徒然なるままに 平和と音楽を求めて

平和憲法のもと日本は戦争しない国として、いろんな国の国民から賞賛されてきた。この日本が戦争する国に変質しようとしている。

室井卯月「この国は変われないの?」

2020-03-23 | 読書

まっとうなものを言う室井卯月さんが週刊誌に毎週連載しているコラムを本にした。
ブログでも書いているが、誰かさんを忖度する評論家が多い中、きちんと発信している。
見出しを見ただけでも面白い。
「誰かさんが怖いから」
「安倍首相の感染力」
「国民よりカジノ」
「国難用、どこにいった?」
「札束で黙らせようとする政治家は「下品度MAX」」

まあ、一読していい本。


シュメル 人類最古の文明 小林登志子著

2019-04-23 | 読書

シュメル 人類最古の文明 小林登志子著

  七日と七晩の間、大洪水が国土で暴れ、

巨大な船が洪水の上を漂った後で、

 ウトゥ神が昇って来て、天と地に光を放った。

 ジウスドゥラは巨大な船の窓を開いた

         (シュメル語版『大洪水伝説』)

メソポタミアの二つの川の中間の都市ニップルで

発見された粘度板に、この大洪水伝説が記載されていた。

物語の4分の1しか残っていないというが、世界最古4000年前のもの。

 紀元前4000年にこの地にシュメル人が活躍し、前3000年期に都市文明が発展。

 この文明の歴史が石や粘土板、印章に残され、王朝の記録もあるという。

楔文字の原形も文字というより、画像のようなものもある。

 イラクの地のこの文明の遺産がアメリカのイラク攻撃とその後の混乱で

かなり破壊され、盗まれているのは残念。

「シュメル 人類最古の文明」 小林登志子著 中公新書

 

ルーブル美術館所蔵 
動物と戦う英雄を描いた円筒印章(左)とその印影。
マリのイシュタル神殿で発見、紀元前2600年頃の初期王朝時代。

 


塩野七海「ギリシア人の物語Ⅰ 民主政のはじまり」

2019-04-21 | 読書

塩野七海「ギリシア人の物語Ⅰ 民主政のはじまり」
 「ローマ人の物語」に続いて、2015年に第1巻が発刊された「ギリシア人の物語」
 最初は「オリンピック」戦争に明け暮れるギリシアの都市国家で4年に1度の休戦。
わずか1か月だが、「古代のギリシア人は、戦争に敗れた国の参加は認めないとか、どこかの国のやり方が気にいらないからボイコットするとか、しなかったのである。と書いている。

 
 


「地図でたどる多摩の街道「地図でたどる多摩の街道」」

2019-04-10 | 読書

「地図でたどる多摩の街道「地図でたどる多摩の街道」
 この本、『多摩ら・び』第56号(2009.6)から78号(2013.2)までの連載が元という。
 道の呼び方は、時代によって変わる。五日市街道がかつて、「伊奈道」と呼ばれた。
良質な石材が採れて石工が集材した村が伊奈といっていた。が、伊奈の先の五日市が有名になると、
五日市街道に名目を変えた。
 街道の話ではないが、小金井市は正方形にすれば、3.4キロ四方、全国の自治体1719市町村のなkで、
狭いほうから数えて、61番目(2013年版)
 北多摩郡には明治の町村制施行以来一度も合併していない市が非常に多い全国でも異例の郡。
小金井より小さい市が、武蔵野、福生、清瀬、羽村、国立、狛江。

 明治22年(1889年)4月1日の町村制で成立した小金井村は、旧小金井村を中心に貫井村、
梶野新田、関野新田、小金井新田、十ヶ新田の5か村と下染屋村、押立村、人見村、本多新田、是政村、
上石原村の6か村の飛地が合併してできた。

 

 


堤未果さんの「日本が売られる」

2019-01-21 | 読書

とんでもないことが、我々の日本で起きている。
堤未果さんが書いた「日本が売られる」幻冬舎新書を読んで、あらためて驚いた。

「水が売られる」だけでも衝撃的なのに、
「土」「タメ」「ミツバチの命」「食の選択肢」「牛乳」「農地」「森」「海」「築地」と続き、
次いで「労働者が売られる」から「日本人の仕事「ブラック企業対策」「ギャンブル」
「学校」「医療」「老後」「個人情報」と日本人の資産と日本の未来が売れていく実態を記している。
「無料の水は終わった」と、世界最大の水企業が世界で水ビジネスを展開している様子が
明らかにされている。
「民間企業のノウハウで安い水を」というウソが暴かれている。
民営化後の水道料金はボリビアが2年で35%、南アが4年で140%、
オーストラリアが4年で200%、フランスは24年で265%、イギリスが25年で300%アップ。

