アマゾンわんわん日記 2018

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「閉鎖病棟」帚木蓬生

2019年01月17日 | 読書
久しぶりの読書ネタ。
最近は 本当に落ち着いて読書をするような時間が取れません。
毎日、すこーしずつ 1ページ1ページページを繰っていくのがやっと。
正直なところ、時間がないことよりも、目の状態が少しずつ悪くなってきているのか、少しの時間集中して活字を読んでいると、すぐに眠くなってきちゃうの。
活字を追うことに 全エネルギーを使っちゃうのかしらね。
話はそれるけど、PC画面を見ていても同じこと。
仕事なんかで少し長い時間見続けてると、いつの間にかこっくりしちゃう。

まあ、そんな感じの読書しかできない今日この頃、それでも毎日少しずつ読んで 読後がほのぼのする本に久しぶりに出会いました。

帚木蓬生 作「閉鎖病棟」



映画にもなっていたんですってね。
私はそういうことには疎いので、全く知らなかったわ。

作者の帚木蓬生(本名 森山 成彬)は、テレビ局勤務の後、医学部を経て精神科医になったという経歴を持つ方。
様々な文学賞を受賞。
この作品でも山本周五郎賞を受賞しています。

小説の舞台は 九州のある精神病院。
様々な理由でこの病院に入った人たちが、おたがいを気遣い、助け合いながら 淡々と生きていくという物語です。
病院に入るまでは確かに大変な事件を起こしたり、大変な困難に遭遇して自分を見失ったりしてきた人たちですが、この病院に入り落ち着いた生活を送るうちに、自分なりの生き方を見つけ出していきます。
そうした生活を送る中で、自分のことだけでなく 人を思いやり、自分と人とのかかわりについて考えていくようになっていきます。
終盤には悲しい別れや大変な事件も起こります。
しかし、登場人物たちは、それらのこともすべて自分たちの未来につながるハードルととらえ、前向きに生きていこうとします。

また、彼らを取り巻く「病人以外の人たち」も、そうした病気を持つ人とどのようにかかわっていったらいいのか、戸惑いながらも特別ひどい偏見を持つのでなく接していく姿で描かれています。
普通なら、ひどい偏見を持津ような様子が描かれるのではないかと思うのですが、そうではなく あくまで人々の「戸惑い」に焦点を当て、病気の人たちとそれを取り巻く人々の心の揺れや葛藤がごく普通の言葉でつづられています。

小説を形作る言葉の一つ一つ、文脈の一節一説が暖かく、読んでいるとほのぼのとした気持ちになってきます。
小説の形は一応サスペンスに分類されるそうですが、読み終わった後に上質の絵本を読んだような気持になる、そんな小説でした。
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