徒然なるままに 平和と音楽を求めて

平和憲法のもと日本は戦争しない国として、いろんな国の国民から賞賛されてきた。この日本が戦争する国に変質しようとしている。

吉野弘作詞 高田三郎作曲の「心の四季」から『みずすまし』

2012-12-30 | 読書

 

今年の合唱団の定期演奏会で歌う曲が「心の四季」と決定し、練習が始まっている。歌っていて、いい詩、いい曲と感じる。

 図書館で、「吉野弘詩集」を借りて読んでいる。(現代詩文庫12「吉野弘詩集」思潮社1968.8.1第1刷1985.6.1第19刷)

 第2曲の「みずすまし」は、最初に作った詩を「心の四季」の1曲にするにあたって変えている。元の詩の方がわかりやすいが、合唱としては、新しい方がわかりやすい。

 <元の詩>

みずすまし 

一滴の水銀のように やや重く

水の面を凹ませて 浮いている 

泳ぎまわっている        
そして時折 ついと水にもぐる。

あれは 暗示的な行為
浮くだけでなく もぐること。

ぼくらがその上で生きている
日常という名の水面を考えるだけで
思い半ばにすぎよう――日常はぶ厚い。

水にもぐった みずすまし。
その深さはわずかでも
なにほどか 水の阻止に出会う筈。
身体を締めつけ 押し返す
水の力を知っていよう。

してみれば みずすましが

水の表裏を往来し出没していることは

感嘆していいこと。


みずすましが死ぬと
水はその力をゆるめ
むくろを黙って水底へ抱きとってくれる。

それはみずすましには知らせない水の好意。

 

<「心の四季」の詩>

みずすまし

一滴の水銀のような みずすまし

やや重く 水の面(おもて)を凹ませて(くぼませて)

浮いている 泳いでいる

そして 時折 水にもぐる

あれは 暗示的なこと

浮くだけでなく もぐること

わたしたちは

日常という名の 水の面(おもて)に生きている

浮いている だが もぐらない

もぐれない ----日常は分厚い

水にもぐった みずすまし

その深さは わずかでも

水の阻み(はばみ)に出会う筈

身体を締めつけ 押し返す

水の力に出会う筈

生きる力を さりげなく

水の中から持ち帰る

つぶらな可憐な みずすまし

水の面(おもて)に したためる

不思議な文字は 何と読むのか?

みずすまし----

あなたが死ぬと

水はその力をゆるめ

むくろを黙って抱きとってくれる

静かな静かな 水底へ

それは 水のやさしさ

みずすましには知らせない

水の やさしさ

 


ブラボー東響[第九]、大隅智佳子[第九]

2012-12-28 | 音楽 クラシック

今日の演奏会をネットで検索、大隅智佳子さんの「第九」に決め、電話で当日券の有無を確認、今日から年末休暇で、当日券の有無は録音案内、サントリーホールへ急ぐ。

当初予定のソプラノに変わっての出演とある。

東響コーラス、180人。やっぱりいいね。この人数に負けないのが大隅智佳子さん。透き通った声が、2階正面奥まで響いた。

大きな拍手の後、ソリストが舞台のソリストの席に。アンコールと思いきや、「蛍の光」の合唱。最前列の合唱団員が舞台から降り、繰り返しではペンライト、最後の最後は、指揮台除いて真っ暗のなか青とオレンジのペンライト。感激のパフォーマンス。

会場出口では、チョコレートを全員に配っていた。

 ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」~春・冬

指揮・チェンバロ:秋山和慶
ヴァイオリン:小林美樹

ベートーヴェン:交響曲 第9番「合唱付」

指揮:秋山和慶

合唱:東響コーラス
合唱指揮:安藤常光

ソプラノ:大隅智佳子

アルト:清水華澄

テノール:カルステン・ズュース

バス:アッティラ・ユン

   


国公法堀越事件、最高裁が堀越さんに無罪判決。

2012-12-23 | 事件

12月7日、最高裁は、堀越さんに無罪、宇治橋さんに有罪の判決。

「管理職的」な職務かどうかで、有罪無罪という不明瞭な判決。

猿払最高裁判決の国家公務員法と人事院規則が全面一律に禁じた国家公務員の政治活動の禁止は合憲とした判決、この判決で覆ったことになる。

もっとも、最高裁判決は、国家公務員法と人事院規則は合憲としているが、堀越さんが管理職的職務でなく、公務員であることがわかるような状態で行ったものでもないなどとして、刑事罰適用に該当しないとしている。

だが、国家公務員法と人事院規則には、管理職的職務でなければ、政治活動してもよいとは書かれていない。

実質的に猿払判決の変更にあたる判決。および腰の判決だが。

<最高裁判決から>

4 結論
被告人の本件配布行為は政治的傾向を有する行為ではあることは明らかであるが,勤務時間外である休日に,国ないし職場の施設を利用せず,かつ,公務員としての地位を利用することも,公務員であることを明らかにすることもなく,しかし,無言で郵便受けに文書を配布したにとどまるものであって,被告人は,いわば,一私人,一市民として行動しているとみられるから,それは勤務外のものであると評価される。そうすると,被告人の本件配布行為からうかがわれる政治的傾向が被告人の職務の遂行に反映する機序あるいは蓋然性について合理的に説明できる結び付きは認めることができず,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるとはいえないというべきである。したがって,被告人の管理職的地位の有無,その職務の内容や権限における裁量の有無等を検討するまでもなく,被告人の本件配布行為は本件罰則規定の構成要件に該当しないというべきである。被告人を無罪とした原判決は,以上述べた理由からして,結論において相当である。
(裁判長裁判官 千葉勝美 裁判官 竹内行夫 裁判官 須藤正彦 裁判官 小貫芳信)

