「AMI-湯浅亜実」
湯浅 亜実(ゆあさ あみ、英: Ami Yuasa、1998年〈平成10年〉12月11日 - )は、日本のブレイクダンスダンサー。世界大会Red Bull BC One2018およびWDSF世界ブレイキン選手権2019・2022優勝者。ダンサーネームは「B-Girl Ami」。Good Foot Crew所属。
*Wikipedia より
ブレイキン女子 AMI 湯浅亜実が金メダル パリオリンピック 2024年8月10日 9時03分
パリオリンピックの新競技、ブレイキンの女子の決勝で、ダンサーネームAMIの湯浅亜実選手がリトアニアの選手に3対0で勝って、金メダルを獲得しました。
パリオリンピックで採用された唯一の新競技、ブレイキンはDJがかける音楽に合わせて1対1で交互に即興でダンスを披露し、技術や表現力、独創性などを競います。
25歳のAMIは決勝でリトアニアの17歳で去年の世界選手権を制したダンサーネームNICKAのドミニカ・バネビチ選手と対戦しました。
AMIは、1ラウンドでキレのある動きで音楽にあわせてピタリと動きを止める「フリーズ」を決めたほか、2ラウンドでは流れるような動きからしゃがんで手をつき、足さばきを見せる「フットワーク」を見せました。
そして、最後の3ラウンドでは音楽との融合性、「ミュージカリティ」で高得点を挙げ、3対0で勝って金メダルを獲得しました。
銀メダルはリトアニアのNICKA、銅メダルは中国の18歳でダンサーネーム671の劉 清※い選手でした。
※「い」は「さんずい」+「けもの偏」に「奇」
“まだ実感が沸かず ふわふわした感じ”
湯浅選手は、決勝直後のインタビューで「本当は決勝で披露する予定だったムーブを準決勝で出したので、決勝は楽しんで思い切りいこうと思っていた。いかに自分らしさを出せるかを考えて練習してきたので、緊張はしたが、いい意味でプレッシャーは感じなかった」と振り返りました。
その上で新競技の金メダリストになったことについて「本当なら泣きたいくらい、うれしいはずだが、まだ実感が沸いておらず、ふわふわした感じだ」と心境を話しました。
そして「家族やチームジャパンのサポートのおかげだ」と感謝の気持ちを話していました。
勝負を分けた「多彩な技」と「ダンスの完成度」
パリオリンピックの新競技、ブレイキン女子の金メダリストを決める決勝で勝負を分けたのはAMI、湯浅亜実選手の多彩な技とダンスの完成度の高さでした。
対戦相手、リトアニアのダンサーネームNICKAのドミニカ・バネビチ選手は去年の世界選手権を制し、いま勢いに乗っている17歳でパワームーブのダイナミックな動きが持ち味です。
これに対して、ブレイキン女子の中でも屈指の「オールラウンダー」のAMIは、相手のパワームーブに同じような技で対抗するのではなく、みずからの強みの一つ一つの動きを流れるようにつなぐダンスの完成度で勝負しました。
さらに、もう1つカギを握ったのが多彩な技の数々です。
ブレイキンでは1つのラウンドで同じムーブを繰り返すとマイナス評価の対象となります。
別のラウンドでは前にやったのと同じ技を出すことはできますが、ジャッジの印象が悪くなるおそれがあります。
オリンピックの舞台でAMIは決勝まで合計15ラウンドを戦い、どのラウンドでも同じようなムーブを使いませんでした。
これについてAMIが幼い時からブレイキンを教えている、日本ダンススポーツ連盟の石川勝之ブレイクダンス本部長は「技のバリエーションがすさまじく多い」と評価しました。
その上で決勝のバトルの前にまだ技が残っているのかとAMIに尋ねたところ、「全然あります」と力強い答えが返ってきたことを明かしました。
そんな頼もしい教え子に対して「とりあえず楽しむように」と決勝のステージに送り出したということです。
そのことばどおり、決勝のステージでもAMIは笑顔を絶やしませんでした。
1日で15ラウンド踊るという体力的に厳しくなっていく中、最後まで高い完成度で多彩なバリエーションの技を繰り出し続けたのです。
初めてのオリンピックの決勝を振り返りAMIは「勝っても負けてもここで全部出し切ろうと思った。その結果が楽しかったと思えた」と充実した表情で話しました。
初めてのオリンピックの舞台で金メダルを獲得したAMIが見せたのは多彩で完成度が高く、観客席からも大声援が送られる「かっこいい」ダンスでした。
オリンピックで初めて行われたブレイキンのステージで、こだわってきた「自分らしさ」を出し切ったAMIは、表彰台の一番高いところで最高の笑顔を見せていました。
AMIのダンスの軸 “かっこよさ”
ブレイキンのすべての要素をトップレベルでこなすAMI、湯浅亜実選手がみずからのダンスの軸として挙げるのが「かっこよさ」です。
一つ一つの技やポーズ、それにスムーズな流れなど動きの細部にこだわってどの瞬間を切り取ってもかっこよく見えるダンスを追求してきました。
世界選手権を2回制するなどこれまで国内外で数多くのタイトルを手にしてきたAMIでしたが、「自分のスタイルでどこまでいけるのかを試したい」と臨んだオリンピック出場権をかけた大会では思わぬ苦戦を強いられました。
2連覇を狙った2023年の世界選手権ではリーグ戦でまさかの敗退。
続くアジア大会でも決勝で敗れ、なかなか結果を出せませんでした。
自分らしく踊ることを大切にしているAMIですが、思うように結果が付いてこない現状に葛藤を抱えていたといいます。
「今までの人生で一番ストレスがかかった時間だった」という苦しい時期で悩み抜いた末にたどりついた1つの答えが勝ち負けという結果にこだわるのではなく、「目の前のことに全力で自分らしく挑む」という気持ちでした。
そして、挑戦者の気持ちを持って臨んだオリンピックの予選シリーズでは持ち味とする流れるような「かっこいい」ダンスを出し切り、オリンピックの切符を勝ち取りました。
精神的にたくましくなり「選手全員の個性が輝くオリンピックになればいい」と自分のスタイルを世界で見せるためにステージに上がったAMI。
オリンピックで初めて実施されたブレイキンの最初の金メダリストになりました。
*https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240810/k10014544081000.html より
AMIと同じくブレイキンで戦った「AYUMI-福島あゆみ」にも拍手を送りたい。
遅咲きの41歳。彼女が日本の第一人者となり、日本を引っ張っていったことも事実。まだまだ頑張ってもらいたい。