
公開時、興味はあったものの、約 4時間 と聞きパスしてしまった…
それがDVD化され、早速。
見始めて思ったこと。
「これは映画館で観る映画だな…」
というのは、最初からかなりの集中を求めてくるから。
登場人物が何人も登場し、その関係性もわからないままそれぞれの状況が進行する。
このわからなさ感は1時間20分くらいで解消するのだけれども、それまでは不安定な気分が続く。
というのは、ほぼモノクロに近いトーンで登場人物全てに笑顔ゼロ、悲壮な顔 only …
中国の地方都市、暗い生活を送る人々の苦闘を描き続ける。
一方で徐々に、セリフの間合いとか、がクセに成り始める。
ほぼモノクロに近いトーンも変化し、少しずつ色がつき始める。
そして終わってしまえばラストに至るストーリーテリングと余韻に浸り、スッカリ満足。
上映時間に関し「この映画は4時間あってこその作品だ」に変貌していた(笑)
恐ろしく才能が発揮された映画だという結論になる!
ところが、今作の監督フー・ボー氏29才は完成直後に自殺しているとのこと…
4時間を短くする再編集を求められたという話が主流だが、 それとも?!
彼の死の数ヶ月後、ワールドプレミアをベルリン国際映画祭で迎え、以下を受賞。
・フォーラム部門で国際批評家連盟賞
・長編初監督作品賞スペシャルメンション
結論:監督の傑出した才能を堪能できるデビュー作でもあり、遺作でもあるという、絶句...な一作。