 


長谷川陽子 チェロの個展2012

2012-12-22 | 音楽 クラシック

デビュー25周年と銘打った長谷川陽子さんの演奏会。

ラフマニノフのチェロ・ソナタ、初めて聴く曲。バッハの無伴奏ヴァイオリンのチェロ版も始めて、両曲とも、力強さを感じさせる演奏。

カザルスの「鳥の歌」--カザルスの故郷カタルーニアでは、鳥はピース、ピースと鳴くという。平和の気持が伝わるよう。

カルメン・ファンタジー、アンコールのピアソラ、楽しい演奏。

 

長谷川 陽子 (チェロ) 野平 一郎 (ピアノ)

ラフマニノフ:チェロ・ソナタ Op.19

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番より 第5曲 “シャコンヌ” (無伴奏チェロ版)

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 D Minor BMW1004「シャコンヌ」(無伴奏チェロ版)

パブロ・カザルス:鳥の歌

フランク・プロート:カルメン・ファンタジー 

 1.プレリュード 2.アラゴネーズ 3.ノクターン~ミカエラのアリア 4.闘牛士の歌 5.ジプシーの踊り 

アンコール曲 1.ピアソラ:天使のミロンガ 2.ピアソラ:リベルタンゴ 3.シューベルト:夜と夢 D827


第28回三多摩「第九」演奏会

2012-12-13 | 音楽 クラシック

三多摩青年合唱団の「第九」を聴く、これも何年ぶり、否、何十年ぶりの「第九」

指揮:現田茂夫、
独唱:ソプラノ 岩井理花、アルト 秋葉京子、テノール 大間知覚、バリトン 稲垣俊哉
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、
合唱:三多摩「第九」合唱団
合唱指揮:清水義雄

ベートーヴェン 『エグモント』序曲作品84
ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調作品125≪合唱≫

19991212日 午後2

会場:アミューたちかわ大ホール

2階28列28番 A席5300円

 


国公法ビラ配布事件、最高裁判決

2012-12-07 | 事件

2012年12月7日、最高裁は、堀越さんに無罪、宇治橋さんに有罪の判決。

「管理職的」な職務かどうかで、有罪無罪という不明瞭な判決。

 猿払最高裁判決の国家公務員法と人事院規則が全面一律に禁じた国家公務員の政治活動の禁止は合憲とした判決、この判決で覆ったことになる。
 もっとも、最高裁判決は、国家公務員法と人事院規則は合憲としているが、堀越さんが管理職的職務でなく、公務員であることがわかるような状態で行ったものでもないなどとして、刑事罰適用に該当しないとしている。

 だが、国家公務員法と人事院規則には、管理職的職務でなければ、政治活動してもよいとは書かれていない。
実質的に猿払判決の変更にあたる判決。および腰の判決だが。

<最高裁判決から>
4 結論
被告人の本件配布行為は政治的傾向を有する行為ではあることは明らかであるが,勤務時間外である休日に,国ないし職場の施設を利用せず,かつ,公務員としての地位を利用することも,公務員であることを明らかにすることもなく,しかし,無言で郵便受けに文書を配布したにとどまるものであって,被告人は,いわば,一私人,一市民として行動しているとみられるから,それは勤務外のものであると評価される。そうすると,被告人の本件配布行為からうかがわれる政治的傾向が被告人の職務の遂行に反映する機序あるいは蓋然性について合理的に説明できる結び付きは認めることができず,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるとはいえないというべきである。したがって,被告人の管理職的地位の有無,その職務の内容や権限における裁量の有無等を検討するまでもなく,被告人の本件配布行為は本件罰則規定の構成要件に該当しないというべきである。被告人を無罪とした原判決は,以上述べた理由からして,結論において相当である。
(裁判長裁判官 千葉勝美 裁判官 竹内行夫 裁判官 須藤正彦 裁判官 小貫芳信)


山手教会でメサイア

2012-12-02 | 音楽 合唱

雨の山手教会。

久しぶりのメサイア。

小編成の若手陣。すばらしい演奏でした。トランペットが2階席から聞こえてきた。

合唱がいい。ソプラノがいい。

バリトンの池内さんの声がまたいい。

出演: 指揮、ヴァイオリン:長岡聡季

ソプラノ:金持亜実、谷垣千沙、朴瑛実、村元彩夏
アルト:秋本悠希、村松稔之、谷地畝晶子、梁取里
テノール:市川泰明、黄木透、鏡貴之
バス:池内響、田中俊太郎、山本悠尋 

トランペット:壽山忠身、日置彩乃
ティンパニ:村本寛太郎
オーボエ:小花恭佳、古山真里江
ヴァイオリン:竹内弦、廣海史帆、吉田爽子
ヴィオラ:石坂優季、鈴木友紀子
チェロ:夏秋裕一
コントラバス:原田遼太郎
オルガン:平川加恵
チェンバロ:圓谷俊貴
曲目・演目: G. F. ヘンデル作曲 オラトリオ《メサイア》全曲


自然豊かな野川

小金井市東町の南側を流れる野川。 国分寺崖線のはけの道に沿って。