チャオ パッキーです。
ヒッポの活動のなかに、言葉と人間を自然科学する部門があります。
トランスナショナルカレッジオブレックス といいますが、略して トラカレ その中で今年で六年目になりますが、
いろんな分野の先生が話しをする講座があります。先日その一こまに参加しました。
12コマもあるのに私が参加できるのは東京女子医大の神経内科学の 「岩田 誠先生」 のコマだけです。なので、スルメのように噛み砕き、みんなにも味わってもらおうと聞いていましたが、、、難しい。
ということで、文章化しました。しかも私のフィルターを通しての報告なのと、途中意識障害?に陥ってメントス注入というアクシデントもありまして(汗) ロシエント
さて、この日の岩田先生の話しの多くは、脳出血などでどの部分に損傷を受けたら、
どんな言語状態になるかという症例の話しでした。
赤ちゃんを見ていると、その成長のプロセスはバランスよく、話して、聞いて、
読めて、書くという流れになりますが、脳出血、脳梗塞などにより、ダメージを
受けるとその、部位によって表現が不自由になるとのこと。たとえば・・・・・
話せず読み書きができない
話せるけど読み書きできない
読めるけど書けない
書けるけど読めない
なぞれるけど、一人では書けない
かなは読めるけど、漢字は読めない(かなと漢字では処理する場所がちがうらしい!)
などなど、実に一人一人症例は多岐に渡り、その人の脳のダメージ部分を見てみると
逆に脳のどの部分で、それらを処理しているかが、わかると言う話しでした。
こうして見てみると、文字を読み、書きするというのは脳の一ケ所ではなくて実に
いろいろな部分に守備範囲が別けられているということがわかります。
「読む」一つをとっても、視覚を聴覚に変えることをするらしく、脳が働いた場所は血流が増えるので、どこを使ったかがわかるそうです。
先生によるとこれから、研究したいのはいろいろな国のことばも同じような脳の活動があるのか、また書字活動として、最近では文字を書くより携帯の入力なども多くいので
その場合どの部位が使われているのかも、研究してみたいとのこと。
先生のスタンスはどんな障害があろうとも「今が100%」と考え、これからどんなリハビリができるか、脳は損傷を受けてもそこ自体は回復しないが、脳には可塑性(補ってリカバーしようとする力)があるとのこと。
そういえば赤ちゃんも、今が100%で、不自由はせず、自分を表現してますよね。
午前の部の講座では生命科学の中村桂子先生が
「人間しか持たないものに、分かち合う心と想像する力」と話していたそうです。
まさに、ヒッポで実践していることかなと通じるものを感じました。
中村先生の講座では、アメリカで37歳で脳出血でかなりの部分にダメージを受けた女性が、
母親の「この子は赤ちゃんに戻ったのね」と考えて7年間根気よくリハビリをしていたら
奇跡的に回復し、今出来ないことは微積分(母親は数学者)だけとのこと。
科学的な症例や過去のデータもたくさんあるかもしれませんが、やはり人間、「愛」の力は強いのかなと感じた講座でした。
そして最後に質問コーナーがあったのですが、こちらのほうが意外にオモシロクテ。
質問:学生時代の勉強で、先生が余談やエピソードをいれてから説明した話しは良く覚えているのはなぜか?
先生:それは感情の記憶といって、単純に覚えるのではなくて、背景や状況、イメージなどを一緒に記憶するのでその方が定着しやすく、それを知っている先生はわざと大事で覚えて欲しいところはエピソードなどを入れるとのこと。
パ:そいうえばヒッポで増えていくことばも人や状況が一緒に入っているな。結構理にかなたことなんだなーー!
質問:認知症についてどんな人がなりやすいか?
先生:今 代々木に皆さんいますが、JRが止まったらどうしますか?歩いて帰る?千代田線で帰る?などなど複数の回路を自分の中に持っている人は認知症になりにくいとのこと。
普段から表現行動を豊にすることが大事。文章表現も大事です。
パ:やっぱり多言語、想像力などヒッポやってるといいのかな!!
というわけで、普段何気なく生きていますが、生命活動の中で、脳が大変重要な役割を果たし、しかもちゃんと自分の持ち場がバランスよく配置されているとのこと。
講座を聞いて益々、人間の奥深さと、人間の構造の素晴らしさを感じたのでした。