**Hikari no taba **

もの作り*夢づくり

母が語り部に

2005-09-20 | blog
先日、母は姉の勤める高校に授業の一環として、語り部をして来ました。

母は、大阪の大空襲で焼け出され、後に祖母の故郷である広島に行ったのですが、そこでまた広島の原爆に遭ってしまったのです。
爆心地から1キロ程のところに住んでいた母たちは、一瞬で崩れた家のわずかな隙間にいて全員が助かりました。

爆風で割れた硝子の破片が背中にいくつも刺さったまま逃げたことや、その時のさまざまな体験を何度も母は傷跡を見せながら子供の私に聞かせました。

その時の体験を生徒たちの前でどのように話すか、そして、ちゃんと話を聞いてくれるのか心配だったらしいのですが、「孫に話すように話そう。」と思ってからは、落ち着いて話せたそうです。

普段は先生の話など聞かないような生徒までが、語り部である母の話をじっと見つめ静かに聴き入っていたそうで、母はとて嬉しかったようです。

たとえ親や先生に反抗する年頃でも、年寄りを敬ったり、大切にするって気持ちが出ている気がして、私も嬉しくなりました。