当ブログにとって、バンクシーは絶賛する存在ではないが気になる存在。
横浜で先日終了した展示会は初日に駆けつけ、13回シリーズで取り上げた。
バンクシー展(天才か反逆者か)2020 ~詳細編~(1)会場内、入場口
で、新しく日本版が出た、この本。
バンクシー について語る、464ページ(汗)
読み始めると、面白い事実が次々と発覚?!
・バンクシーは初期、ロビン・バンクスと名乗っていたこともある。
それが縮まってバンクシーになったわけ!
・バンクシーは実は極貧のエリアに住んでいたわけではなく、高級住宅地の生まれ。
彼は描くために、そのエリアに通っていた。
・ステンシルを使うようになってはじめて、彼のスタイルができた(フリーハンドは下手だった)
という具合で、著者の ウィル・エルスワース=ジョーンズ はバンクシー絶賛のスタンスではない。
当ブログ的に最も面白かったエピソードは、
・初期の伝説のアーティスト ロボ との対立。
バンクシー本人はレスペクトしている、と否定しているが。
その後もバンクシーのアーティストとしての成長とともに周囲で発生する事柄をドキュメント。
・バンクシーのブリストルでの活動をまとめた本が実在する。
その後ロンドン他にも本は次々と発展し、彼の活動の軌跡を追うことが可能。
・チーム・バンクシーはどんなチームか
本人の意向が強いだけでなく、各プロジェクトの難易度が極めて高く厳しい運営、を理解(汗)
・ブーム化 → セレブ化 → フェイクとの闘い → 「ペスト・コントロール」に至る
そして最終章の直前。
当ブログ的に最も知りたかった内容が何と1章立てで!
それは、MGW(ミスター・ブレイン・ウォッシュ)=Thierry Guetta
この映画、始まって早々にいきなり主人公が、バンクシー → Thierry Guetta にトスされる(汗)
変なフランス出身のおしゃべり男がアーティストに変貌していくのだが、実に怪しい。
その結果、この映画はドキュメンタリーではなく、実は虚構では?!に惑わされる。
その動揺を本では克明に拾っている!
まあストリート・アートは元々ゲリラなのだから、仕方ないかも(笑)
結論:タイトルにあるような「正体」というほどではないが、バンクシー理解が深まる一冊。