おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

2音、3音レガート

2025年02月18日 | 重力奏法

一音を腕の重みを使って弾くノンレガートからピアノレッスンを始める導入法。

これにより私自身は生徒のレッスンがしやすくなっております。



この導入法を始めた頃は、
腕の重さを鍵盤に載せられない内は、
レガートを始めるべきではないと考えていました。

それは今でもそう考えていますが、
ただ完璧ではなくとも2音、3音のレガートは、

甚だしく指に力みがあったり、
指の支えがなく指先が反り返っていて
ピアノを弾くどころではないという以外は、
さっさと始めた方が良いのではと考えるようになりました。



なぜなら、一音の大事さが、
これだけを続けていても認識されづらいと思うからです。

レガートになって、何のためにノンレガートで
腕の重さ、支えの効いた指先、柔軟な手首、力みのない腕を
徹底させていたかがやっと理解できるのだと思います。



初めてピアノを習う生徒さんや
ピアノ経験のある保護者の方が、
一音ずつノンレガートで弾くことが、
レガートに繋がるとは思わないはずです。

口で説明はしますが、その意味を本当に理解できるのは、
かなり上級の本当にピアノ奏法を正しく教わった方だけだと思います。


私でさえ、10年前にノンレガートからレッスンを
始める話を聞いた時に、そんな必要はあるのかと思いました。

正しい奏法を解っていなかった、
教えて下さっていた先生に習っていたことが
理解できていなかった、ということです。


ノンレガートの期間が長いほど、その意味が理解されなくなります。
上巻に6カ月、というイリーナ先生のお考えは長くともそれが限界、
という意味なのだろうと思います。



モスクワの中央音楽学校のピアセツキー先生もイリーナ先生も
結構早い段階で少ない音数のレガートをさせています。

私は生徒さんの進みが速いからだろうと自分の生徒とは違う、
とあまり気に留めていませんでした。


しかし、昨年からピアノを始めた生徒の数人が、
手がしっかりとしていて、不思議上巻で音を少し読み始めた段階で
2音のレガートが入る曲を渡しましたら、その時は少し苦労しましたが、
上巻が終わる前から予想外にレガートが上手くなっています。

その生徒さんたちの恵まれた手やセンスもあると思いますが、
上巻の段階で短いレガートは他の生徒さんにもやっても良かったな、
と今は思います。



そのようなことを考えておりましたら、
「音楽との初めての出会い」の教本の中に
このような曲があったのを思い出しました。



この本を知った頃には生徒に渡していたのですが、
覚えるのに案外手こずるので、いつしか避けていました。

下の動画のイリーナ先生は5音のレガートですが、
2音、3音の段階でこの曲を渡すのも良いかな、と思います。






つくづく、私は自分を日本人的だなと思います。

段階を踏んで、と必要以上に思っているのだなと・・

新しいメソッドで子どもたちがどう伸びるか、
暗中模索状態だったので、目の前のことを
ひとつずつ片付けていた気がします。

このくらいできているなら先に進もう、
という感覚が8年目でやっと少し見えてきた気がします。


ピアノ教師としての人生、やり直して8年。

時間がかかり過ぎている気がしないでもない・・

コメント
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