ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Murder Wears a Cowl:9

2013-10-19 07:31:00 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

Corbett was breaking his fast in the buttery ...

辞書に載ってませんが,朝食をとっていたという意味かな。またbutteryは辞書を引くと食料貯蔵室とあるけれど,今風の言い方をすれば,

コーベットはキッチンで朝食をとっていた

という事ですね。

さて,早朝コーベットがキッチンで朝食をとっていると,ドアをバンバン叩く音。開けるとケイド。「また殺しか?」「ヘイ親分,ハウィサという娼婦が自室で殺されました」という感じで…

ケイドは朝飯を分けてもらい,ガツガツ食う。が何か狼狽した様子。「知り合いか?」ケイドは食べ物口一杯にして「はい,でも個人的な事です」

そこへのそのそやってきたラナルフを,コーベットは思いっきり絞め上げる。「お前が外をうろつくと全て私の責任になるのだ! 敵は多いんだぞ! またレディ・メアリーか?! 彼女は身分の高い未亡人だぞ!」しかしラナルフは逆ギレ。「私が何だと言うのですか?! それともあなかが彼女をお好きなのですか?!」思わず短剣に手が伸びる両者。ラナルフ「今まであなたに仕えてきました。父は誰か知りませんが母は農民の娘でした。母は野望を持っていましたが才能はありませんでした。私は両方あります。いつか王の基にひざまづきます! 騎士にしてもらいます。」コーベット,手を元に戻し,「好きにするがよい。しかし今は別の仕事がある。」

コーベットは,ラナルフ,マルトート,ケイドと共に,以前アグネスの遺体を検分した教会へ。そこで偶然口にした連続殺人の犠牲者の人数が,ケイドのリストと合ってない事に気づいたコーベット,ケイドのリストと,教会の埋葬者リストを付け合わせる。そして(ケイドをナイフで脅して)ケイドのリストに載っているジュディス(ケイドのお気に入り)という女性が,犯人の攻撃から生き残り,ケイドの「妹」として修道院に匿われているという事を知る。

修道院では一行を暖かく迎えた。特に男性の客は好きだそう? ジュディスはケイドの妹として匿われているのだが,修道女達は何とはなしに,彼女が本当はどんな女性かわかっている様子。ジュディスはケイドを見ると両頬にキスをして挨拶を交わしたが,目の回りのくまが痛々しい。

その日ジュディスは自室に帰ると,戸棚で何か物音がした。飼っていた猫が入ってしまったのかと思って,開けると,突然襲われたそうだ。彼女の肩から肩にかけて,大きな傷跡が残っている。
彼女が見た犯人はフードを被り,焦げ茶の僧服に白い房。これはベネディクト修道僧が着るものだ。すなわち,ウェストミンスターでケイドが黙っていたのは,そこにいた僧達がそのような装いだったから,だったのだ。

ケイドは壁を叩き,ジュディスを見て,すまない,娼婦の言う事など誰も信じてくれない,と言う。コーベット,ジュディスの前にひざまずき,本当の事を言えば,犯人を捕まえ,君を故郷に帰してあげようと約束する。

1年位前,ジュディスや他の女の子達はウェストミンスターに召還され,どんちゃん騒ぎのパーティに参加した。相手の男性はマスクをしていたが,何人かは修道士に違いないと思った。このようなパーティの主催者は,背の高い筋肉質の男で,いつもセニョールと呼ばれていた。

何故修道士とわかったの?とのコーベットに質問に,ジュディス,にっこりして,道に立っていれば,いろいろな殿方の事はたくさん存じております。トンスラがあるのは修道士だけですもの(^o^)

しかし,何故誰も訴えなかったの?というケイドにジュディス,あなたはいい人だわ,でも頭良くないわね,結構なお金や食べ物もらって,誰が訴えるっていうの? それに,さっきあなたが言ったように,娼婦の言う事なんか誰も信じないのよ。

では,おそらく女の子達を殺したのは修道士であろう。そのようなランチキ騒ぎをした事を隠したかったのか。修道士なら誰も疑わない,家の近くまで入れる,サマービル夫人を殺したのも修道士なのか,確かに乞食のRagwrtの証言,犯人は重いサンダル履き,とも合致する。ベネディクト神父も,それを知ったから殺されたのか。

しかし,ちょっとひっかかる所があると思うコーベット。
セニョールは,センチェでもウォーフィールドでもないだろう。パドリコットなのだろうか? しかし何故有名な詐欺師であるパドリコットが,修道士を使ってドンチャン騒ぎを起こす必要があるのだろうか?

コーベット,ある事を思いつく。
突然,ケイド,ラナルフ,マルトートを従えて,黄金のトルコという居酒屋へ。コーベットは,ケイドには食事を許さず,代わりに王の印を渡して,(ロンドン)塔の隊長に,至急3隻の軍艦に王家の射手を乗せ待機させるよう命じる。

ラナルフとマルトートには,酒場で食事を許す。

自身は個室にこもり,ケイドの調書をチェック。パドリコットは元々はケンブリッジに通った秀才だったが,そのまま書記になるエリートコースを歩まず,商人になって,海外で取引をするようになる。ところが,ベルギーに滞在中,イングランドが当地の商人からの借金を踏み倒す事件が置き,彼自身は全く関係なかったがイングランド人への仕返しのために,フランダースの刑務所に入れられる。そこを脱獄して以降,パドリコットは悪の道まっしぐら。今やどんな人物でも騙す,超一流の詐欺師に成長した。

そして,準備完了。ケイドが帰ってきた。軍船はウール埠頭に停泊中。ピーター・リマーという隊長が出迎える。船には弓矢等で武装した兵が待機。そして彼らは,ウェストミンスター寺院へ向かう。



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