別所温泉は信州の鎌倉と呼ばれるほど、由緒あるお寺がいくつもあります。
今回は別所温泉に滞在中に3箇所のお寺を訪れました。
先ずは国宝の八角三重塔のある安楽寺へ・・・。
このお寺は別所温泉の北側にあります。
旅館にチェックインしてから、妻と子供たちが温泉に入っている間に1人で訪れましたが、雨が降っていたこともあり他に人は居らず、雨音だけが響きます。
鬱蒼と生い茂る杉林の中に真っ直ぐ伸びる参道、その先の石段の上に構える山門、天狗や牛若丸が出てきそうな雰囲気です。
門を潜る正面に本堂が見え、本堂の左側にある薄暗い山道を登って行くと、やがて三重塔が見えます。
何百年もこの場所に建っていた風格と重みに圧倒されます。
しかも他に誰も居ない中でこの塔と対峙していると思うと身震いがしそうです。
最近の調査で鎌倉時代の末期に建立されたことが、判明したそうです。
ご覧の通り、見た目は四重塔に見えますが、一番下の屋根に見える部分は建築学上は「ひさし」ということなのだそうです。
普通、この様な塔は四角いものなのですが、八角と言うのは、この塔だけだそうです。
続いて別所温泉の中にある北向(きたむき)観音へ行きました。
ここは善光寺と向かい合う北の方を向いて本堂ができており、善光寺と並ぶ名刹で善光寺だけをお参りして、北向観音にお参りしないことを「片参り」と言うそうです。
以前に何度か善光寺はお参りしておりますが、今回、北向観音に初めてお参りしたので、やっと片参りから脱却したと言うことになります。
境内には小説と映画で有名になった「愛染カツラ」の木もあります。
小説と映画で有名になる前は「愛染カツラ」と言う名で呼ばれていなかったそうです。
北向観音へは再び翌日に家族と訪れました。
翌日に訪れた際には北向観音の近くの甘味処「かしわや」で名物の「くるみおはぎ」を食べました。
くるみおはぎと言えば前山寺の物が有名ですが、冬場は作っていないそうで、旅館の方に教えて頂き、この店で食べました。
ペースト状のくるみ餡の上に少し潰したもち米が載っており、くるみの香ばしさともち米の弾力のある食感が堪りません。
小豆餡のおはぎほど甘さもなく、あっさりしています。
別所温泉にお越しの際は是非お試しを!
そして、3箇所目は重要文化財の石造多宝塔のある常楽寺を訪れました。
本堂の屋根は茅葺で街中の寺にはない山寺独特の風格が漂っています。
石造多宝塔は本堂の裏の林の中にあります。
この石造多宝塔も安楽寺の三重塔と共に700年歴史があるそうで、何んとも言えない風格があります。
周囲には柵が廻らされており、近くで見られなかったのが残念です。
これだけお寺を廻ると心が洗われる気分です。