面白い本があった。フェニキア人が作った地中海の町から始まり、ギリシャ、ローマ、ゲルマン民族大移動、スラブ、大航海時代とモンゴル帝国、ユダヤとイスラム、アメリカの新世界、アフリカ・・・・・。
フェニキア人は、エーゲ海の東をアスassu、西をエレブerebと呼んだ。Assuにラテン語の地名接辞「イア-ia」がつけられ、アシアに。もともとこのアシアはトルコの一部だけだったが、順次東まで拡大。トルコは今では、「小アジア」。
エレブは、エウロペEuropeとなり、後にヨーロッパに。アジアとヨーロッパが繋がっていることがわかるようになると、この大陸をEuro-Asia、ユーラシアEurasiaに。
このアジアの語源となったアスassuは、ヨーロッパでは、「東」の言葉の語源になり、ドイツ語のオストost、フランス語のエストest、スペイン語のエステeste、英語のイーストeastに。ヨーロッパの「東の国」と名付けられたオーストリア、フランスのカール大帝(768年即位)が東方に領土拡大し、Ostmark(東部辺境区)を設けたことに由来する。
アメリカの地名も1つの章に。アメリカには、世界中の地名があるという。モスクワも回路も。州の名前の由来も記している。
巻末に、国名・首都名・自然地名の簡単な語源を記載している。
とにかく面白い。ベトナムにある「東京」も。
文春新書 「地名の世界地図」 21世紀研究会編
補足:この本にたくさんの誤りがあると指摘していることを紹介します。こちらも面白い。
http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/europe/timeihihan.htm