「とろろ汁」
主な伝承地域 中部地域(静岡市)
主な使用食材 自然薯(じねんじょ)
歴史・由来・関連行事
「とろろ汁」は自然薯をすりおろし、だし汁と味噌で割ったもので、麦飯にかけて食べる料理。自然薯は「やまのいも」ともいわれ、長さ1.5メートル、直径3センチほどの大きさ。本州、四国、九州の山野に自生するが、栽培をしているところもある。静岡県内の野生の自然薯は、主に中部地域が産地だが、西部地域、東部地域でも収穫される。
「とろろ汁」の歴史は古く、東海道五十三次の20番目の宿場町であった丸子(まりこ。現在の静岡市駿河区丸子地区)の名物で、スタミナがつく料理として旅人に人気があったとされる。十返舎一九の小説『東海道中膝栗毛』や歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」、松尾芭蕉の俳句「梅若菜 丸子の宿の とろろ汁」にも登場している。
食習の機会や時季
自然薯の収穫時期が10月中旬から12月なので、秋から冬にかけてよく食される。正月2日に食べ、1年間の健康を祈る地域もある。
飲食方法
自然薯をおろし金ですりおろし、すり鉢でよくする。そこに、だし汁と味噌、醤油を合わせたものを少しずつ加えて、さらによくすって、のばす。できあがったら、ご飯にかけて海苔をちらして食す。地域によって、自然薯をすりおろし、すり鉢でするときに卵を加えたり、だし汁を加えるときに味噌と醤油を合わせるのではなく、醤油のみと合わせたりするところもある。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
家庭料理として作られ、継承されているほか、飲食店でも提供されている。自然薯は、静岡市内の直売所やネットでも販売されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/36_4_shizuoka.html より
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます