「橋本大輝・萱和磨・岡慎之助・杉野正尭・谷川航」 金-体操 男子団体
体操 男子団体 日本が金メダル 2大会ぶり奪還 五輪 2024年7月30日 7時39分
パリオリンピック、体操の男子団体で日本が金メダルを獲得しました。日本のこの種目の金メダルはリオデジャネイロ大会以来、2大会ぶりです。
「わずか0.103」で東京オリンピック、団体金メダルを逃し、その悔しさを忘れなかった、この3年間。チーム全員で取り組んだ「あるこだわり」が実を結び、金奪還を果たしました。
記事後半では「逆転でつかんだ金メダル」の背景や詳しい試合経過などもお伝えしています。
目次
日本 ライバル中国を逆転して2大会ぶり金メダル
注目
◇最終結果◇
【NHKプラスで配信中】体操男子団体 決勝
日本 ライバル中国を逆転して2大会ぶり金メダル
体操の男子団体の決勝は、予選上位の8チームが出場して、6種目で各チーム3人の合計得点で争われました。日本は、エースの橋本大輝選手を中心に2大会ぶりの金メダル奪還を目指しました。
日本は1種目目のゆかで、エースの橋本選手が冒頭G難度の大技、「リ・ジョンソン」を決めて14点台後半をマークし、3人全員が安定した演技で好スタートを切りました。
橋本大輝選手が落下のミス
しかし、2種目目のあん馬は、橋本選手が旋回の途中で落下するミスがあり、13.100とライバルの中国に0.5の差をつけられました。
さらに、3種目目のつり輪で、3人全員が大きなミスなく14点台をマークしましたが、つり輪を得意とする中国に3点以上に点差を広げられました。
4種目目の跳馬は杉野正尭選手と橋本選手がともに高難度のロペスを高い完成度でこなしましたが、谷川航選手が世界最高難度の大技「リ・セグァン2」に挑んだものの認定されず、13.833と得点を伸ばせずに、4種目目を終えた時点で日本は4位につけました。
決勝の終盤は中国とウクライナ、それにアメリカがメダルを争う展開となるなか、日本は5種目目の平行棒で演技した3人が14点台後半をマークし、2位に順位を上げ、最後の種目、鉄棒につなぎました。
トップの中国と3.267の差で迎えた鉄棒は、中国の2人目の選手が2回落下するミスでこの選手の得点が11.600にとどまり、この時点で日本が中国を逆転しました。
日本は最後を託された橋本選手が次々と難度の高い手放し技を決めると、最後の着地も止めて14.566の高得点をマークし日本が合計で259.594の得点で金メダルを獲得しました。
この種目の日本の金メダル獲得はリオデジャネイロ大会以来、2大会ぶりです。2位は中国、3位はアメリカでした。
日本は予選で橋本選手の不調が目立ち、中国に次ぐ2位で決勝に進出しましたが、決勝でチーム力を発揮して底力を見せ、悲願の金メダルを獲得しました。
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◇最終結果◇
▽1.日本 259.594
▽2.中国 259.062
▽3.アメリカ 257.793
▽4.イギリス 255.527
▽5.ウクライナ 254.761
▽6.イタリア 248.260
▽7.スイス 247.427
▽8.カナダ 245.426
《日本代表 選手談話》
橋本大輝「みんなに助けられた金メダル」
エースの橋本大輝選手は「みんなに助けられた金メダルで、この4人がいなかったら、この演技はできなかったし、やっぱり諦めなくてよかった」と話し、喜びをかみしめました。そして、悲願だった団体金メダルを手にした感想を聞かれると「めちゃめちゃ重いです。やっぱりこの3年間、僕は東京大会の0.103という悔しい思いを持って戦ってきたので、やっぱり重いし、これがオリンピックの金メダルだなともう一度感じられた」と充実感をにじませました。
また、2種目目のあん馬で落下したことについて「すごく引きずっていたが『まだ諦めない』と、気持ちを入れ替えることができたので、そこはすごくよかった」と振り返りました。そして、チームメートの声かけが背中を押してくれたといい「萱選手から『絶対諦めるなよ、いけるから』と声をかけられ、最後の鉄棒は、背中にみんなの思いを乗せて演技することができて本当に幸せだった」と笑顔で話していました。
