「十日市場・夏狩湧水群」
都留市には富士山からの伏流水がコンコンと湧いています。
このページをご覧になった方に、都留で「富士の湧き水が出でる」場所をそっと教えちゃいます。
平成の名水百選とは?
環境省が選定した「平成の名水百選」に、十日市場・夏狩地区の湧水群が選ばれました。
「平成の名水百選」は、環境問題が主要議題の一つとして開催された「北海道洞爺湖サミット」にちなみ、水環境保全の一層の推進を図ることを目的に、昭和60年に選定した「名水百選」に加え、新たな名水「平成の百選」を選定するものです。
十日市場・夏狩湧水群
「平成の百選」に選ばれた十日市場・夏狩湧水群には、富士山の湧水地が10ヶ所以上あり、水温は年間を通して約12℃に保たれ、水量も豊富なことから、上水道や水掛菜、ワサビの栽培に利用されています。
上水道については、都留文科大学をはじめ、田原地区、上谷地区、下谷地区、四日市場地区、古川渡地区に至るまで広域な区域においしい水を給水し、高い評価を得ています。
「平成の名水百選」の選定にあたっては、この親水性もさることながら、都留市全体で実施されている「定式」と呼ばれる寛永13年の谷村大堰完成以降続く用水路等の保全活動や各地区・自治会・市民団体による様々な保全活動が高く評価されました。
十日市場・夏狩湧水群の詳細
水温 12℃前後
BOD 1リットルあたり0.5ミリグラム 未満
取水量平均 1日あたり約8,000トン(上水道に利用している量)
バナジウム 1リットルあたり34マイクログラム
硬度 1リットルあたり57.5ミリグラム (軟水)
性質 弱アルカリ性
(注意1)BODとはバクテリアが、水中の有機物を酸化分解するのに必要な酸素量。BODの値が大きいほど有機物による水質汚染が著しいことを示しています。
(注意2)バナジウムは血糖値を下げ、糖尿病に効果があるといわれています。
湧水のポイント教えます!!!
永寿院
延暦19年(800年)に開創されたと言われている永寿院はその名の由来から既に湧水と縁が深かった!
寺記に「弥陀の霊夢に清泉の湧出るありと按に懇地西隅の岩際より麗水湧出なるに誓願し弥弥の尊体を入仏し水の源なるを以て水源山と云い、永く無量の寿水汲来ん事を祝言し寺号を永寿院と起立す」と記録されています。また、山号は「水源山」であり、境内に湧水があることに縁ります。
(注意)こちらには水汲み場がございますが、滅菌処理されておりませんので、飲料用として推奨いたしかねます。召し上がる際は、ご自身の責任でお願いします。
太郎・次郎滝
夏狩地区にある柄杓流川の崖にある滝です。この滝の脇からは断崖を滴り湧水が流れ出ています。壮大な風景は圧巻です!
名前の由来は定かではありませんが、都留市老人クラブ連合会編「都留の民話」の抜粋を紹介します。
昔全国を荒らした侠客の一味に、困る者を助けた太郎・次郎という凶状もちの兄弟があった。ある夜捕方に追われて上夏狩に逃げ込み、ある旧家に救いを求めた、家内の人々は驚きあわて唯うろうろするばかり、その内捕方が踏み込んで来たので太郎・次郎は奥の間から雨戸を蹴破って外に出たが、捕方の追撃は急であった、土地不安の太郎・次郎は逃げ場を失いこの滝の瀬に乗って滝壷に落ちてしまった。と云われています。
長慶寺
十日市場・夏狩湧水群エリアにある長慶寺。
長慶寺の境内のすぐ向かいに、湧水の池があります。湧水の池を左に見ながら進むと、左手に東屋があり、その脇からも富士山の湧水が湧き出ています。
毎年5月下旬から7月下旬にかけて、 これらの湧水池いっぱいにバイカモの花咲き乱れます。バイカモは、キンポウゲ科の水生多年草で、清流でしかそだちません。水面に咲く小さな白い花が梅の花に似ていることから、梅花藻(バイカモ)と呼ばれています。
湧水で作るワサビ・水掛菜
富士山山頂から直線で約30キロメートル。富士の山肌に注いだ雨や雪が火山灰や礫をフィルターにして、長い時間をかけて地下の水脈にたどり着く。地下にねむるいく筋もの水脈の一部が十日市場や夏狩地区が出口となって湧き出る。
十日市場・夏狩地区の湧水地は、富士山が噴火した際に流れ出た溶岩地帯の切れ間になっていて、その溶岩の隙間から絶え間なく、枯れる事なく富士の水が湧き出ています。
豊富な富士山の湧き水を利用して、両地区では、わさび栽培、川魚の養殖、水掛菜の栽培が行われています。
*https://www.city.tsuru.yamanashi.jp/soshiki/sangyo/shoko_t/2/1385.html より
水質・水量
年間を通して水温が12℃前後。
1日の湧水量:7,000トン。
由来・歴史
湧水群の一つ永寿院の山号である水源山は、境内に湧水があることにより命名されている。
湧水の南側には富士山から流出した溶岩台地上及びその末端に立地する山梨原遺跡(夏狩地区)が広がる。
水質保全活動
各地区・自治会により実施されている「定式」と呼ばれる用水路等の保全活動は、寛永13年の谷村大堰完成以降、毎年4月初旬、各村々で用水路の改修や川底さらい及び湧水源周辺整備を一斉に行った都留市特有の行事として現在も受け継がれており、毎年9000人規模の市民総参加の行事となっている。
周辺の自然環境-多数の湧出地点を持ち、極めて豊富な水量と良質な水質を誇る湧水群。生活水、農業、水掛菜の栽培や鱒などの養殖に利用されている。「定式」と称され、約300年の歴史を持つ住民総出の保全活動を実施している。
利用状況-ミネラルウォーターへの利用のほか、ヤマメや鱒等の養殖も盛ん。また都留市の特産品である水掛菜の栽培は一定の水温である本湧水が欠かせない。年の暮れには正月料理に欠かせない水掛菜を採りにくる人でごったがえし、夏には飲み物や野菜を冷やす昔懐かしい光景も見られ、この地の夏・冬の風物詩である。
*https://water-pub.env.go.jp/water-pub/mizu-site/newmeisui/data/index.asp?info=41 より
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