詩人PIKKIのひとこと日記&詩

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今年はー「戦争」と「貧困との戦い」の年だと思う

2008年01月11日 | 政治
国民の一割以上が年収200万円以下の貧困層へと追い詰められ、それが原油高や物価高でますます増えつつあるという現状は、政治が真っ先に為すべきことを放棄してきた事が原因だと思う。こんな政府・与党は全く存在意義を失ったものだ。

サブプライムローン問題で、倒産寸前だったアメリカの金融機関・投資機関の倒産は、中近東産油国や中国からの援助でかろうじて救われたが、ヨーロッパではこれからますます深刻化することだろう。
トルコによるイラク・クルド人地域の空爆もますますエスカレートしつつある。
下記のような中東大戦争や第三次世界大戦の可能性もいよいよ高まりつつある。

《新年初めての連載なので、2008年の内外政の注目点について記したい。結論をまず記すと、内政においては「貧困」、外交においては「戦争」がキーワードになると筆者は考えている。年末から年始にかけて、複数の外国から友人が訪ねてきて、率直な意見交換をした。

 まず、指摘されたのは、この1年で日本の物価が非常に安くなり、旅行や出張がしやすくなったということだ。日本人の大多数は、対米ドルレートしか頭に置いていないが、対ユーロ、対ルーブルで、円は急速に弱くなっている。最近、ロシアの2級ビジネスマンまでもが日本を訪れて、銀座や築地で寿司屋を1晩200万円くらいで借り切り、豪遊している。一昔前までは、南フランスやイタリアで遊び歩いていた連中が円が安くなったので、遊び先を東京でのすし食べ歩きと、地方での温泉遊びに切り替えているのだ。

 金持ちのロシア人から、「東京の雰囲気は1992~93年のモスクワに似ている。日本人の身なりを見て、貧富の差がはっきりわかる。もちろん当時のモスクワと比べると東京は金持ちの数が圧倒的に多いけどね。それに路上生活者の数が増えた。繁華街での路上生活者の数は、東京の方がモスクワよりも多いと思う」と指摘された。また、イスラエルの友人は、「現在、一流ホテルの値段で比較するならば、主要先進国では東京がいちばん安いと思う。僕たち旅行者にとっては都合のいい話だが、一般論として、一流ホテルの値段が安くなる傾向にあるときは要注意だ。国の基礎体力が弱くなっていることと関係する」という感想を述べていた。

 北海道の友人からは、「最近、駅や大規模スーパーに一日中滞在している高齢者が増えている。灯油が値上がりしているために暖房代を節約しなくてはならないからだ。これまでになかった現象だ」という話を聞いた。国税庁の公式統計でも年収200万円以下の給与所得者が1000万人を超えている。新自由主義政策の弊害は、もはや格差社会などという生やさしいものではなく、貧困問題になっている。日本では死語になっていたはずの「貧乏」「貧困」という言葉が、今年はマスメディアや論壇に頻繁に現れることになると思う。

 国際情勢に関しては、戦争の危機が一層高まってきた。07年10月には、イランが核保有をした場合、第三次世界大戦が勃発(ぼっぱつ)しかねないという懸念をブッシュ米大統領が行ったが、この「第三次世界大戦」は、言葉の遊びではなく、現実になる可能性が排除されないのである。さらにシリアを巡る情勢も緊迫している。07年9月6日にイスラエル空軍がシリアの某施設を空爆した事案は重要な意味をもつ。

 筆者のもとに入ってきた情報を総合すると、この施設には、恐らくシリアが北朝鮮から購入した核開発機材が設置されていた。本件について、イスラエルもアメリカも、公式の反応を慎重に避けているのは、本件が明るみに出ると、アサド・シリア大統領としては、イスラエルに対する反撃を行わざるを得なくなるからである。現時点で、イスラエル・シリア間で武力紛争が発生するならば、それが第五次中東戦争に発展し、第三次世界大戦につながる危険性をアメリカは本気で心配しているのである。

 さらにパキスタン情勢も不穏だ。07年12月27日のブット元首相暗殺の犯人が、イスラーム原理主義過激派であったため、ブット元大統領の支持勢力である親欧米勢力(民主派、人権派)も、「軍事独裁のムシャラフ政権の方が原理主義過激派よりはまし」という消極的選択をしているので、小康状態が保たれているが、今後、総選挙を巡って、情勢が混乱するならば、ムシャラフ政権がパキスタン全域を実効支配できないという事態に至る。特にパキスタン西部とアフガニスタンにまたがって居住するパシュトゥーン人には、タリバーン勢力が根強い基盤をもっている。ムシャラフ政権が弱体化することによって、この地域にアルカーイダに連なるイスラーム世界革命を目指す疑似国家が成立する可能性もある。

 パキスタンは核保有国だ。アメリカは、アルカーイダに連なる勢力が核兵器をもつ蓋然(がいぜん)性が高まれば、「核ジャックを防ぐ」という口実で武力を用いた介入を行う。これも第三次世界大戦につながりかねない。今年は緊張した1年になるので、筆者としても内外情勢の問題点を、切り口を鮮明にして読者にお届けしたい。》(「佐藤優の地球を斬る」より)