【特集】体操 エース橋本大輝が流した涙 悲願の団体金メダルへ
岡慎之助「最後まで諦めずに みんなにつないでいった」
男子予選から決勝まで安定した演技を見せたチーム最年少の20歳、岡慎之助選手は「ミスがあったけど、最後まで諦めずにみんなにつないでいったことがこういう結果につながったので本当に最高です」と笑顔で話していました。
また、おととし、前十字じん帯を断裂する大けがをしたことについて「けがで1年間きついトレーニングを重ね、耐えてきてよかった」と感慨深げに振り返り、31日の個人総合決勝に向け「ミスなく最後までやりきって金メダルを目指して頑張りたい」と話し、次を見据えました。
萱和磨「これが僕の夢 夢はかなえられると証明できた」
萱和磨選手は、「ゆか」や「あん馬」など4種目で日本のトップバッターを務め、いずれも『失敗しない』演技でチームを勢いづけました。
萱選手は「本当に頭の整理が追いついてない。金メダルが決まった瞬間は本当に夢なのかと思うぐらいで、何度もほおをつねって確認した。ほんとに夢がかなったなと、かなえることができるんだなと思った」と興奮気味に話しました。そして、金メダルを示しながら「これが僕の夢です。夢はかなえられると証明できたので、未来の体操選手には自分のように夢を追ってほしいと思います」と笑顔で話していました。
杉野正尭「チームで勝ち取った金メダル」
あん馬、跳馬、鉄棒の3種目でいずれも14点台後半をマークした杉野正尭選手は「チームで勝ち取った金メダルだと思います。最高です」とうれしそうに話していました。
最後の種目の鉄棒に1人目で臨んだ心境については「緊張もしていたけど、後ろにいる岡選手と橋本選手なら絶対にやってくれると思ってのびのび演技ができました」と振り返りました。そして「オリンピックは憧れの舞台で、金メダルは小さい頃から夢見ていて、東京オリンピックで代表に入れなかった悔しさをバネにここまでやってきてよかった」と喜びをかみしめていました。
谷川航「自然と涙が出た 本当に体操をやっていてよかった」
谷川航選手は「跳馬で失敗し、悔しさもすごくあるが、みんなに救ってもらってやっと取れた金メダルで、自然と涙が出てきて、本当に体操をやっていてよかったと感じた」とチームでつかんだ悲願の団体金メダルの喜びを語りました。また、弟の翔選手について「僕もまだいけそうだなという感じがするので、翔にも頑張ってもらって、一緒になんとしてでもまた金メダルをとりたい」と話しました。
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【解説】苦しむエース“チームが支えた”金メダル
「わずか0.103」で東京オリンピック、団体金メダルを逃し、その悔しさを忘れなかった、この3年間。チーム全員で取り組んだ着地へのこだわりが実を結び、金奪還を果たしました。
本番2か月前に右手中指のじん帯を損傷し、満足な練習が積めないまま、本番に臨んだ橋本選手。直前にフランスで行われた合宿では、得意の鉄棒で「ちゃんとした演技をすることができなかった」と不安を抱えていました。
27日の男子予選では、そのことばが現実のものとなってしまいます。鉄棒の着地で大きく乱れ、手をゆかにつけてしまう珍しいミス。6種目中3種目で13点台と得点を伸ばせず、精彩を欠きました。
そのエースを救ったのが4人のチームメートでした。パリオリンピックに向け、6月から始めた国内合宿で、選手たちは技の出来栄えを示す「Eスコア」の向上に取り組んできました。
前回の東京大会では0.103と僅差で金メダルを逃した日本はその悔しさを「忘れない」と、着地で1歩動いたり、手足がわずかにずれたりする細かなミスを出さないよう、0.1を拾うことを全員が意識してきました。
