの記事などを見る限りでは明らかに人選が間違っています。
そもそも、登山という自然相手のツアーで今回のような縦走コースでしたら、少なくとも2日は日程に余裕を持たせないといけないのではないでしょうか?日程に余裕が持てないのなら、天候によってはコースの変更などを考えるべきだと思います。
この遭難事故の起きた日には確か北海道や東北では大荒れの天気で東京でも風が強かった日だったと思います。平地でも大荒れの日ですから、2000メートル級の山では自ずと、どんな常態になるか想像がつくと思います。ましてや北海道の自然条件は本州とは違いますから、夏山と言っても天候によっては氷点下となります。
参加された方は本州の方ばかりでしたし、夏山と言うことで防寒対策も十分でなかったようです。北海道の場合、真夏の平地でも気温1ケタと言うこともありますので、夏山と言う概念は通用しないのです。その辺の事情を主催者側は参加者に伝えていたのでしょうか?
私は登山経験と言えるほどの山には登ったことは殆どありませんが、10年以上前に大雪山系の黒岳に登ったときに山の怖さを感じました。9月中旬で天気も良かったのですが、下山途中に突然天候が悪くなり気温が見る見る下がって雪に見舞われたことがありました。黒岳のような初心者が登れる山でもこれですから、何時間も歩かないと避難小屋もないような所では本当に危険です。
主催者側は勿論のこと、参加者も北海道の山に対する認識を改める必要があると思います。危険だと思ったら、引き返す勇気も必要です。死んでしまっては二度と山には登れません。