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<伝統野菜> 青森 糖塚きゅうり

2021-05-05 07:11:40 | 伝統野菜

 「糖塚きゅうり」

 【生産地】八戸市、新郷村、七戸町などの県南地方

 【形状】きゅうり。ずんぐりとし、短くて太く、半白に近い黄緑色の果皮に黒いイボがあるシベリア系在来きゅうり。

 【食味】肉厚でやや苦味がある。果肉がかたく、メロンのような香りがある。皮をむいて味噌をつけて生食するほか、酢の物、味噌漬けなどで食べられている。

 【来歴】糠塚きゅうりの来歴は明らかでない。シベリア系のキュウリで藩政時代に、現在の青森県八戸市糠塚地域にもち込まれて栽培されたのが始まりとの説がある。地元でも「幻のきゅうり」といわれ、自家用や朝市のために栽培されている程度。

 【収穫時期】収穫7~8月 地元だけで流通

*https://tradveggie.or.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BC%9D%E7%B5%B1%E9%87%8E%E8%8F%9C%EF%BC%8D%E9%9D%92%E6%A3%AE/#i-15 より

 

 糠塚きゅうりとは
 糠塚きゅうりは、八戸市糠塚地区で江戸時代から作られている伝統野菜です。太さは、大きいもので一般的なきゅうりの3倍に当たる直径7cm、重さは約500グラムにもなります。皮はやや固く、表面色は白っぽく脱色した素朴な色合いで、伝統野菜ならではの風格があります。1株あたりの収穫量は、一般的に流通している白いぼ系きゅうりが100本であるのに対して10本程度と少なく、6月下旬から収穫がはじまり7月に最盛期を迎え、8月中旬頃まで収穫されることから、八戸市の夏の風物詩となっています。昔懐かしいパリパリした食感や、ほのかな苦みが一般的なきゅうりとの違いです。

 歴史と現状
 糠塚きゅうりは、藩政時代に参勤交代の途中で種子を持ち帰り、当時野菜の供給を担っていた糠塚村(八戸市糠塚地区)に植えたことが始まりと言われています。
 昭和30年代頃まで、八戸市できゅうりといえば糠塚きゅうりを指すほど身近な野菜で、中心市街地に近い糠塚地区を中心に栽培されていましたが、料理に使いやすい白いぼ系きゅうりの登場や、収穫翌日には薄緑色の皮が黄変し、見栄えが悪くなるといった理由から販売業者が敬遠し、生産者が減少したとのことです。また、ほかの品種のきゅうりの近くに植えると自然交配してしまうことから、種子そのものが無くなりかけていました。
 そこで、八戸の伝統野菜「糠塚きゅうり」の純粋な種子の継承と生産技術の伝承を図るため、平成26年2月に市内の生産者による「八戸伝統野菜糠塚きゅうり生産伝承会」が設立されました。
 生産伝承会が立ち上げられてからは徐々に生産量が増え、旬の時期には、八戸市内の小売店等でも販売されるようになりました。

 
 伝承に向けた取組
 「八戸伝統野菜糠塚きゅうり生産伝承会」には、現在9人の生産者が参加しています。事務局である八戸市農林水産部農業経営振興センターの石丸隆典所長にお話を伺いました。
 石丸所長によると「生産伝承会で使用している種子は、糠塚地区で唯一生産を継続している金濵一美氏のものです。金濵氏の畑の近くに朝市があり、収穫後すぐ販売できる環境にあったこと、周辺が宅地で、種が別な品種と交雑されなかったこと、主に自家消費用としていたので収益を考えずに栽培が継続されたことにより、100年近く種が守られていました。これからは糠塚きゅうりを通じて、地域の食文化を受け継いでいこうと思っています。種を受け継いでいくために、まずは需要を増やしていくことが必要です。需要が増えれば、生産の担い手も増えます。そのため、糠塚きゅうりの存在を知ってもらい、需要拡大に繋がるよう、情報発信に取り組んでいきます。」とのことです。
 今後は、飲食店による糠塚きゅうりを使用したメニュー開発や、子ども向けの料理教室など、需要拡大に向けた取組を広げていくとのことです。

*https://www.umai-aomori.jp/season-report/seasonal/cucumber_201708.html より


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