その成果が出たのが、27日の男子予選です。20歳の初出場、岡慎之助選手は、鉄棒やゆか、それに平行棒などで着地をピタリと止めたほか、手足の先まで伸びた美しい体操を見せて、高いEスコアをマークしました。さらに、2大会連続出場の谷川航選手も「細かいミスをどれだけ出さずに試合で力を出せるかが勝負になる」と話していたとおり、平行棒とつり輪でしっかり着地を決めました。
どんな逆境でも全員が団体金メダルという同じ方向を向いて、演技をつないできた日本。エースの不調を全員で乗り越え、悲願の金メダルを手にしました。
【解説】誰1人諦めず 会場で見えた“1つになったチームの姿”
日本は中国に離されても離されても最後まで誰1人諦めていませんでした。会場では「一体感」という簡単なことばでは表現できないような1つになったチームの姿を見ることができました。
予選から不調だったエースの橋本大輝選手に2種目目のあん馬で落下のミスが出ると会場には重苦しい空気が漂い始めます。
中国の得点源の1つである続くつり輪で大きくリードを広げられ、次の跳馬でこの種目のスペシャリスト、谷川航選手にもミスが出て、さらに引き離されると会場も「優勝は中国」という雰囲気になり、観客の視線はメダル争いをしていたウクライナやアメリカへと移っていきました。
それでも日本のチームは誰1人として諦めていませんでした。テレビカメラに映らないところでもスタッフを含めて何度も何度も円陣を組みました。それは3点余りの差をつけられて最終種目の鉄棒に向かう前にも見られ、キャプテンの萱和磨選手を中心に「絶対に諦めないぞ」と繰り返しことばを交わし合ったといいます。
萱選手は「点差を見てしまうとなかなか立ち直るのは大舞台になればなるほど大変。それでも団体戦なのでいくらでも励まし合って挽回できると思っていた。諦める理由がなかった」と話しました。
そして、最終種目の鉄棒に向かう橋本選手の姿をチームメートたちは全員で肩を組んで見守りました。
その思いを受けた橋本選手が最後の最後にミスなく決めて奇跡と呼んでもいいような大逆転勝ちを果たしました。
実は、前日の夜のミーティングで改めて全員が金メダルへの思いを共有したといい、橋本選手は「自分がミスをしても仲間が『諦めんな』『つないでいこう』と声をかけてくれて。最後まで戦い抜くことができた。自分はエースとしての大役を果たせなかった悔しい思いがあるが、本当に全員でつかんだ金メダルだと思う」と話していました。
「絶対に諦めない」
言うのは簡単でも実行するのは難しいことばです。誰もがその思いを強くが持ち、チーム一丸となったことが不可能を可能にしました。
《祝!金メダリストの5人衆 プロフィール》
◇橋本大輝(はしもと・だいき)選手
橋本大輝選手は、千葉県出身の22歳です。6歳の時に2人の兄の影響で体操を始めました。手足の先まで伸びた美しい演技にダイナミックさを兼ね備え、「ゆか」や「跳馬」、それに「鉄棒」を得意としています。2019年に高校生で史上2人目となる世界選手権代表に選ばれ、日本の団体銅メダル獲得に貢献しました。
3年前、NHK杯で初優勝を果たして東京オリンピック出場を決め、個人総合で史上最年少で金メダルを獲得。種目別の鉄棒を制し、若きエースとして不動の地位を築き上げました。去年の世界選手権では内村航平さん以来となる史上4人目の個人総合2連覇を果たしたほか、種目別の鉄棒、それに団体で3冠を達成しました。
ことしはパリオリンピックでの2連覇を見据えて苦手種目のつり輪に取り組んできたほか、平行棒で新しい技を取り入れるなどして全日本選手権で圧倒的な強さを見せ、4連覇を果たしました。
ところが、ことし5月、NHK杯の会場で平行棒の練習を行った際に右中指を痛め、大事を取って欠場しました。パリオリンピックで個人総合と鉄棒の2連覇、団体で2大会ぶりの金メダル獲得を目指しました。
◇萱和磨(かや・かずま)選手
萱和磨選手は、千葉県出身の27歳。ミスの少ない安定した演技で「あん馬」や「平行棒」などの種目を得意とし、初出場の東京オリンピックでは、あん馬で銅メダルを獲得し、日本代表のキャプテンとして団体銀メダル獲得に大きく貢献しました。
