今日は本当に思いがけない出来事があった。
次男の自転車が前輪後輪ともペタンとしている。空気を入れてもすぐ抜けてしまう。こりゃパンクかな?
そんな状態なのに修理にいかず、次男は塾に行くのにそのままのっているのだ。まったく。。。
今日は仕事が休みだったのもあり、自転車の修理にいったんだ。
その自転車屋さんはとても親切で感じが良いおじいさんと優しそうな奥さんがひっそりとやっている。もう昔からずっと地域でその店をやっているらしく店は相当古い。それに料金も良心的で、ちょっとネジが緩んでいたり、どこかガタガタしているところがあると頼んでいなくてもサービスでなおしてくれるのである。
だから自転車の修理はこのお店でといつも決めてあるのだ。
「3,40分かかりますねぇ。」とおじいさん。
修理が終わる時間まで近くをうろうろし、修理の終わる頃にまた行ってみた。
するとまだ修理は終わっておらず、おじいさんが戸をあけて「寒いから中で待っていてください」と中に入れてくれた。奥さんがイスをすすめてくれてストーブのにおいのする店で世間話をしながら修理が終わるのをまっていた。
「すみませんねぇ。お時間いただいたのに待ってもらっちゃって。」と真っ黒な手をしたおじいさんが言う。
「そんなのぜんぜんかまわないですよ。」と私。本当にへりくだったいい人だなと思う。
年季の入った店内を眺めるとその壁に思いがけないものを発見したのである!
ダルマの絵である。色紙に墨で描かれておりちゃんと台紙に張ってあるビニール袋に入っているので表面が光って雅号や文字が良く見えなかったがその筆の運び方、線の強さから父の絵に間違いなかった。
お金を払う際、思い切って聞いてみた。
「あの~、あの達磨の絵、どなたかに書いていただいたんですか?」
「?」
「父の書いた絵によく似ていたもので・・・・。」
奥さんがあわてて自転車を外にスタンバイしているおじいさんをよんできた。
「ああ、その絵ね。お客さんが昔下さったものなんですよ。確かOOに住んでいる人で・・・。」
「OO!じゃあ私の父です!確か作品の横に雅号があるはずなんですが。」
「俺らにはちょっと読めないんでねぇ・・・」
前に身を乗り出してみるのだが、小さいサイズの色紙でビニールのテカリでよくみえない。私の目も悪いからな。でもかすかに父の雅号である「翠鵬」の草書体の文字が!
やっぱりそうだ。
おじいさんが事のいきさつを話してくれた。
多分私のマンションに来る途中だったのだろう。自転車の調子がおかしくなったらしく近くにあったこの自転車屋に立ち寄って修理を頼んだのだと言う。そしてよくしてくださったと後日ちゃんとお礼にと台紙をつけた達磨大師の絵を渡してくれたのだと言う。父が9年前に亡くなったことを話すとおじいさんは残念そうな顔をした。
なんとなくその様子が想像できてうれしかった。いかにも父らしい。
雅号から多分ずいぶん前物だ。そんなに前のものなのに汚れるといけないからと自転車屋さんはちゃんとビニールをかけて15年以上も店に飾ってくれたのだ。その自転車屋さんの気持もうれしい。父にとっては芸術家冥利に尽きるというものかな。
「これから母のところに行くんですが、きっと母もよろこんでくれるとおもいます。ありがとうございました。」
「お母さんにもよろしくいってくださいね。」
思いがけない出来事に、父に対する懐かしい思いとこれから母に話したら母はどんな顔をするだろうと私の心はうきうきしていたのだった。
達磨の絵を見てみたい人は過去logでここをポチっと押してね。
次男の自転車が前輪後輪ともペタンとしている。空気を入れてもすぐ抜けてしまう。こりゃパンクかな?
そんな状態なのに修理にいかず、次男は塾に行くのにそのままのっているのだ。まったく。。。
今日は仕事が休みだったのもあり、自転車の修理にいったんだ。
その自転車屋さんはとても親切で感じが良いおじいさんと優しそうな奥さんがひっそりとやっている。もう昔からずっと地域でその店をやっているらしく店は相当古い。それに料金も良心的で、ちょっとネジが緩んでいたり、どこかガタガタしているところがあると頼んでいなくてもサービスでなおしてくれるのである。
だから自転車の修理はこのお店でといつも決めてあるのだ。
「3,40分かかりますねぇ。」とおじいさん。
修理が終わる時間まで近くをうろうろし、修理の終わる頃にまた行ってみた。
するとまだ修理は終わっておらず、おじいさんが戸をあけて「寒いから中で待っていてください」と中に入れてくれた。奥さんがイスをすすめてくれてストーブのにおいのする店で世間話をしながら修理が終わるのをまっていた。
「すみませんねぇ。お時間いただいたのに待ってもらっちゃって。」と真っ黒な手をしたおじいさんが言う。
「そんなのぜんぜんかまわないですよ。」と私。本当にへりくだったいい人だなと思う。
年季の入った店内を眺めるとその壁に思いがけないものを発見したのである!
ダルマの絵である。色紙に墨で描かれておりちゃんと台紙に張ってあるビニール袋に入っているので表面が光って雅号や文字が良く見えなかったがその筆の運び方、線の強さから父の絵に間違いなかった。
お金を払う際、思い切って聞いてみた。
「あの~、あの達磨の絵、どなたかに書いていただいたんですか?」
「?」
「父の書いた絵によく似ていたもので・・・・。」
奥さんがあわてて自転車を外にスタンバイしているおじいさんをよんできた。
「ああ、その絵ね。お客さんが昔下さったものなんですよ。確かOOに住んでいる人で・・・。」
「OO!じゃあ私の父です!確か作品の横に雅号があるはずなんですが。」
「俺らにはちょっと読めないんでねぇ・・・」
前に身を乗り出してみるのだが、小さいサイズの色紙でビニールのテカリでよくみえない。私の目も悪いからな。でもかすかに父の雅号である「翠鵬」の草書体の文字が!
やっぱりそうだ。
おじいさんが事のいきさつを話してくれた。
多分私のマンションに来る途中だったのだろう。自転車の調子がおかしくなったらしく近くにあったこの自転車屋に立ち寄って修理を頼んだのだと言う。そしてよくしてくださったと後日ちゃんとお礼にと台紙をつけた達磨大師の絵を渡してくれたのだと言う。父が9年前に亡くなったことを話すとおじいさんは残念そうな顔をした。
なんとなくその様子が想像できてうれしかった。いかにも父らしい。
雅号から多分ずいぶん前物だ。そんなに前のものなのに汚れるといけないからと自転車屋さんはちゃんとビニールをかけて15年以上も店に飾ってくれたのだ。その自転車屋さんの気持もうれしい。父にとっては芸術家冥利に尽きるというものかな。
「これから母のところに行くんですが、きっと母もよろこんでくれるとおもいます。ありがとうございました。」
「お母さんにもよろしくいってくださいね。」
思いがけない出来事に、父に対する懐かしい思いとこれから母に話したら母はどんな顔をするだろうと私の心はうきうきしていたのだった。
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