アメリカで水道事業の24%が民営化、アトランタ市では、
水道管から泥水が噴出するなどの苦情続出で、市営に戻したが莫大な費用を企業に支払った。

日本でも一部、世界三大水企業の一つ、仏ヴェオリア者が参入しいる。
だが参入がすすんでいない。

ここで登場するのが、麻生副総理、2013年4月19日、
ワシントンのCSIS(米戦略国際問題研究所)で
「日本経済再生に向けた日本の取組みと将来の課題」というタイトルでスピーチを行い、
その中で、「日本の国営もしくは市営・町営水道は、すべて民営化します」と
発言したことを紹介しています。

 核のゴミが入った土砂(放射性廃棄物の汚染土)の基準を緩めて、公
共事業に使えるように環境基準を環境庁が緩めた後、
仏ヴェアリア社が放射性廃棄物汚染度土のビジネスに乗り出すと発表した。

 などなど、日本の暮らしの根幹にかかわるものが、
超巨大企業に食い物にされる実態を暴いている。

 読むべき本。


「沖縄密約をあばく」を読む

2018-08-16 | 読書

「沖縄密約をあばく 記録 沖縄密約情報公開訴訟」

 1971年に日本とアメリカの政府間で沖縄返還協定が調印され、1972年5月15日に沖縄が本土に復帰した。

 変換をめぐる日米間の交渉で、核兵器をいつでも持ち込めるという密約が存在していたことが後に明らかになった。密約を結んだ当の佐藤栄作首相が「非核三原則」を確立した功績でノーベル平和賞を受賞しいたが、のちの選考委から「最大の失敗だった」と述懐されたという。

 別の密約がある。米軍基地の復元補償費400万ドルを「アメリカが支払うように見せかけて、実は日本が負担する」という密約があった。毎日新聞の西山記者が入手し、社会党の横路議員が国会に提出した電文に関し、西山記者が国家公務員法違反で逮捕された事件で有名になった。

 同じ時期、アメリカではニューヨーク・タイムズ紙がベトナム戦争に関する政府の機密文書を内部協力者の協力ですっぱ抜いたことで、政府が裁判所に掲載中止を求めたが、アメリカの最高裁は、「政府の秘密は、政治の誤りを永続化させる」とメディア側に勝利の判決を出した。

その後、次々と密約文書が明らかになった。400万ドルの密約文書交換の当事者でイニシャルサインをした吉野文六氏は西山事件での法廷に立ったときは「存在しない」と証言したが、「死ぬ前に本当のことを言おう」と北海道新聞に存在を明らかにした。

 密約文書を「存在しない」とする政府に対し、2009年に「沖縄密約の情報公開請求訴訟」を25人の原告団と30人の弁護団によって提起された。

 東京地裁の杉原則彦裁判長がすごかった。「交渉相手のアメリカ側に公文書があるのだから、当然日本側にも、それに対応した文書があるはずとの原告の主張は十分に理解できる。これらの文書がないというのであれば、なぜないのかについて被告は合理的に説明してほしい。また、原告らの主張する密約がないというのであれば、アメリカ側の文書はどういうものと理解すればよいのか、十分に説明してほしい」と国に求めた。一審判決は「密約文書を開示するよう」命じた。

ところが最高裁は....。


「ダムが国を滅ぼす」に同感

2018-08-05 | 読書

愛媛県の大洲市(おおずし)の肱川(ひじかわ)、鹿野川ダムと、さらに上流の支流には野村ダムからの大量放流で、3000世帯以上の家が冠水した災害。

放流が原因というだけでなく、そもそも、これらのダムは必要なかったのではないかという声が出始めている。

「ダムが国を滅ぼす」(扶桑社・著者・京都大学名誉教授・淀川水系流域委員会元委員長の今本博健氏と「週刊SPA!」ダム取材班)を、読んでいたところだった。

ダムは自然の体系を壊してしまうと指摘、二風谷ダム、八ッ場ダムを始め全国のダムを検証しています。


岸恵子と吉永小百合の「歩いて行く二人」

2015-06-05 | 読書

 楽しそうな本を見つけた。フランスに住まいを構える岸さんと日本の第一線で活躍する吉永さんの素敵な二人の対談、興味を持って読んだ。

 こんなことを二人が話している。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夫から受けた影響は数えきれませんが、その一つが社会、ひいては世界に目を向けて、自分の意見を語ることです。でも、世間というものは、ときにせっかちで、的はずれなレッテルを貼りたがる。

以前、元首相の中曽根さんのパリでの演説が素晴らしく日本をアッピールしたと言ったら、岸恵子は中曽根派なのかと言い、アメリカのイラク侵攻を批判したら、今度は共産主義かと言う。そうした暗愚な誤解を承知で、私は今、世界に広がる「核」の恐怖、特に間近な国が持ってしまった核が果たすかもしれない最悪の事態に備えて、議論するのは必要に思えるの。自分が正しいと思うことを表明したいの。小百合ちゃんもそうでしょう?

