創業明治9年から鮎懸鉤(アユカケバリ)を製造して、今年で138年になります
その間、日本を取り巻く環境は大きく変化してきました
大昔のハリの型には、人の名前が刻まれています
川漁師の希望に合ったハリを、造っていたのでしょう
その種類と数量は、尋常の数ではありません
それらの型の対象とするのは、鮎です
一つの魚種に対するハリの型の多さは、どの魚種にも負けない
こだわりの釣りと言われる所以です
鮎釣りに嵌ると、中々抜けられない
鮎釣り中毒に、皆さん掛かってしまうのでしょう
鮎バリ製造の長い歴史の中で、機械化が進み
ハリも連続して綺麗にできるようになりました
『鮎バリができるのなら、どのハリでも簡単にできる!』
と、言われたことがあります
確かに、軸が細い割にはふところが広い
型も色々の謂れがあって、地域と河川によって異なる
鮎釣りを理解していないと、その型の意味すら判らないと思う
ただ、一河川、二河川の釣行では、鮎釣りをしていても判らない
鮎釣り名人が、講演でハリの型の事を色々と言っているが、的を得た話をされる方は極少数
「鮎バリの命は、何と言っても焼きだ!」と言われる
細軸で、ハリ先が鮎の皮膚に食い込んで少ししなる
しなった反動で、ハリ先が戻って皮膚に食い込む
その後、鮎が逃げようとした反動で、ハリ先が身を貫く
そのしなりを生み出すのが焼き入れなのだ
ただ硬くするだけでなく、粘りも備わっていなければならない
マルト138年の歴史には、その秘めたる手法が伝えられている
現在、多くのハリ屋さんは、ハイカーボン鋼材の材料でハリを造っている
電気炉で熱して、焼入油に投入し、次に焼戻しを熱した油に入れ戻す(焼き戻し・テンパー)
『ハリを電気炉で熱して』と簡単に書いたが、その温度域を保って空気(酸素)に触れない状態で焼入油に入れる
なぜ空気に触れない状態が必要かと言えば、酸素と結合してハイカーボン鋼が脱炭するからだ
それも全体の表面が脱炭するので、その部分が柔らかくなる
ハリ先の先もハリの表面だから、ハリ先が柔らかいハリ・・ハリ先がすぐにダメになるハリとなる訳だ
窒素ガスを使った雰囲気炉だと、その心配は解消?される
今度は、ハリを炉の中に運ぶ方法が問題となってくる
当初は、メッシュベルトで連続して運ぶ方法だった
しかし、ステンレスメッシュを使っても焼き入れ温度が高温なので、ベルトの損傷が頻発に起こった
解消方法として、シェーカー炉が考え出された
これは、テーブルの上にハリを乗せ、テーブルの横を叩くとハリが移動することを利用したものだ
つづく・・・
その間、日本を取り巻く環境は大きく変化してきました
大昔のハリの型には、人の名前が刻まれています
川漁師の希望に合ったハリを、造っていたのでしょう
その種類と数量は、尋常の数ではありません
それらの型の対象とするのは、鮎です
一つの魚種に対するハリの型の多さは、どの魚種にも負けない
こだわりの釣りと言われる所以です
鮎釣りに嵌ると、中々抜けられない
鮎釣り中毒に、皆さん掛かってしまうのでしょう
鮎バリ製造の長い歴史の中で、機械化が進み
ハリも連続して綺麗にできるようになりました
『鮎バリができるのなら、どのハリでも簡単にできる!』
と、言われたことがあります
確かに、軸が細い割にはふところが広い
型も色々の謂れがあって、地域と河川によって異なる
鮎釣りを理解していないと、その型の意味すら判らないと思う
ただ、一河川、二河川の釣行では、鮎釣りをしていても判らない
鮎釣り名人が、講演でハリの型の事を色々と言っているが、的を得た話をされる方は極少数
「鮎バリの命は、何と言っても焼きだ!」と言われる
細軸で、ハリ先が鮎の皮膚に食い込んで少ししなる
しなった反動で、ハリ先が戻って皮膚に食い込む
その後、鮎が逃げようとした反動で、ハリ先が身を貫く
そのしなりを生み出すのが焼き入れなのだ
ただ硬くするだけでなく、粘りも備わっていなければならない
マルト138年の歴史には、その秘めたる手法が伝えられている
現在、多くのハリ屋さんは、ハイカーボン鋼材の材料でハリを造っている
電気炉で熱して、焼入油に投入し、次に焼戻しを熱した油に入れ戻す(焼き戻し・テンパー)
『ハリを電気炉で熱して』と簡単に書いたが、その温度域を保って空気(酸素)に触れない状態で焼入油に入れる
なぜ空気に触れない状態が必要かと言えば、酸素と結合してハイカーボン鋼が脱炭するからだ
それも全体の表面が脱炭するので、その部分が柔らかくなる
ハリ先の先もハリの表面だから、ハリ先が柔らかいハリ・・ハリ先がすぐにダメになるハリとなる訳だ
窒素ガスを使った雰囲気炉だと、その心配は解消?される
今度は、ハリを炉の中に運ぶ方法が問題となってくる
当初は、メッシュベルトで連続して運ぶ方法だった
しかし、ステンレスメッシュを使っても焼き入れ温度が高温なので、ベルトの損傷が頻発に起こった
解消方法として、シェーカー炉が考え出された
これは、テーブルの上にハリを乗せ、テーブルの横を叩くとハリが移動することを利用したものだ
つづく・・・
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