翌年のNHK杯はパリオリンピックに向け、得意の「あん馬」のほか「鉄棒」や「ゆか」の技を大幅に変え、難度の高い演技構成に挑戦しましたが4位に終わり、世界選手権の代表入りを逃しました。
その悔しさを胸に、技の出来栄えを示す「Eスコア」にこだわって“美しく失敗しない体操”を目指したほか、最大の持ち味の安定感にさらに磨きをかけ、去年の世界選手権では8年ぶりの団体金メダル獲得に貢献しました。ことし5月のNHK杯で2位に入ってパリオリンピック代表に内定、2大会連続のオリンピック出場を決めていました。
◇岡慎之助(おか・しんのすけ)選手
岡慎之助選手は、岡山県出身の20歳。4歳で体操を始め、柔軟性のある美しい体操を持ち味に、15歳で世界ジュニア選手権の個人総合を制し「日本の宝」と呼ばれた次世代のホープです。中学を卒業したあと、アテネオリンピック男子団体金メダリストの米田功さんが監督を務める「徳洲会体操クラブ」に所属しました。
おととしの全日本選手権では予選3位で決勝に進みましたが、4種目目の跳馬で着地に失敗し、右ひざの前十字じん帯を断裂して全治8か月の大けがをしました。手術後、リハビリに励みながら苦手な「つり輪」の克服に取り組み、技の難しさを示す「Dスコア」を大きく上げるなど、ことし4月の全日本選手権では得意種目の「平行棒」に加え、「つり輪」でも高得点をマークしました。5月のNHK杯で初優勝を果たしてパリオリンピック代表に内定、オリンピック初出場でした。
◇杉野正尭(すぎの・たかあき)選手
杉野正尭選手は、三重県出身の25歳。6歳で体操を始め、体操の強豪・鯖江高校からアテネオリンピックの団体金メダリスト、米田功さんが監督を務める「徳洲会体操クラブ」でキャプテンを務めています。
1メートル70センチと体操選手の中では大柄で、ダイナミックな体操を持ち味に鉄棒とあん馬を得意種目としています。鉄棒では、日本選手がほとんど取り組んでいないF難度の大技「ペガン」など難度の高い技をこなし、おととしの全日本シニア選手権では、個人総合で優勝しました。ことし5月のNHK杯では、あん馬で最高難度の「Hコンバイン」を決めるなどして15.000をたたき出したほか、鉄棒でも高い難度の手放し技をこなしてスペシャリストとして力を発揮し初めてオリンピックの切符をつかみました。杉野選手は3年前、わずか0.018及ばず、東京オリンピックの代表入りを逃していて、今回が初めてのオリンピックでした。
◇谷川航(たにがわ・わたる)選手
谷川航選手は、千葉県出身の28歳。小学1年生の時に体操を始め、抜群の跳躍力と着地の正確さでゆかと跳馬を得意としています。高校3年生だった2014年に全日本種目別選手権のゆかで3位に入り、2年後の同じ大会では跳馬で優勝。2017年に初めて世界選手権の代表に選ばれると、その後、3年連続で代表入りしました。
東京オリンピック団体では、跳馬で世界最高難度の大技「リ・セグァン2」を決めて15点台の高得点をマークするなど、日本の銀メダル獲得に貢献しました。おととしの世界選手権では、個人総合の6種目すべてで大きなミスのない安定感のある演技を見せて銅メダルを獲得。弟の翔選手とともに出場した去年のアジア大会では、種目別の「跳馬」で日本勢で45年ぶりとなる金メダルを獲得しました。
ことし5月のNHK杯で「リ・セグァン2」を決めて15.433の高得点をマークし、パリオリンピックの代表に内定しました。2大会連続のオリンピック出場でした。
《選手の地元から大きな声援》
◇橋本大輝の地元 指導する冨田洋之さんも
橋本大輝選手の地元、千葉県成田市のパブリックビューイング会場にはアテネオリンピックの金メダリストで、現在は橋本選手を指導する冨田洋之さんや、市民など100人以上が集まり、日本選手にエールを送りました。
橋本選手の鉄棒の演技の前には「大輝」コールが繰り返され、最後に着地が決まると大きな歓声が上がりました。そして、2大会ぶりの金メダルが決まると会場に笑顔が広がりました。
