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2020年07月15日 | ブラジル雑記

サンパウロにごく最近開校したアメリカンスクールがあります。

高級コンドミニオを思わせるたたずまい。

 高層アパート沿いに広い敷地

過密都市サンパウロの住宅街に40000平米の敷地ですって!

月々の月謝は現在12000レアイスー日本円にして約30万円とか。

今回 この月謝を巡って問題が起こったわけだけど…ちょっと待って!

月に30万円ぐらいの学校だったらリオデジャネイロにも昔からあるわよね。

大体インターナショナルスクールって 月謝はドル建てにしてあるところが普通だから、為替の関係でこのぐらいの額になってしまう学校もあるはず。

でもまあ、現在のところサンパウロでは一番高い学校の一つになるらしいです。

 

さて、ご存知のようにブラジルでは カーナバル後ぐらいから「新型コロナウイルス」の嵐が吹き荒れはじめ、各州ほとんどの教育機関が閉鎖されてきました。

特にサンパウロは「Quarentena(自宅待機)」が厳しく行われ、通りを歩くことさえできないような日が続いたそうです。

私立の学校などでは それぞれオンライン授業などを取り入れ、生徒たちの学力維持に努めてきました。

そんな中、この学校は市内でも一番早い時期に学校を閉鎖し、その後オンライン授業なども全く行ってこなかったそうです。

生徒たちは学校から何の教育的な働きかけも受けないまま、保護者のほうには月々しっかり12000レアイスの月謝の請求がやってくる。

そのことに疑問と不満を持った保護者たちが署名を集め、学校側に休校中の月謝の値下げを要求しました。

それに対して学校側は「学校施設の維持保全、教員や職員の給与の保証等」を理由に、値下げの要求を却下しました。

     *     *     *     *     *

ひっでー話だなー!!なんて思う人もいるかもしれないけど、私は学校側の態度は間違っていないと思う。

日本だとね、学校への支払いは「月謝」という形で「月々の教育サービスに対する対価」という意味を持ちますが、ブラジルでは違うのね。

学校側は 年度当初に生徒一人あたり一年間にいくらぐらいのお金がかかるかを算出し、それを12で割って出てきた数字が「月々の支払」ということになるんです。

「月々の教育サービスに対する対価」でないから、学校の休暇中でも支払ってくださいっていうわけ。

きちんとした学校だったら 新学期に交わされる在籍更新の手続きの時に、この計算した数式を書いたプリントを渡してくれるはずだと思います。

なので、急に「コロナで休校だから月謝を無くせ!値下げしろ!!」っていうのはちょっと難しい相談なのよ。

逆を言えば、「学校の授業がないんだから 月謝は少ない額でいいですよ。払わなくていいですよ。」って言う学校で、現在どれほどの人が職を解かれ、さらに学校施設を維持していく上で様々な支障が出てきていることか。

前述したアメリカンスクールは保護者への説明の文書の中には「教員職員への支払いも保証していなくてはいけない」と書いてある一文がありました。

アメリカンスクールというからには、質の良いバイリンガルの教師を確保しておかなくてはいけないし、そこにそれなりの投資をしておくのは当然のことだと思う。

要求を出した保護者側からは「生徒がいないんだから電気代もかからないだろう、水道代もかからないだろう等々」細かいクレームもたくさんついているみたいですが、これだけの広さを持つ建物を維持していくのは 実際とてつもなく大変なことなのよ。

結局 学校側の態度に納得できない保護者の多くは 自分の子供を他の学校に転校させたそうです。

それが簡単にできることが、ブラジルの良いところかな?

学校という場所は日本的な考えだと「金銭のしがらみからかけ離れた場所」と考えがちですが、そこにも働く人がいて維持していかなくてはいけない施設がある、お金のかかるところなんです。

なので、今回のこの学校側の説明、私としては学校側にすべての否があるとは思えません。

払える人には払ってもらって そこで働く人たちに還元していってあげて欲しい。

払いたくない奴は ぐちゃぐちゃ言わずに、子供を納得のできる学校に移す。

そう、自分の身の丈に合った生活をする!

一番大切なのは そこんとこですよね。

 

 

コメント
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