今日はテレビでも新聞でも、プロ野球の「飛ぶボール」に関するニュースが大きく報道されていました。詳細はここでは述べませんが、選手やファンをバカにした関係者の所業には、あきれるばかりです。批判され、あきれられ、ちょっと頭を冷やしてほしいですね。
…と同時に、「今の世の中では、説明責任を果たさなかったり、関係者からの意見聴取をせずに物事を決定したりすることは、組織として大きな批判の対象になり、場合によっては命取りになる」ということを再確認させられます。ボクらの組織も気をつけなくてはと自戒しております。
さてJリーグでも、「来季のJ1を2ステージ制で行う」という案がJリーグ戦略会議で提案され、議論されているのは皆さんも知っているとおりです。野球と違って議論されているだけまだましなのかもしれませんが、どうも説明責任という点では解せませんよね。
古い話になって恐縮ですが、一週間前の6月8日の新潟日報朝刊に掲載されていた、アルビレックスの田村社長のインタビュー記事で、田村社長は「2ステージ制反対」の立場を明確にしておりました。それが冒頭の画像です。田村社長の発言内容の一部をピックアップしますね。
○賛成するだけのメリットを感じない。
○スポーツの公平性が担保できない。
○スポンサーが本当につくのかという疑問もある。
○チーム作りが2回あると、若手が延びるチャンスが失われる危惧がある。
○開幕が早まることにより、2月に始まり12月に終わることになる。降雪地のチームは、開幕から3連続アウェイということにもなり、公平性を欠く。
○(現状として)開幕は3月の第一週開幕がぎりぎり。
○秋春制もそうだが、気温が低くなると観客数は減り、運営的に難しくなる。
○集客数は増えるか疑問。お客さんを増やすための努力は大事だが、冬場の試合数を増やすことが、サポーター目線なのかどうか。
○仮に第1ステージで低迷したり、降格圏だったチームが、お金を使って補強し、第2ステージで優勝したとすれば、年間の勝ち点が低くても優勝することがある。
○降格決定は、より公平なルールを決めないと難しい。プレーオフをするにしても、日程的な問題もある。年間の勝ち点が低いチームを降格させるのなら、2ステージにする必要はない。
◎何らかの不都合があったから2004年でやめた2ステージ制の総括がまだされていない。
◎デメリットを打ち消すだけのメリットが出てこないのなら、反対する。
◎世論調査というが、多くのサポーターが望む意見を、吸い上げる時間をもらいたい。
◎サポーターに説明できないことが多すぎる。ころころルールが変わってはいけない。
まぁ、こんな感じです。田村社長、なかなか毅然とした態度でもの申しており、今回はボクとしては好感を持っています。
ボクも田村社長が言うように、「戦略会議の皆さんは、2ステージ制に戻す論理的な説明をする必要がある」と思います。ボク自身は、2ステージ制にする意味は全く理解できないし、もちろん反対意見であります。
時を前後して、サッカー専門新聞「エルゴラ」でも、この2ステージ制への移行について特集記事を組んでいました。こちらは、インターネットでの緊急アンケート(回答数3561)の結果も紹介していました。もちろん、データとなったアンケートの回答者は無作為抽出ではありませんので、この結果を持って「サポーターの総意」と判断するわけにはもちろんいきませんけどね。

で、「2ステージ制に賛成ですか?反対ですか?」の質問に対する回答ですが、以下の通りでありました。
◎賛成:1.7%(59人)
◎反対:96.4%(3434人)
◎どちらでもない:1.9%(68人)
まぁさっきも書いたように、このアンケートの回答者は無作為抽出ではないので、標本調査としてはデータの集め方には問題があります。統計学的には意味のない数字と判断されてもしょうがないでしょうね。ある意図を持った人たちが相談や打ち合わせをして、組織的にアンケートに参加した可能性もゼロではありませんからね。ボク自身もこんな調査が行われていたことは、知りませんでしたし、参加もしていませんしね。
でも、そういった可能性を差し引いて、参考レベル程度に結果を見たとしても、やっぱり「2ステージ制への移行は支持しない」というのが世論だとボクは思います。ここまで圧倒的な数字の違いを見せつけられることになるとはね。
ちなみに、アンケートに記載された反対の理由の上位を以下にまとめます。
○年間の勝ち点数1位のチームが優勝できない可能性など、不公平感がある。
○本当に観客数の増加につながるのか根拠が不明。
○世界基準でない。(欧州はほとんど1ステージ制)
○ホーム&アウェイという概念がなくなる。
○そもそも十分な議論がなされていない。
○残留、ACL争いが複雑になる。
○2月開幕による、積雪など気候対策への懸念。
○秋春制への移行をしやすくしているように感じる。
○2月開幕による、オフシーズンの短縮化。
ボクとしては、「Jリーグがプロ野球機構と同じような轍を踏んで、サポーターからの信頼をなくす」という結果にならないことを、切に願っております。
そのためにも、田村社長!頑張ってくださいよ!