冨田さんは「最後の最後まで諦めず、あの緊張感のなかでやりきったことは成長を感じましたし、みんなでつかみ取った金メダルだと思います。帰ってきたらどんな気持ちだったのか聞いてみたいです」と話していました。
◇杉野正尭の地元でもパブリックビューイング
杉野正尭選手の地元の津市では、杉野選手が通っていた中学校の近くにある津市のホールでパブリックビューイングが行われ、杉野選手の小中学校の同級生や当時通っていた体操クラブの後輩たちなど、およそ300人が集まって声援を送り、杉野選手が技を決めるたびに大きな歓声が上がっていました。
杉野選手を指導した体操クラブの宮本真二コーチは「指導していたときは今の姿は想像できませんでしたが、それだけ杉野選手が頑張ったのだと思います。クラブにとって誇りであり、目標となる選手です」と話していました。
==【経過】男子団体 決勝==
00:30ごろ
体操 男子団体決勝が始まる 1種目目は「ゆか」
2大会ぶりの金メダル奪還を目指す体操、男子団体の決勝が日本時間の30日、午前0時半ごろからパリのベルシー・アリーナで始まりました。
日本最初の種目は「ゆか」です。
萱和磨選手、橋本大輝選手、岡慎之助選手で臨みます。
日本はゆか、あん馬、つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒の順番で演技に臨みます。
1種目目「ゆか」を終え日本は2位 3人とも14点台
日本は最初の種目のゆかに臨み、萱和磨選手、橋本大輝選手、岡慎之助選手の3人が演技しました。3人に大きなミスはなく全員が14点台をマークして、ゆかの合計点は43.266でした。
日本は最初の種目のゆかの演技を終えて43.266と、トップのイギリスに0.066の差で2位につけています。ライバルの中国は42.532で、6位につけています。
日本 2種目目は「あん馬」橋本が落下
日本は2つ目の種目「あん馬」には、橋本大輝選手、萱和磨選手、杉野正尭選手で臨みました。
橋本選手は演技の途中で落下するミスがあり13.100と得点は伸びませんでした。2種目を終えた時点の日本の合計得点は85.598となっています。
日本2種目目の「あん馬」終え 3位に
日本は2種目目のあん馬の演技を終え、トップのアメリカに1.166の差で、3位につけました。ライバルの中国は86.098で、2位となっています。
日本3種目目は「つり輪」大きなミスなく
日本の3種目目は「つり輪」です。萱和磨選手と谷川航選手、それに岡慎之助選手の3人が演技しました。3人に大きなミスはなく、全員が14点台をマークしました。3種目を終えた時点の日本の合計得点は128.231となっています。
日本 前半の3種目終え5位に ライバル中国との点差開く
日本は3種目目のつり輪の演技を終え、128.231と、5位となっています。トップは「つり輪」を得意とする中国で、日本との得点差は3.133に開きました。2位はアメリカで130.163となっています。
日本 4種目目は「跳馬」 谷川の得点が伸びず
日本は4種目目「跳馬」に橋本大輝選手、谷川航選手、杉野正尭選手の3人が演技を行いました。跳馬を得意としている谷川選手は世界最高難度の大技「リ・セグァン2」に挑みましたが認定されず、13.833と得点が伸びませんでした。4種目を終えた時点の日本の合計得点は171.664となっています。
4種目終え日本は4位 1位の中国と1.799差
▽1.中国 173.463
▽2.ウクライナ 173.030
▽3.アメリカ 172.528
▽4.日本 171.664
▽5.イギリス 171.328
▽6.カナダ 167.596
▽7.スイス 166.395
▽8.イタリア 165.829
日本 5種目目「平行棒」3人とも安定の演技
日本は5種目目「平行棒」に、萱和磨選手と谷川航選手、岡慎之助選手の3人が演技しました。全員が安定した演技で14点台後半をマークして、5種目を終えた時点の日本の合計得点は216.029となっています。