 吉永

私は、自分が願うことを声に出したいと思っています。憲法のことも、九条があるから、日本という国はほかの国で人を殺さなくてすんでいるわけだし、もし世界中に九条が広がれば、それこそ核兵器だけじゃなくて、戦争がなくなる日がくるかもしれないという望みを持って。

ユートピックな望みだとは思うけれど、それは人類すべての夢ね。日本は人を殺さなくていいけれど大義とか、正義の美名のもとに、地球上の弱者は今日もさまざまなかたちで、殺され続けていると思うと我慢ができない

んです。

・・・・・・・・・・・・・・・

吉永

でも、経済のために原発は不可欠という発想は、私はもうやめたほうがいいと思うんです。電力的には今、原発が全部止まっていても十分にやっていけているので、経済のためといって人間の命が危険にさらされるのは、私は納得がいかないんです。それと、まだ約=ニ万人(二O一四年五月現在)の福島の人が故郷を離れて暮らさざるを得ない状況を考えると、やっぱり日本には原発はふさわしくないって。経済人が知恵を結集して努力すれば、原発抜きでも経済がきちっといくようにできるんじゃないかと思うんです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

吉永

原爆で大きな被害を受けていて、福島のこともあって、一番核廃絶を訴えるベき立場ですよね。日本が率先して「核兵器は全部なくしましょう」と言つたら、どの国も納得すると思うんですけど。アメリカとの同盟でそれを言えないというのは残念ですし、悲しいです。

 


「追跡・沖縄の枯れ葉剤」

2015-03-22 | 読書

翁長知事は、辺野古沖の海底ボーリング調査の中止を沖縄防衛局に指示したと発表した。中谷防衛相は「この期に及んで」と、沖縄県民の心を踏みにじってきた政府の無責任をあらためて表明した。
ちょうど、今、最近の新聞書評欄で紹介された「追跡・沖縄の枯れ葉剤」(ジョン・ミッチェル著・阿部小涼訳)を読んでいる。このなかで、アメリカがそして日本政府が沖縄の人々を人として見ていないことと、そのひどさに怒りを覚える。
「1971年、南風原と具志頭一帯で廃棄された民生用除草剤が深刻な漏出被害をもたらした。民間業者が米軍から払い下げた化学薬品を不法投棄し、ドラム缶から漏れ出た物質が付近の国場川に流れ込んだ。地元の子供たちが腹痛を起こし、3万人の住民への水道供給が停止された。」
ベトナム戦争時、アメリカは沖縄に大量のエージェント・オレンジと呼ばれる枯れ葉剤を持ち込んだ。そして、基地内にも、基地周辺も散布した。漏れ出した。基地の労働者も、米軍兵士も住民もその被害を受けた。ベトナムでは広大な林に、農地が空から散布された。
退役軍人が被害を認めさせるために闘っている。...
アメリカの軍人さえも、人としての扱いをしないアメリカ政府。闘うしか方法はない。

 


「ワタミの初任給はなぜ日銀より高いのか?」というカラクリ

2015-02-01 | 読書

「ワタミの初任給はなぜ日銀より高いのか?」という本の題名にショック。

ワタミ:月収 242,326円。日本銀行:大卒 総合職 205,410円。

両方共それぞれのホームページに記載されている額という。日銀よりワタミが5万円近くも高い。本当という疑問。

 本を開いてすぐ疑問は溶けた。

日銀は残業代を含んでいない額。これに対し、ワタミは残業代込みだ。

ワタミは、 

 基本給19万円(しかも、このうち、3万円は深夜手当)+超過勤務手当5万2326円とい。

とすると、ワタミの基礎賃金は16万円。日銀の24万円より8万も低い。

 時給換算で、ワタミ930円。日銀1347円となる。

 ワタミの初任給表示は、虚偽とは言わないまでも、信用できない表示と言える。

こういうブラック企業をどうやって見分けるか。ブラック企業から正当な賃金をどうやって取り戻すか記載している。

 一読の価値ある書物。

「ワタミの初任給はなぜ日銀より高いのか?」 弁護士 渡辺輝人:著、旬報社 2015年1月13日発行


自然豊かな野川

小金井市東町の南側を流れる野川。 国分寺崖線のはけの道に沿って。