日本は5種目目の平行棒の演技を終え、順位を上げて2位につけています。トップは中国で平行棒で16.000の高得点をマークするなどして、日本との差は3.267に広がりました。
3位はアメリカで215.327となっています。
日本 最終6種目目「鉄棒」で安定した演技
日本、最後の6種目目「鉄棒」に橋本大輝選手、杉野正尭選手、岡慎之助選手の3人で臨んでいます。
▽杉野選手が14.566
▽岡選手が14.433
▽橋本選手が14.566
と全員が安定した演技をみせました。
6種目すべての演技を終えた時点の日本の合計得点は259.594となりました。
一方の中国は2人目の選手が2回落下し、この選手の得点は11.600にとどまり、得点は伸びませんでした。
注目
日本 逆転で金メダル 2大会ぶり
日本は最後の種目の鉄棒の演技を終え、合計得点を259.594として、団体の金メダル奪還を果たしました。
▽銀メダルは中国
▽銅メダルはアメリカでした。
【NHKニュース】パリオリンピック2024
◇男子団体 レギュレーション
ゆか、あん馬、つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒の6種目
団体は1チーム5人のうち種目ごとに3人が演技し、3人の得点の合計で競うため、ミスが許されません。
【採点】
▽技の難しさを加点式にした「Dスコア」と
▽技の出来栄えや美しさを10点満点から減点する「Eスコア」を合計したうえで、ラインオーバーや落下などを減点する方式で行われる。
日本の種目順 “ライバル中国と同じ”
1.ゆか → 2.あん馬 → 3.つり輪 → 4.跳馬 → 5.平行棒 → 6.鉄棒
《見どころ》
団体の代表メンバーは5人。
▽エースの22歳、橋本大輝選手
▽2大会連続出場の萱和磨選手と谷川航選手
▽初出場の20歳、岡慎之助選手と杉野正尭選手
27日に行われた男子予選では橋本選手の不調が目立ちました。
橋本選手は3種目目の鉄棒、最後の着地で大きく前に手をつくミスが出て得点を伸ばせず、種目別鉄棒の決勝進出を逃すなど苦しい展開となります。
それでも、岡選手がすべての種目で安定した演技を見せたほか、萱選手と杉野選手が持ち味を発揮して、日本は6種目の合計で260.594の得点でトップの中国に次いで予選2位で決勝進出を決めました。
【予選の詳しい結果はこちら】
【全選手紹介】体操 男子日本代表
◇最大のライバルは中国 日本勝利のシナリオは
日本の最大のライバルとなるのが中国です。パリ大会はウクライナ侵攻の影響でロシア勢が出場せず、日本の最大のライバルとなる強豪・中国と僅差の争いとなることが予想されます。
対中国戦略を練ってきた水鳥寿思 男子強化本部長は、エースの張博恒選手を中心に中国が得意のつり輪だけで日本に2点以上の差をつけるとみています。中国に勝つために大きな鍵となるのが、前半種目のゆかとあん馬で、どれだけ点差を広げられるか。
そのあん馬で大きな期待がかかるのが、25歳の杉野選手です。杉野選手は、最高難度のH難度の大技「Hコンバイン」など、難度の高い演技構成をこなし、15点以上の得点を上積みできる可能性があります。
そして、日本が得意とする最後の鉄棒で逆転するのが、日本が描くシナリオです。G難度の「カッシーナ」やF難度の「リューキン」など大技を高い完成度でこなす橋本選手に加え、日本選手がほとんど取り組んでいない大技「ペガン」を得意とする杉野選手の2人は、高い得点が見込まれます。
東京大会はわずか0.103差で銀メダルとなり「この悔しさは忘れたことがない」と口をそろえて話す当時の代表メンバー。初出場の2人を加えた5人のメンバーで臨む団体決勝で日本の底力が試されます。
*https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240730/k10014529091000.html#anchor-12 より